第8話「スポットライトは貴方に」
Kr視点
上手く寝付けず迎えた翌日の午後14時、仕事で遅れてくるきんときを抜いたメンバーでスタジオに集合し、早々にしてレッスンは始まった。
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「一度White Tailsさんの配置の隣に俺達が1人ずつ付く形でやってみましょう。」
🦈
「了解です。」
俺はいつも通りのポジションに着き、隣に先輩が1人立つ。どうやらスマイルはNakamuの隣についたみたいだ。
まぁそれもそうだろうな、一番実力のある人がセンターに立つべきだし。隣に立っている先輩には悪いが、俺の立ち位置は1番目立たないところ。
White Tails内の立ち位置は基本、リーダーであり歌メインのNakamuをセンターに置き、その両端にダンスに秀でたシャークんとラップパートやビジュアルで高い人気を誇るBroooockが置かれる。
俺はNakamuのやや斜め後方の位置。理由は至って簡単、俺に特出したものはないから。良く言えばオールラウンダー、悪く言えば平凡。位置を変えて動き回るから固定よりも楽だし、1度受け入れている手前仕方ない。
スマイルと一緒に踊りたいとか思ったけどセンターじゃない俺の隣は彼に相応しくない。そんな暗い事を考えながら試しに2、3回曲を通してみようと言う声に従って体を動かしていく。
🐼
「どうですか…?」
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「思った以上に形になってるからいいと思う。」
📕
「よかったぁ〜」
👤
「けどスマイル、お前位置変われよ。」
😊
「えっ…」
👤
「お前がセンター近くにいても意味ねぇんだよ、きんときと変われ。」
俺の隣にいた先輩の一声でこの場が凍った。俺達の憧れであるスマイルがセンターにいるには実力不足、先輩の言いたいことはそれだった。
なんで?彼以上に相応しい人はいない。きんときがスマイルに次いで人気の高い人なのは知ってる。でもスマイルの放つカリスマ的な光に叶うはずなんてない。
😊
「…分かった。」
👤
「…じゃあここからはポジションごとに練習で。」
😊
「分かった、なら悪いが俺は隣のレッスン室を借りる。」
言葉を失った俺達、しかしスマイルは飄々とした態度でそれを受け入れた。
😊
「行くぞきりやん。」
👓
「….え((」
でもその移動先が俺の隣とか聞いてない!!!!????
俺は隣のレッスン室に移動するスマイルの背中を追う。頭の中も心もパニックだけど、一緒に踊れる高揚感が俺を煽った。
😊
「一応この場所のフリも頭に入ってるから迷惑はかけないと思うけど、何か間違ってたら教えてくれ。」
👓
「は、はい…!」
そう言ってスマイルは曲をかけようとプレイヤーを操作する。その姿がどこか哀愁に満ちているような気がした。
彼の移動先はWhite Tailsの中で1番目立たない俺の隣、つまりやることは多いのに人の視線が周りに移りやすい苦労人のポジション。
なんでそんなに平然としていられるのだろう。
どうして先輩たちの言葉に反抗しないのだろう。
😊
「その顔はなんで、って顔だな。」
👓
「!?、そんなに顔に出てましたか…?」
😊
「あぁ、なんなら分かりやすすぎる。」
👓
「まぁ、俺的には納得いってないんで…」
😊
「きりやん、お前は1つ勘違いしてないか?」
😊
「輝く場所がセンターじゃないだけだろ?」
そう言いながらスマイルは不敵に笑い、曲に合わせてフリの練習を始めた。その姿はあの時俺を惹き込ませた姿と同じ、正真正銘の俺を魅了したスマイルだった。
輝かせるためのスポットライトも煌びやかな衣装も映えるメイクもない。あるのは曲をかけるプレイヤーだけ。
たったそれだけなのにスマイルはステージと同じように輝いていた。
観客は俺1人、なんなら俺も隣で踊ればいないに等しい。誰かに魅せる訳でもないこの一瞬で彼は輝いている。
まるでこの場には無いスポットライトがスマイルだけに焦点を当てるように。
──これが俺の最推しだ。
感動で言葉も出ない俺はその場に立ち尽くした。
To be continued.
コメント
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まって間違えて更新されたほう先にみちゃった、けどぉ!いや!あたしが裏方いってスポットライトかついでその2人に当てますわ!そしてやっぱモブは髪の毛燃やした方が((ウ"ゥ"ん太陽光を虫眼鏡に通してコッソリ焼くか((ボソッ))
さすがに人が良すぎますよ、、、、、、、、、、 smさんがそんなところにいたらセンターよりもそっちに目が行くでしょうが!!!!!!!!!!!!(嬉しい) 今回も神作ありがとうございます、、、