はじめに
この小説はnmmnです。
ご本人様とは一切関係ございません。転載、拡散はおやめくださいますようお願いします。
ここに書いてある全ては捏造です。キャラの崩壊も含まれます。
関係者様を下げる意図や貶める意図は全くございません。あくまでもフィクションです。また、特定の宗教、思想を批判する意図もありません。反社会的行動の推奨もいたしません。
本作には🐒🖼前提の匂わせ程度のモブレ、嘔吐表現、胸糞等が含まれます。
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待ちに待った夏休みが始まってはや1週間、何の音沙汰も寄越さない天乃にしびれを切らした猿山は、天乃宅を訪れていた。
勝手知ったる家のようにドアを開け、ズカズカと家に乗り込んだ。
あいにくその横暴なふるまいを咎める者はこの家には居ない。現在再婚相手との子を身篭った天乃の母親は里帰り中、父親はもう働きに出ている時間だ。天乃家の複雑な再婚云々の話は一旦割愛しておくとして、家の中を見回した猿山は辺りに充満する淀んだ空気に眉をひそめた。
以前とは異なる雰囲気が漂う室内はどことなく暗く、淀んだ空気は真夏とは思えないくらいひんやりとしている。
まぁ気のせいだろうと考え直した猿山は、天乃の名を呼びながら階段を上った。
天乃の部屋の前に差し掛かって、ふと、足を止めた。部屋の中から妙な音が聞こえてくるのだ。すすり泣く声のような音が絶えず聞こえてくる。
心配になって、ノックもせずにドアを開けた。
天乃が、泣いていた。
乱れたベッドの上、一糸まとわぬ姿で横たわり、しきりに鼻をすすり上げては身体を震わせている。
鼻を突く独特な青臭い臭いと痣だらけの骨ばった背中、天乃の身体にまとわりつく白濁とした液体。そこから導き出される最悪な答えを信じまいと瞬きを繰り返しても、目の前に広がる光景が消えることはなく、より一層くっきりと現状を映し出すだけだった。
「あ…天乃?」
「……見ないで」
背中を向けたまま天乃は弱々しく震える声で言った。が、はいそうですかと目を背けられるほど猿山は薄情ではなく、かと言ってかけられる言葉も見つからず、その背中を見つめることしか出来ない。
やがて注がれ続ける視線にいたたまれなくなった天乃が、徐に上半身を捻って猿山に顔を向ける。
「今日は帰って」
天乃はそれだけ言うと、緩慢な動きで身体を起こし、ベッドから這い下りた。天乃がふらついたのを見て、猿山は咄嗟にその肩を支えた。前よりもずっと薄くなった肩を掴んだまま押し黙る猿山に、天乃は訝しげな視線を投げかける。
「汚いから俺に触らない方がいいよ」
「天乃だけだとふらついて危ないから、手、貸す」
「いや」
「…汚いとか、どうでもいい」
拒否しようとした天乃の言葉を遮り、はっきりと言い切った猿山に天乃は呆れたようにため息をついたものの、無理に振り払おうとはしなかった。
猿山に支えられ、二三歩、歩きかけた天乃が、突然その場から岩のように動かなくなってしまった。溢れんばかりに目を見開いて、床を凝視したまま微動だにしない。
何か床にあるのかとつられて猿山が視線を落としてみると、天乃の足の間に何やら白い点のようなものが落ちている。見ている間にも、その点は徐々に増えていく。
正体が分からず、元を辿ろうと視線をするすると上へ上げて、猿山は理解してしまった。
同時に天乃からゴポ、という何やら不穏な音が聞こえた。考えるよりも先に体が動いた猿山は近くのゴミ箱を引っ掴んだ。
口を押さえ、膝を折った天乃は案の定そのゴミ箱に激しく嘔吐した。苦しげに息継ぎをする声と吐瀉物がビニール袋の中に落ちる音を聞きながら、ビクビクと震える背中を優しく摩る。
