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私立桃虹学園。I年4組10番、黄坂竜也、つまり俺なのだか、……入学式から友達が居らず、たった1人でご飯を食べる日々が続く。
(……誰かと食べたいな)と、毎回のように思うのだが、昔からの内気な性格のせいなのか話しかけようとしても声がつまり、…途端に声が出なくなってそのまま離れてしまうのだ。
今日もいつものように1人で弁当を取り出し、机へと戻る。すると、肩が誰かと当たり、…
「ぁ”、⁉︎どこみてんの、??」
「ぁ、」
I年4組27番緑川じゃぱぱだ。緑川はそこらの地域では有名な不良らしい。目つきがとても悪く、こちらを睨みつけてくる。それに圧倒される俺。クラスがざわめいた。
「……気をつけろや、」
そういって緑川は離れて行った。教室がざわざわと喚いた。俺は呆然と立ち、……心臓が止まりそうなほどにバクバクしていた。心臓が飛びでそうなほどに苦しく、その場に立ち尽くす。
(こ、……こわい、)もう、関わらないでおこうと決めた俺であった。不良とはとても怖いものだと改めて知らされたのであった。
「………大丈夫なのかな、あいつ」
と、緑川は廊下でつぶやいた。
次の日。晴れ渡るような青空。
「まっぶし、」
そんな日差しの中、俺は何となくだが屋上に行ってみることにした。1人で。
「……人、多い、っ、」
屋上はみんな騒いでいて少し耳が痛い。
屋上に来るべきじゃなかったのかもしれない。「……ひっそり食べよ」
俺ははじっこの方へと足を運び、ちょこんと座り込んだ。そして、朝お母さんが作ったくれた弁当を開け、黄色に染まった卵焼きを口の中に放り込んだ。じわっとあったかい感覚が口を襲う。美味しい。そう思い、弁当を食べていると、目の前が陰になり、足が見えた。
「ッ⁉︎」
俺はびびってゆっくりと上を向いた。
そこには、……怖そうな先輩が立っていて、俺を見下しているようだ。
「お前、1人で弁当食ってんの〜??」
先輩の1人が話しかけにくる。突然の事で口が動かず、固まってしまう。
「ぁ、”ッ、…え、”」
「だっせぇなぁ笑」
“だっせぇな”その言葉が俺の心にひどく突き刺さり、俺は宙を舞う。
「……ッ、ぁ”ッ、その、…」
俺がボソボソと言い始めると、それに声を被せ、こう言った。
「インキャが黙ってな」そうやって先輩たちは愉快に笑ってきた。その笑顔がとても腹正しく、怒りが溜まる。いっその事屋上から突き落としてやろうか。でも、そんなことをしてはいけないと、俺は知っている。だからしない。
俺はルールに従う普通の人間なのだから。
「……お、弁当じゃーん、」
「美味しそうっ、!!」
「えい、っ、」と。言葉を発した先輩は俺の持っていた弁当を横に倒し、床に散らばった。おにぎり、卵焼き、ハンバーグ、どれもこれも涙を流すかのように転がり、泣いている。
「………ッ…何、するんですか、」
「え、??聞こえないなぁ、笑」
そう言って先輩が笑っていると、
「おい」
と、声が聞こえ俺は即座に振り返る。
ー。緑川じゃぱぱ。
「何で、、ッ”、…」
「君がいる、ッ……??」
コメント
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く … て ぇ て ぇ