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2人の星合は_

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2人の星合は_

1 - 2人の星合は_

♥

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2024年07月07日

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7月7日の深夜。

あの日見ていた星の名前をたどりながら君に会いに行く。


あの日一緒に星を見ていた場所。2人だけの秘密の世界。

君は忘れてしまったかもしれないけど、また君に会いたい。


神様からの許可が降りたんだ。

7月の7日、七夕だけなら生まれ変わる前に会いに行っていいよって。

現世行きの列車に乗り込み、君を想う。

俺と君の町を、君と僕の気持ちを繋ぐ列車が昨日と今日の間を通り過ぎていった。


窓をから外を眺めると、俺が生きていた頃よりも随分と風景は変わってしまっていた。

もしかしたら、あの駅もなくなってしまっているのかな…

いたたまれない気持ちになって、進む秒針を眺めることしかできなかった。


君に逢えると思ってもいなかった。

このまま、消えてなくなってしまうと思った。

どうにかして君に会いたいと願った。

そんなときに、神様に告げられた言葉。

”未練をなくしてくるように”

君に逢える夜を指折り数えて待っていたんだ。


会いに行くよ今、星を辿って。

夜の闇に包まれた君の町。

君がいるかはわからないけど。

俺たちの星合を知っているのは、あの日一緒に眺めた、夜空に浮かぶ月だけ。


降り立ったホームにはあの日と同じ夏草の匂いが広がっていた。

懐かしいこの匂いを胸いっぱいに吸い込み、走り出す。


あの日と同じ場所。

あの日一緒に星を見た待合室に君は座っていた。

橙「しゃ…る……?」

橙「なんで…」

青「神様にお願いしたらさ、ok貰えちゃったw」

青「置いてってごめんね?」

橙「会いたかったッ…」

久しぶりにあった君は少し痩せていたけど、

はにかんだ明るい笑顔に透き通った涙がとても美しいと感じた。


橙「手繋いでくれんの?」

しょんぼりとしながら呟いた君の手にそっと触れて、指を絡めた。

青「えっと…」

青「元気にしてる?」

橙「急に元気ってなんやねんw」

青「そっか…」

話したいことは山ほどあるはずなのに、君に触れた瞬間飛んでいってしまった。

君の速い鼓動が手をつたって伝わってくる。

君を考えるだけで鼓動が高鳴って、でも言葉に表すのは難しくて。

俺の鼓動も君に伝わってるよね。

言葉なんていらない。高鳴る鼓動が変わらない愛を伝えてくれるから。


夜が明けたら、また僕らはなればなれなの。


世界が俺たちを引き離そうとして、

別々の世界に生まれ変わらせたとしても、君を隠したとしても、

重なる愛がが導いてくれるはず。

君と俺の世界が真っ二つになっても星の河を渡って会いに行くよ。


青「夜が明けたら、帰らなきゃ」

橙「そんな…」

橙「あとちょびっとしかないやん…」

橙「嫌や…」

橙「またしゃるとお別れせんとあかんの?…」

君の瞳から宝石が溢れる。

青「会いに行くよ」

青「絶対に。」

青「だから涙拭いて?」

橙「うん”ッ…」

大丈夫。逢いに行くから。

何度生まれ変わっても。どこに生まれ変わっても。

二人の星合を知っているのは、見上げた夜空に浮かぶ月だけ。


青「明るくなってきちゃったね」

橙「嫌やッ…離れたないッ……」

青「大丈夫だよ」

青「ずっと見てるから」

橙「また…帰ってきてほしい…」

青「生まれ変わる前に1回だけって言われちゃったんだよねw」

青「ごめんね?」

青「でも、絶対にうるみやのところに生まれ変わるから」

青「あのさ、神様が言ってたんだけど」

青「星に願いをかけるときは誰であろうと関係ないんだよ」

青「一緒に祈ってくれる?」

橙「うんッ…」

橙「しゃるッ」

橙「愛してるッ…」

青「俺も愛してる」


窓から差し込む光の粒が

誰も居ないシートにこぼれた。

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