いいの?本当に。
ええ。いくらでも。
ここはとある練習場。
武器などの試しや新人教育、手合わせなど公共の場であるここは死亡した場合でもリスポーン出来る為一般人や兵の利用も見られる。
しかし本日は貸し切りになっているようだ。
貸切の団体名は「ピンクの猿」。変な名前だと思うが実力は確かなのがたちが悪い。
本日はmmm主催の腕試し。優勝賞品はmurとの交渉でほしいものが送られる。今回のメンバーは
mur,mmmのギルドマスター、副長ペア
巻き込まれた不憫枠urut,tk
oyの一言と優勝賞品につられたoy,rn
祭りごとを楽しむstut,ib
mmm,murが誘ったらノリノリで参戦のj,fin
の5ペア。
tyn、isiは辞退して外の席からみている。審査をやるらしい。
rycとosoは依頼を受けて討伐へむかった。あの不仲の息の合ったギャグみたいな技も見たかったがしょうがない。
murとmmmに動かれたらすぐ終わってしまう為シード枠になった。
話し合いの結果
一回戦:urut&tk vs ib&stut
二回戦:oy&rn vs j&fin
三回戦:一回戦勝者vs二回戦勝者
mmmの回復魔法の後
四回戦:三回戦勝者vsギルドトップ2
になった。
ルールは特になし。魔法、武器の使用は自由。相手の降伏or死亡、戦闘不能で終了。ペアが両方脱落するまで続く。
それでは第一回戦開始!!
mmmの掛け声でスタートする。
ur:ねぇtk。俺ら不利すぎん?てか相手攻撃特化じゃね?それにいろんな意味で相性悪いような…
tk:今更気が付いたの?ibさんは想像系だからなんでも出来るし一回キャンバスの詠唱が終われば制限ないし、rmnさんは自然があれば詠唱不要のバランスのいい攻撃系。それに対して私達は…
いきまするよ!!!ibちゃん!!
そういって高く飛び、黄色の魔法陣が何重にもかざした手の前に展開される。
はいはい…w後ろは任せな。そう言って右手に青い魔法陣を展開し筆を取り出しキャンバスを作り出す。
「フルーツメガマルシェ!!!」
無邪気に笑いながら魔法果物が空から降り注ぐ。
ibが描いているのを狙うべきだろう。狙えるならの話だがな。
urut!!!という彼女に応えるように彼女は一呼吸して
空を駆け 自由に 蒼天の衣、今、我が舟となれ!
「クラウドライダー」と唱える。
そこには二人が乗るにはちょうどいい雲が現れる。急いで乗りstutの果物を避けていく。
本当に詠唱そろそろやめたら?とtkがいう。
このギルドの人はほとんどと言っていいほど詠唱がいらない。魔法とは想像力と相性である。詠唱は声に出すことにより魔法をイメージする役割があるが自分の力で出来れば詠唱など必要ない。合体魔法など大がかりなものには詠唱が必要になるわけだが。
こいつ(urut)は想像力があるし使えない面白くない人ならばそもそもギルドに勧誘されるわけがないだろう。
しかしこいつのいい訳は
駄作は武器ないと基礎が限界なんですよW
と答える。いつも通りの答えにあきれる。普通ならあんな恥ずかしい詠唱なんて敵に襲われやすいしすぐやめようとするんだがこいつは不安だからだの失敗するだの言って使いたがる。
本当に嫌なら降参してしまえばいいのだろう。しかしtkはここで降参したら逃げたと思われるのが嫌なのだ。
本当にあのじじぃどもは…それに相方がurutなんて。
徐々に彼女はネガティブになっていく。それと同時にフルオートで「モヤモヤインフェルノ」が発動する。彼女がネガティブになるのはしょうがない。このペアは視界妨害など戦闘には向いてない。それに片方が沈めば巻き込み事故が起こる。逃げ特化だからだ。
そんな思考をするだけ無駄なのだが考えないとやってられない。ギルドの為とか考えるとバカバカしいがギルドマスターを愛するurutの為に動いてやる。
高台に移動すると
urいつものやるよ。というと彼女は楽しそうに詠唱を始める。
彼女は紫色の魔法陣から魔傘を取り出し、何もない宙に向かい「アメノカーテン」と唱える。それに合わせるように「ミストヴェール」を発動させる。この2つの魔法は天候を一度操るだけだから魔力など関係のない天気になる。そう、そこはガキの掌の上。
攻撃がむいていないならいつも通りやればいい。視界を遮りこっそりと。
stutは自分らのいない方に果物を召喚している。
よし今のうち。
高所から飛び降り
よしこれなら一人は持っていける!!!そう思い刺股をにぎる。
しかし
「ドローンタイム」&「マジックコピー対象:stut」。
と落ち着いた声が聞こえる。
巨大画じゃないなら発動できないんじゃなかったのか?そもそも2重魔法なんて…!
通常2重魔法は多くの魔力と集中力が必要になる。tkのように生まれつきの体質により無意識で発動するオート型もいるが無意識の為本人に聞いても一つしか発動させていないという。
まぁibさんは才能の持ち主だしなと思いつつ襲ってくる果物を眺めるしかない。間に合わない。もう負けか…。そう思い構えた刺股を下す。
あーもう!!めんどくさいな!!!
「ウォーターバレット!!!」
無詠唱で傘の前に青紫色の魔法陣を展開させる。
魔傘の先端を果物に向け水の弾丸を放つ。こんな技しらない。いつ覚えたんだ?
tk!!いつも俺は言ってるだろ!頼れって!確かに俺はここの言語にめっぽう弱いし、具現化もしないのに文字ばっかり書いてるけど少しくらいは頑張るから!!!
と叫ぶurutに
あ!!いた!!
