学校からの帰り道。親友の心が言った。
「ねー紬、私ずっと晴れてるところに行きたい!」
「えーなんで?晴ればっかでもいいことないんじゃない?てか、そんなとこある?」
「いやいや。雨も嫌いってわけじゃないけど、やっぱ世界が明るく見える晴れがいいな!」
「ふーんそっか。」
私はその時の心の考えている事があんまり分からなかった。雨だって大切だと思うんだけどなって思ってた。
そして、雨の日の帰り道傘を差しながらまたまた、心が言った。
「ねー知ってる?雲の上ってずーっと晴れなんだって!行ってみたいなー」
「雲の上?どうやって行くのよ笑」
「んーまあ、そのうち行けるかな?笑」
喋っている時に、私が気づいてあげていれば良かった。その時の心の喋っていた時の顔は、今思えば、解放されたいような苦しそうな笑顔だった。
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心が行方不明になってしまったらしい。
突然のことに理解が追いつかなかった。
どうやら、心は友達関係に悩んでいたらしい。
いやいや。私がずーっと一緒にいるからいいじゃんってなったけど、きっと繊細な心はそうには行かなかったのかな?って思った。
心はまだ見つかっていない。
心がいなくなってから3ヶ月が経った頃お母さんから心の部屋から出てきたという手紙を受け取った。
そこには
『紬へ』
と書いてあった。正直私は読むのが怖かったし、読みたくなかった。読んでしまったら心が本当に消えてしまいそうで怖かった。
恐る恐る読んでみる。
「えーと、この手紙を読んでいるってことは私はきっと、ずーっと晴れている所にいるでしょう笑 きっともう、ずっと紬には会えないと思う。
何でかと言うとね、そこに行くためには自分の命を代償しなければならないの。
でも、私ねもう、疲れちゃったんだ。だから、お願い許して、紬。
私ね紬ことは大好きだよ!ずーっと。
忘れないよ! 心より」
不器用な字で書かれている文章を読んでいるうちに、私は涙で手紙がびしょびしょになっていた。
「もーバカだなぁ笑…晴れたところなんて私の隣でよかったじゃん…」
もう、頭の中が怒りと悲しみ、悔しさとかこんがらがっていておかしくなってしまいそう。
どうやら心はもう、この狭苦しい世界には居ないみたい。私もそこに行きたいなぁ。
ねえ、心。そっちは楽しい?私はね心がいなくなってから人生が流れ作業みたいな感じなの。
でもね、私は晴れより雨のほうが好きみたい。だからそっちには行けない。
心大好きだよ。
叶わない願いって事は自分で充分にわかってる。
「私の隣にいて欲しかったな。」
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~ END~
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