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「やば…………」
ひらひら、と短く揺れるプリーツスカート。ぶかぶかで指先しか見えないようなパーカーに身を包んだどぬくは、鏡の自分を見て絶句した。
――俺はもふくんの彼女……だと思う。彼女役、かな? なのでリアルの女友達を呼んでほとんど女子会みたいなことをした。なんてことない恋バナ。
俺はすぐに質問攻めにあった。
「え……その人のどんなとこが好きなの?」
「えー、ツンデレなところ?」
「え、めっちゃかわいい〜〜!他には?」
「もうやめよーよこれぇ……」
わいわい、がやがや。女子はこういう類の会話が大好きなのだ。もふくんの話題を出せば、きゃーと黄色い歓声が鳴り響く。
「じゃあさ、女装しない……?」
……有言実行って言うのがほんとに合ってる。
なんか、もうあれよこれよとメイクもやられてしまって、すっかり女の子になってしまった。
……しかも下着も女物だし…………!
どんすんだよこれぇ……。
「も、もふくん……!どう、かな?」
「え、どぬ……どぬ?!え、ちょ、ま」
スマホを落としそうになり、慌てて体勢を整える。その顔はいつもの落ち着いて、冷静でかっこいい顔では無い。なんか、焦って、顔が真っ赤になってる。ほんとに、こういう所のギャップがすごくて、何度も何度も惚れ直しちゃう。いや、直すというか元々惚れ込んでるというか…………。
「はぁ……」
もふくんはそうやってため息をつきながら俺に上着を一枚被せた。もふくんの匂いに包まれて、しあわせぇ……。
「その姿、俺以外にみせんなよまじで」
必死にそうやって言ってくるもふくんに、俺の目は釘付けになった。俺は、こくりと小さく頷く。その姿を見て安心しきったもふくんは、俺をすぐさまホテルへ連れていった。
――
人の居ない受付で、もふくんは手早く鍵を取る。
ラブホテル……って結構人の居ない受付っていうのが多いらしい。俺、そんなラブホ行かないから分かんなかったけど。いや、多分もふくんは調べたんだろうな。恥ずかしかったろうに……。
「おいで、どぬ」
エレベーターの前でエスコートしてくれるもくんにきゅんきゅんしてしまう。まるで女の子になった気分。
「う、うん……」
小さく返事をして、もふくんの手をやんわり握った。男らしいけども、それでいて綺麗な指をしているな、と毎回思っている。爪は毎日ちゃんとお手入れしてて、形が本当に綺麗。
アメジストみたいな瞳を盗み見る。髪をかけた耳は、じんわりと熱を持っていた。
――どさ、とベッドへ押し倒された。
後ろに映る照明のまぶしさに少し目が眩んだけど、もふくんのかっこよさで全てがどうでもよくなる。イケメンって、何してもイケメンだなぁ。
「服、自分で脱ぐか、俺が脱がせるか。どっちがいい?」
意地悪っぽく言うもふくんに、俺はあっさりやられてしまった。
パーカーを脱ごうと、腰を浮かす。服が擦れた音がいやに響いてて、もふくんは音もせずただじっと俺を見つめている。あ、これ、興奮してるな。
明らかにサイズの合わない女物の下着を身につけている俺を見て、一際大きなため息をついた。
「それはやばいって……俺の理性持つかな」
顔を手で覆い隠しても、耳で分かる。真っ赤。
「もふくんになら、何されてもいいよ、俺。」
結構小さめに言ったはずだけど、ちゃんともふくんの耳には届いているみたいで。すぐに俺のリップクリームで潤った唇に噛み付く。
べろり、と唇を舐められた。レモンみたいなもふくんの口の匂いが鼻をくすぐる。初キスはレモン味……って、いや、これが別に初キスって訳じゃないけど。
「あま……」
これも実は買ってもらったもの。女装される時にあれやこれやと買われたのだ。ちょっと申し訳ない。
脇腹をつつかれて、思わず口が開いてしまった。すかさずもふくんはそこに舌をねじ込む。
歯列をなぞって、口の上側をくすぐられる。ごく、ごくともふくんの唾液が俺の喉を通過した。
息苦しくて、涙が流れてくる。もふくんはその涙を見て、にやりと口角を上げた。……ドSの時のもふくんの表情だ。
結構な時間が流れて、ようやく俺は口に空気を含ませた。げほ、げほと咳をする。やっぱり慣れそうにない。もふくんのキスはいつだって長いんだ。