視界に慣れてきた彼女を見つけ果実を放つ。urutはかすりながら避けていく。マズいか。
よし!!stut!準備できた!!さっさと終わらせる。やっぱ水はめんどくさいな。
そう思い巨大キャンパスを生み出す。
stutを呼ぶ。
stutは詠唱を始める。詠唱阻害はibの「ドローンタイム」の派生のせいで不可能だ。
ibはド派手に一回の技に全てを込めるようだ。模擬戦ならではの業だろう。
大きなキャンバスにはギルドのサブマスターmmmの悪意ある顔が描かれたフルーツ。
正直気持ち悪い。しかし脅威であることに変わりはない。stutは楽しみながら歌うように唱え続ける。
防ぎきれるか?
高台に上がりurutの横に行く。
urut:これ負けですかねぇW推しにいいとこ見せられんくてなえそう。
そういいながら諦めずに
詠唱を始める。
蒼穹の波よ、我が身を包み、清き盾となれ。ウォーターシールド。
水で最低距離を囲う。しかしあの量はいけるか賭けである。
ib:「キャンバスリアライズ」
stut:「フルーツメガマルシェ」!でございまする♪
「「合体魔法」」
「「カミサマメガマルシェ」」!!!
そう唱えた瞬間水色と黄色の混ざった魔法陣が空に浮かぶ。
ギルドマスターも結果がわかったように目を閉じる。サブマスターも楽しそうに見ている。
レモンの爆弾や、スイカミサイル、バリアップルに様々なものが降り注ぐ・・・
はずだった。
降ってきたのは普通のみかん。当たっても痛くない。
え?そんな間抜けな声がする。
ギルドマスターもサブマスターも想定外だったらしく降り注いだみかんを手にし笑いながら食べている。
なにしてんだよ…はぁ。stut。もうアタシ魔力ないよ?回復のやつとかないの?
と呆れる。
カミサマメガマルシェは不明な能力が付与された果物が降り注ぐものだ。しかし何が降るかは完全ランダム。使用者の気分で変わるという説が唱えられている。
stut:ごめんでございまするぅぅぅぅぅ!?
ibは上を見上げる。高台の二人を観察するため。
urutは笑いながら
あぶねぇW。本当に死ぬかと思いましたよ。本当に。ibさんが魔力使用量のおおい「ドローンタイム」を何回も使ってくれたおかげですね。
という。
よゆうそうな所悪いけど早くしないとrmnが勝つぞ?とibがいうと、
urutの自語りは止まらない。
俺思ったんすよ。魔法って想像力が大切になるじゃないですか。だから定義も何もないって。それなら定義も何もかもこちらが決めてしまえばいいと。
何を言ってるのか分からないのでございまするぅ?
というstutに
そうですね。けど知ってます?技って別に合成じゃなくても協力出来るって。urut君ばっかりみてちゃだめですよ?
何処かからtkのこえがする。
え!?どこでございまするぅ!?
雨って降ってるものすべてを雨にしてしまえばいいって。もちろんみかんなんて雨に出来るとは思ってませんしここに重複するように雨を降らせても魔力の量で打ち消されてしまう。個体なんて操れませんよ?
けどこうしたらいいんだって
「ウォーターブレイド」と言い放ち降り注ぐミカンを切り刻む。
自分には体力も魔力もないんですよ。現にふらふらですWけどtkの指示聞いたらギリギリ出来そうだったんで。多分これやったら倒れると思いますけどね。
息切れしながらも乾いた笑いの後に彼女は
果汁を水だって考えるのに時間が掛りました。雨に見立てるなんてやったことなかったですし出来るかもわかりませんけど模擬戦ですからWやっちゃいましょ!W
と魔傘を差して
urut:「アメノカーテン」
tk:まぁそういうことです。存在に気づけないまま…気づいたときには…「ミストファントム」。
そういうと果汁がアメノカーテンと同じ作用をする。
「「簡易型・スモークレイン・ラビリンス」」
無詠唱!?と驚くstutに
なるほどね。アメノカーテンで視界を遮り感覚を狂わせて、ミストファントムで霧のように溶け込んで私たちに近づいたわけかW協力魔法じゃなくてurutの魔法にtkがタイミング合わせてtk自身に発動させたから無詠唱なんだW
とibは理解し体を大の字にしてに転ぶ。
本来のスモークレイン・ラビリンスは全ての情報を遮り近づくという魔法でありオート発動のtkとは違いurutには課題が残るものである。今回の場合攻撃できるのがstutしかいない為遮る必要も的中率を下げる必要もない。その為簡易型を思いついたのだろう。劣化版は視界は残るが反応できないようだ。
stut の気づいたときには遅く刺股が喉元を追いやる。
「こーさん」
ibが答える。突然のことにstutは理解できていない。いや理解できていない。こうなると予想した人はいないだろう。
魔力がなくなってる私ともう死にかけのお前だよ。相手はurutは倒れかけているけどtkはまだまだだろうし何重も同時展開できるヤツに勝てるとは思ってないし。
無自覚のtkは首をかしげる。
mmmにアイコンタクトを送ると
mmmは
食べていたみかんを飲み込み
勝者!!urutk!!!
と宣言する。
いやー想定外でしたね。戦い方によってはibさんが一番やりにくい相手ですからね。魔力使用量の多いドローンタイムを展開しないと必ず水浸しにされてキャンバス使えなくなりますからね。途中まではよかったんですけどハプニングが起きてしまいましたからね。
urtkの勝因は魔力の残量把握ですかね。あとひらめきが良かったですね。
とmurが解説する。
tynは魔力不足で倒れた人々を抱え供給を行う。tkは発動魔法を解除し座り込む。
さて2回戦にいこう。
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