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テラーノベル(Teller Novel)
パラ日帝

パラ日帝

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第1話

♥

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2024年04月18日

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パラ日帝


夕方頃、夏祭りがあり人で賑わうお店に行った。彼と一緒に。ぶつかり合う様に屋台が軒を重ねる。肩が触れる程の人混みの中、声があちらこちらに飛び交い、広場では、太鼓の音が、ドンドンと聞こえた。赤いりんご飴を一つと注文し、彼と一緒に食べる。ガリッと言う食感と共に、りんご飴の欠片が口の中に、ボリボリと噛み砕き、流し込む風に飲み込む。

「美味しいね」

僕が、そう言うと彼は、「そうだな」とニコリと微笑んでくれた。

「ねぇ、何でりんご飴を二つ持ってるの?」

そう聞くと、少し虚しい顔をした。だけど、直ぐに優しく暖かい眼差しで僕を瞳に捉えた。

「少し、待っててくれないか」

「…良いよ」

彼は、そう言ってその場から流れる風と共に立ち去った。

暫く待っていたが、我慢できずに彼の跡を追った。すると、少女に声をかけていた。遠くからだったけど、少しだけ声が聞こえる。どうやら、少女がりんご飴を落としたらしく、屋台の商店街の灯りは、無くなりもう閉まったのだと分かった。すると、彼はりんご飴を差し出した。「嗚呼、あの女の子にりんご飴を上げる為にりんご飴を二つ買ったのか」と納得した、僕は元いた場所に行こうとする。だけど、彼が僕以外の違う人と話をしているのを見て、醜い感情が芽生えた。この気持ちは、最初は分からなかったが、数年後その感情が「嫉妬」だと理解する。

「すまん。待たせた」

「……うんうん!大丈夫だよ!」

夏を嫌悪するには、十分過ぎる程の空だった。辺りが暗くなって行くと、花火の音が聞こえた。パチパチッと花火が、空に大きく広がり、赤、青、水色等、色んな色が混ざり合い、美しかったが、隣に居る彼の姿の方が、もっと美しいと思える。

「…ねぇ」

彼が、振り返ると共にソッと唇をなぞる。この唇は、僕だけの物だ。いや、彼の物は全て僕の物だ。誰にも渡さない。何故、自身がそう思うのかさえ、分からない。大人になれば、分かるかな…。彼の、食べかけのりんご飴を食べた。

「……食べて良いぞ」

嗚呼、そう言う所が大好きだ。彼は、僕に甘いのを知っている。ソレが、とても好都合なのだ。

「……ありがとう!」

食べかけのりんご飴を食べながら、間接キスをしている事に気づいていない彼が可愛いと思った。りんご飴は、甘く祭りの雰囲気を漂わす。

この時間が永遠に止まれば良いのに____

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コメント

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もーーーう大好こ♡⊂('ν`⊂ )マジで推す!?

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