胃の中身を全て吐き出し呼吸が落ち着いた天乃の肩を支え直して立たせると、道中若干ふらつきつつも、なんとか洗面所まで辿り着いた。
「一旦口ゆすいで」
「……ん」
「風呂一人で大丈夫?」
「大丈夫」
「天乃の部屋入って着替え取ってくる。なんかあったら呼んで」
「…ごめん」
バタンと浴室のドアが閉まる音を背に、天乃の部屋へ戻ろうとして、点々と床に落ちる白濁が目に入る。あまりの不快感に猿山はおもいきり顔を歪めた。
居間のティッシュを乱暴に抜き取り、すべて丁寧に拭き取りながら天乃の部屋に戻った。
部屋の扉を開けて一番、青臭さと饐えた匂いが混じった最悪な空気に再び顔を顰める。
すぐさま窓を開け、ゴミ袋の口をきつく縛り、布団からシーツを引っペがす。ついでにベッドの隅にくしゃくしゃに丸まっていた天乃の服も回収しておく。
ゴミ袋と辺りは除菌して一階のゴミ箱に、シーツと服は空っぽの洗濯機に放り込む。洗面台で念入りに手を洗い、もう一度天乃の部屋に向かった。
部屋のタンスから薄手のパーカーやその他衣類を適当に見繕って洗面所に置いておいた。
「ふぅ……」
一通りやらなければいけない事が片付き、一気に体から力が抜ける。遠くで水が跳ねる音を聴きながら居間のソファーに沈み込んだ。
……天乃と、何を話せば良いのだろうか。
虐待紛いの教育を受けてきた猿山には、暴力を振るわれる苦痛を理解してやることは出来ても、義父に手を出されたことはない。
だから、天乃にどう寄り添ってやればいいのか、見当もつかなかった。だが、安易に通報を勧めるのも気が引けた。
仮に通報を勧められたとして、簡単に頷けるわけがない。幼少期より親からの暴力を受けてきた猿山は、対応の杜撰さをよく知っていた。
教師に相談したり警察に通報しても、せいぜい厳重注意くらいが関の山だ。そして告げ口されたことを知った親は激昂し、良くて飯抜き、悪ければ折檻を受けた。
暴力への恐怖、加えてそこに羞恥も絡むとなると、その心境は更に複雑になるだろう。
じわりと汗が滲むこめかみを押さえて猿山は呻いた。
「どうしたの」
「うわぁッ!!びっくりした…」
いつの間にか傍に立っていた天乃に驚き、猿山は飛び上がる。
その猿山の横に腰掛け、天乃が眉を下げて笑う。
「色々と、手伝わせちゃってごめん」
「それは全然いい。それよりも、天乃」
「うん。分かってるよ、でも」
「『でも』じゃないだろ…」
「……母さんがいない間だけだから」
「それは…どういうことだ?」
「父さんが俺に手を出すようになったのは母さんが妊娠してからなんだ」
「は、最低だな」
「……だから、母さんが帰ってきたらきっと………元に戻ってくれると思う」
「それまで耐えるつもりか?ああなってまで耐える必要なんて何処にあるんだよ」
「今の父さんと出会ってから母さんはすごく幸せそうで……俺が少し我慢すればいいだけなら、それが一番だと思ったんだ」
天乃は見たことのない目をしていた。どこまでも落ち着き払って、ひどく大人びた瞳。諦念と憂いが染み付いたそれは、猿山が毎朝顔を合わせるものとそっくりだった。
「天乃」
「お願い。らだぁは何も言わないで」
天乃は縋るように猿山の手を握る。言い返そうとした猿山は、何よりも雄弁に語るその目を見て、そっと口を閉ざした。
静まり返ったリビングに、油蝉の声がやけにうるさく響いた。
続きを書くかは未定です。
🐒🖼メイン、たまに🧣🍤や🟦😄、📡😄を書いていきます。よろしくお願いします。
コメント
3件
コメント失礼いたします(´˘`*) 物凄く癖に刺さる作品でした💕💕 こういったクソな身内に襲われる系統が物凄く好きなので寿命が伸びた気がします(*´˘`*)💕💕 今後もご自身のペースでゆったり無理せずリアルを優先して筆が進む時に頑張って欲しいです…( _ _)" 今後もコッソリと陰ながら応援しております🙇♀️🙇♀️