Mrs. GREEN APPLE/死表現/りょつぱ
藤澤「あれ?若井〜リップ落ちたよ?」
俺の後ろを歩いていた涼ちゃんが俺の落としたリップを拾ってくれた
若井「あぁ、ありがとう(受取)」
藤澤「その衣装のポケット小さいから落としやすいよね〜。俺もさっきイヤホン落としちゃった笑」
若井「そうなんだ」
藤澤「…?若井、なんか怒ってる?」
あぁダメだ。我慢してたのに涙が勝手に俺の頬を伝う
藤澤「え?ちょっ…どうしたの?大丈」
若井「大丈夫だからっ(泣)大丈夫…だから少し、、1人にして(泣)」
涼ちゃんの言葉を遮るように言うと少し悲しそうな顔をする
ほんとに最低だな。俺は。
藤澤「………分かった。何かあったら連絡して?」
小さく頷いて俺は長い廊下を歩き誰もいない部屋に入った
若井「っ….(泣)くっそ、、、、、」
俺はメンタル面はかなり強い方。アンチも気にしたことないし何をいじられても平気だった
でも最近気が付いた。俺はメンバーみたいな優しさを持っていない
誰かが弱ってる時優しい言葉なんてかけられないし、寄り添ってあげることも出来ない。
それに気付いてからはメンバーの優しさに触れる度、殴られるように胸が痛んだ。特に涼ちゃんは繊細で純粋で温厚で謙虚で…俺の欲しいもの全て持っていて苦しかった
俺に優しくしないでほしい。さっきだって俺のリップなんか拾わなくて良かったし、”落としやすい”なんて共感して笑いに変えなくて良かったのに。
優しくなりたい。ごめんね、冷たく返事して。一つ一つの言動に後悔し始めてとにかく渦に巻き込まれたらしばらくは抜け出せない
若井「、、、、しにたい….」
藤澤side
若井が楽屋を出ていって1時間。1人にしてなんて言われても流石に心配になってしまう。
大森「いやーやっと終わったぁ!…あれ?若井は?」
珍しく手こずっていた元貴のレコーディングも流石に終わったみたいでキョロキョロ若井を探している
藤澤「おつかれ〜!若井はお腹の調子悪いみたいでトイレに行ったよ。多分まだかかるんじゃないかな」
若井の事だから泣いてるところを知られたくないだろうし元貴には黙っておこう
俺ならすぐ誰かに縋って泣きつくのに…ほんと若井は”優しい”
大森「あそうなの?じゃあ待つか〜。夜ご飯一緒に食べて帰りたいし」
ピザかな?パスタかな?なんてウキウキでお店を調べはじめた元貴。
俺はそっと楽屋を出た
藤澤「やっぱり1人になんて出来ないよ」
ーガチャー
藤澤「若井〜?(小声)」
俺は長い廊下を通って1つの部屋に入った。このフロアにはいくつも空き部屋があるがたまたま一発で若井の居る部屋を当てられた
若井「…グズッ」
俺に気付いていないんだろう。部屋の隅で膝を抱えて小さくなっている
藤澤「独りじゃないのに…」
そっと背中をさすってあげようとしたら思わぬ言葉が聞こえた
若井「、、、、しにたい….」
藤澤「っ、、!」
癇癪起こしながらとかでも暴れながらとかでもなく、いつも通り平然としたトーンで言った。だからこそ怖かった。
俺はすぐに若井を抱き締めた。なるべく優しく、でも力強く。
若井「?!ぇ….(泣)なんで、、、」
身体をビクつかせ驚いた後俺の腕からすり抜けようとしてくる。
藤澤「大丈夫、大丈夫だから…」
俺は知ってる。抵抗するのは本気で嫌がってる訳ではなくて泣いてるところを見られたくないだけだって。だから俺は離さない。安心できるように優しく背中をさすりながら声をかけた
若井「…….りょうちゃ(泣)」
しばらくすると俺の胸に頭を擦り寄せて泣き出した若井。ほらね、もう大丈夫。
藤澤「1人でさ、泣かないでよ。俺だって元貴に慰めてもらったり若井に相談させてもらったりしてるじゃん?寄り添い合えるのがメンバーなんだから良いんだよ、弱くても」
すっかり俺に身を預けきった若井の頭を撫でる。頼りたかったんだよね。誰かに。でも周りが優しすぎるから自分にそんな権利なんか無いって思っちゃうんだよね。自分は優しくないって。
少し前の俺と全く同じ。だからこそ気持ちが痛いほど分かる。でもこれだけは伝えたい。若井の優しさで俺達の仲は繋がってるんだよって。俺の周りに優しさがない人は居ない。みんな温かくて大好きな家族。
少しずつ落ち着いてきて小さく息をする若井をもう一度抱き締めた。今度はちゃんと守ってあげるからね。
藤澤「…よし。そろそろ楽屋戻ろ?元貴が一緒にご飯食べいこって」
若井「うん、、、いく」
藤澤「何食べよっか〜」
若井「ピザとかパスタとか…?」
無意識に選択肢が全てイタリアンなのも若井の優しさだよ
藤澤「これからも若井でいてね」
若井「、?なんか言った?」
藤澤「なんにも!早くいこ?」
若井「うん、!」
楽屋に戻ると寂しそうに俺達を出迎えた元貴を見てやっぱり俺達は家族なんだなって思えた
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