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「解ってるよ」
そう言い放った勘右衛門の顔はいつも明るいのとは裏腹にとても悲しそうだった。
「…なんだ、不貞腐れているのか?」
「そんなんじゃない」
「俺をあまり揶揄うなよ」
「すまん。」
「そんな表情をする勘右衛門を見られるのが珍しくて」
「そんな表情って?」
「こんな表情」
三郎は素早く勘右衛門の顔に変装し、勘右衛門と同じ表情をつくった。
「………、俺ってそんな表情できたのか」
「なんだそれ、自分の事だろう」
「そうなんだけどさ」
「いや、まぁ、そうだな」
「勘右衛門、何か言いたげな表情だ」
「話してみろ」
「いや別に大したことではない」
「いいから」
「俺、、三郎といると気が緩む」
「ほう?」
「なんていうか、兵助とも八左衛門とも雷蔵とも違うんだ 」
「落ち着くんだ、三郎といると」
「素の俺で居られる気がするんだ」
「素の勘右衛門…」
素の勘右衛門…?い組らしく、さわやかな先輩らしく、頼られる委員長らしく、5年を影で支える勘右衛門…は素ではなかったのか
うーむ、じゃあ今までの勘右衛門は、、
取り繕っていた偽物?
「おい、」
「んおう」
「急に黙られると困る…」
「あぁ、すまん」
「そんなに嫌だった?」
「え?」
「素の俺は」
「え、いや、嫌って程でも」
「じゃあ少しは嫌?」
うぉ、なんだこいつ、急に顔を近づけて気やがって、上目遣いやめろ、可愛いだろ、くそ、キスすんぞこんにゃろ
「…?さぶろ?」
さぶろ?っじゃねぇよ、あーくそ、くそかわいい、くそかわ、かわ、、
犯すぞこいつまじで
今のはこいつが悪いよなうんそうだよ
※付き合ってません
※シリアスになったり三郎の変態みが出たりします
「な、なぁ、」
「………」←さっきの映像を脳内でリプレイしてる
「ね、さぶろうってば、ねぇ、もう……、」
「…」
「…ばか、」
「きらい、!!」
「は?犯すぞ」←急に覚醒した
「は?え?」
「よーし、脱げ」
「えっなんでそんな、なって」
「これ、勘右衛門のせい」
「え?」
「勃った」
「冗談はやめろって」
「冗談じゃない、触って」
「えいやここ外」
「誰も見てない」
「そういう問題じゃ、」
「じゃあどういう問題?」
「…俺、の気持ち」
「たしかに…そうだな」←少し冷静になった
勘右衛門は、こちらを真っ直ぐみて、こう言った。
「ねぇ、もしかして三郎って俺の事すきなの?」
「…?」
「え?もしかしてもじゃなくてさ、好きなんだけど?え?ここまでされて気づかないの?え?あほなの?これまでのカンの鋭さどこいった?」
「そこまで言わなくても」
「すまん」
「じゃあ、まぁ、改めて言うけど、好きだよ、勘右衛門」
「………嬉しい」
「俺も、三郎のこと好きだよ」
「じ、じゃあ晴れて私たちは恋仲ということ…」
「ごめん、三郎のこと好きだけど、恋仲にはなれない」
「え、は?」
「なんでだよ、」
「だめなんだよ、俺たちは」
「……」
「三郎も、わかっているだろう、?」
「三郎の隣には、俺は居られないんだよ」
「そんなことっ、!」
「不破雷蔵あるところ鉢屋三郎あり」
「三郎の隣には雷蔵」
「雷蔵の隣には三郎」
「皆、、いや、お前たち自身が望んでいることだ」
「私は、そんなこと望んでなんか…」
「あぁ、そうだな、言い方が悪かった」
「鉢屋三郎という男はそういう設定だ」
「さっきから何を言っているのかよく分からない」
「可哀想に、、」
「おい、どういうことだ」
勘右衛門は独り言のように呟きはじめた。
