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「若井、元貴、よく聞いて
驚かないでね」
あの後、何か堅苦しい空気を持ちながら僕たちは涼ちゃんの家へと足を踏み入れた
そこで、涼ちゃんが急にそう言った。
「……なに、?急に」
少しの不安を持ちながら涼ちゃんに問いかけたが、答えが返ってくることはなく、急に席を外してしまった。
涼ちゃん、どうしたのだろう。
若井もきっとそう思ってる。
少しして、涼ちゃんが戻ってきた。
「これ、見てほしい」
そう言って机のうえに置かれたのは、何かの手帳、日記?のようなものだった
僕が真っ先にそれを開いて見ると、そこには誰かの文字と、僕たち、若井と僕の写真が貼られていた
「これ、なに、…?」
僕の問いかけにやっと涼ちゃんは口を開いた
「これは、若井がまだこうなる前の、若井のものだよ」
たしかに、よく見ればこの文字は若井のものに感じられる。
若井は驚きながらも不思議そうに覗いている
「若井はさ、知ってたんだよね。いつかこうなること。それでも元貴と離れたくないって自分も元貴も傷つけた 」
「おれ、あの時ホントは責めようと思ってた。」
悲しげな表情でうつむいた。
あの時とはきっと、うちに警察が来た時だろう。
「でも、そこにいた、警察に捕らえられてる若井はそんな若井じゃなかった。」
「暴力的な若井と元貴を優しく見つめる若井、そのどっちも前の若井じゃなかったんだよ、ッ……………」
wki.side
涼ちゃんがあの日記のようなものを持ってきた時、なぜか懐かしい。そして忌まわしいと思った。
涼ちゃんが話す言葉はどれもよくわからなくて俺を苦しませるものだった。
でも今の俺は今の俺で、元貴に手を上げてしまった俺はもうあの時死んだんだ。……いや、ホントはまだ俺のなかで生きているかもしれないけど。
元貴は信じられない顔で俺 を見ている。
涼ちゃんはずっと謝っている。
「ごめんなさい、…っすべては僕のせいなんだ。
僕がわかいにあんな事紹介したから、ッ、……」
涼ちゃんは、ここで言う”前の俺”にあるものを紹介したらしい。
それは、来世でも今の恋人と一緒にいられる方法。
前の俺は今と状況は違えど割と悩んでいるらしかった。そんな俺を見かねて気休めでもとそんなデタラメ極まりないものを紹介したのだと。
でも実はそこは詐欺宗教に似たもので、俺はどんどん衰弱していった。
そして、過度なストレスによりついに、人格が消滅してしまった。
涼ちゃんはその瞬間を一緒にいた。
直そうとかなり努力したそうだ。
でもいままで何事もなかったかのように過ごしていた。
俺はもういないというのに
よし!もうこれはしらん!!みんな混乱してくれ!
りんご三兄弟
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