じれったいっていうか、なんというか。
もふくんが、俺のへそを撫でる。おもわずひゃんっ、て子犬みたいな声を出してしまって、もふくんはくすくす笑う。スカートをゆっくりと下げられて、女物の下着があらわになった。は、恥ずかしすぎる…………。
女物なのに、張り詰めているソコはしっかり「男」って感じがして、アンバランスすぎて泣けてくる。いっそのこと俺が女の子だったら良かったのに…………。
「なに、恥ずかしくなっちゃったんだ。」
俺の心を見透かしたのか、もふくんはそんなことを言う。ぽつぽつと頬に熱が生まれた。沸騰しそうなくらいに熱い耳は、もう隠しようがない。
「まだ見てたいんだけど、外すね」
ゆっくり、焦らすように俺のパンツを外す。ぐちゃぐちゃになってる自分のソレなんか、みたくなくて、思わず目を逸らした。
「……あれ?もう鳴らしてきた…………?」
ローションを片手に持ったもふくんが、俺の穴の方を見て、びっくりする。
こんな展開になることを望んでいて、家で用意したんだ。ちゃんと、調べながら。すっごい恥ずかしかったけど…………。
「う、うん。はやく、シたいなって」
言ってる途中で恥ずかしくなっちゃって、顔を腕で覆い隠した。もふくんはそれをやんわりと退ける。
「もう我慢出来ない。[[rb:挿入>い]]れるよ」
コンドームの袋を口で外して、装着する。焦ってるような手つきなのに、その動きは正確だ。
もふくんの大きいモノが、俺のにずぶりと入ってくる。一気にイイ所を突かれて、俺は息も出来なかった。
「ぁ゙ッッッ……ぁ……?!!!、♡あぁ゙っ」
目の焦点が合わない。もふくんの綺麗な顔がぼやけて見えた。いや、涙かもしれない。もうわかんない。
そのまま揺すぶるように動かされる。ぐり、ぐり、と一点に集中して擦られるから、気持ちいいから逃げられない。足はピン、とこれ以上曲げられないくらいに真っ直ぐ伸びた。
その動きだけで、俺は軽くイった。白くて、ドロドロしたものが俺の自身から勢いよく流れる。
もふくんがもう一回、強く腰を打ち付けた。ばちゅん、と鈍い音がラブホ中に響く。天井につけられている鏡に、自分の姿が映ってしまって。どれだけ自分が恥ずかしい格好をしているか自覚させられてしまう。その羞恥だけでナカはきゅう、としまった。
「ん゙……ぅ……ぅっう……♡」
逃げるようにして俺はシーツにすがりつく。もふくんは耳元で囁きながら、俺の手を自分の首に巻き付けた。
「縋るなら、俺にしてよ」
もふくんと距離が近くなってしまって、更に奥へと達してしまう。未だにソコまでは[[rb:挿入>はい]]っていなくて、慣れない快感に身をよじった。
「お゙……ぉッッッ……♡♡♡」
甲高い声が自分の耳をつんざく。耳を塞ごうとしても、もふくんの首に手を回しているため、叶いそうにない。
でも、自分の声が大きくなればなるほど、もふくんは興奮したようにモノをでかくするのだ。なんか、それが嬉しくてちょっと大げさに鳴いてしまう。
「あぁ……んぅ!♡あぁ……ぁ゙」
「どぬ、好き。愛してる」
そろそろもふくんは限界に近いのか、俺の耳元で焦ってるように囁いた。串刺しにするような低音に、俺はいともたやすくトリコになる。
――熱いのが、俺のナカをいっぱいにした。もふくんは俺の頬を愛おしそうに撫でて、「頑張ったね」って褒めてくれた。やさしい、すき。
俺の身体のためにも、一回で終わらせてくれたのは分かってる。分かってるんだけどさ、
「ね、もっかい。だめ?」
もふくんの服を少し引っ張りながら、上目遣いで見ると。あっさり承諾してくれた。俺の前だともふくんは単純になってしまう。
「後悔しても遅いからね……?」
俺はとろけた瞳を揺らして、肯定の合図をした。
――ちゅんちゅん、と小鳥がさえずる音で目が覚める。自分を包んでくれるような朝日に映えるは愛しのマイダーリンだった。ベタ塗りしたみたいな青空に、電柱とセットで、電線がぽつり、ぽつりと見えている。
後始末、とかは全部してくれたみたい。ほんとにスパダリすぎる。
まだ寝てていいよ。体ゆっくり休めてって言ってくれてもう……もう…………ほんとに好き。
更にはおでこにキスまでしてくれるんだから、もう惚れる以外の選択肢はないと思った。