「どうしてこうなった、いや、元々は海に来るはずなんかじゃなかったからか?どこから狂った?いや、でも、まぁ、」
「おい、いい加減にしろよ」
「あぁ、すまん」
「あのな、鉢屋三郎」
「お前は本来、俺を好きになるはずなんてなかった」
「いや、好きになってはいけなかった」
「…、よく分からん」
「うーん、なんて言うか、ここはお前の意識とは関係なく物語が進んでいくし」
「お前が俺の事を好いていようがいまいがお前の隣にいるのは常に雷蔵だ」
「お前と私は同じ委員会だぞ」
「そういう設定だから」
「…ややこしい」
「まぁ設定的にお前と俺は同じ委員会になったんだけどさ、言えばそれだけの繋がりだ」
「いやでもこの間は一緒に書を奪ったでは無いか」
「それっていつの話?」
「え、」
「何月何日」
「12月、20日」
「今は?」
「9月、一日」
「おかしいと思わない?」
「時が進んでいたり戻っていたり」
「いつもは平和な桃源郷のはずなのに、急に命がけの実践になったり」
「この世界は普通のようでどこかおかしい 」
「俺たちはずっと5年生のままだ」
「………。」
「皆はその異常さに気づいていない」
「気づかないフリをしているのかも分からんが」
「まぁ、優秀なお前には理解はできただろ?」
「…勘右衛門が16年いなかったのも」
「…あれ、色々教えてしまったせいで三郎もこっち側の人になってしまったね」
「俺が16年いなくても、急に存在が知られても誰も何も言わなかったよ」
「悲しさとかないけど、なんでここに来てしまったんだろうな」
「…勘右衛門」
「ん?」
「好きだ」
「結構本気」
「…ごめん」
「さっきも言った通り、いつもの俺は設定上の俺だ」
「本来はもっと違う、」
「それに、またいつもみたいに戻ってしまえば、三郎は俺なんかじゃなくて、雷蔵の隣に行ってしまうよ」
「そんなことない、たしかに雷蔵のことを大切に思ってはいるが、勘右衛門はまた違う、もっと深い関係になりたいって思ったんだ」
「…嬉しいよ、嬉しい、このエラーが今日限りでも、少しでも俺の事を好いてくれて」
「ちがう、今日限りなんかじゃない」
「ずっとこの気持ちは変わらない」
「…約束だよ」
「三郎!」
「おう。勘右衛門」
「あのさ、よかったら今日、一緒に団子屋にでも」
「あぁ、悪い、今日は雷蔵と過ごすんだ」
…え、?
「あー、やっぱり、か、」
「…?、すまんな、また後日」
「あぁ…」
なに、期待してたんだろ、そうだよな。俺が特別なだけ。昨日は、なにかの奇跡か、、
こんな奇跡いらない、
「三郎…」
「うわ、なんだ、びっくりした」
「追いかけてきたのか」
「少しだけ時間をくれないか」
「おい」
「おい、!」
「なんだよここ」
「…思い出せない、?」
「なんのことだ…こんな海に来たのは初めてだ」
「…そっか」
もういいや
「おい、」
「…?勘右衛、え」
「…え、ぁ。?」
痛い、、刺された、?なんで?
「…お、い。なにすんだ、」
勘右衛門は何も言わず三郎の手を引っ張って
海へと引きずり込んだ
…、怪我をしていて上手く体を動かせない
こいつは何がしたいんだ
てか普通にしぬ
「三郎、、大好きだよ」
「…え?」
「あのさ、三郎には分かんないんだろうけどさ、俺もう色々疲れちった!」
「何も知らない方が幸せなんだと改めて実感したよ」
「だからさ、リセットしようと思って」
「心中しよ」
本当に最後の最後までよく分からんやつだ…
なんで私のことを…
…朝、?
「…あ、ぁ、」
「…記憶が、ある…」
「いい加減に、もう逃げたいよ」
END816「永遠に逃げられない」