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「私、1人で寂しいよ。
そばに居て、ニコ」
突然、そう言われた。友人の瑠璃だ。
どうも最近元気がなかった瑠璃は、自殺を考えているようだった。その話は瑠璃の母親からうちの母親を介して伝わった。失血死寸前、手首を切って救急車で運ばれたらしい。
「……」
私はその時何も答えられなかった。
初めて瑠璃と知り合ったのは、大学の推薦対策合宿で、同じ班だった時から。
「隣、いい?」
よりにもよって私の隣の席に座った瑠璃は、フレンドリーで明るく、陰キャの私からは想像もできないポジションにいた。
私は素直に嬉しかった。
それと同時に、嫌な考えが頭によぎった。
こんなに明るくて可愛い女の子が私と一緒にいてくれたら、私の株が上がるじゃん。
私もへらへら笑って合わせておけば、周りの子皆が私の価値を認めるはず。
そう思って、瑠璃の隣にいるようになった。
「お願い。私を見捨てないで」
「ニコだけは、信じてたのに」
瑠璃の泣きそうな声が頭をよぎる。
そうだ。
私は何を考えているのだ。
友達は、飾りじゃない。
ある日、瑠璃と会った。
「ニコ、これからも友達でいてくれる?」
今回は、見かけだけじゃない。
瑠璃を心の底から愛してる。
「もちろん」
そう言って私は、微笑んで、瑠璃の手を強く握りしめた。