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縊痕
しろりちょ
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「 さむーい… 」
『 寒いよな~ 、 最近 』
先月までは夏の延長戦と言われる程暑かったというのにな
りぃちょは厚着じゃ留まらずマフラーに手袋…肌が顔以外見えないくらい
感覚は人それぞれやが、そんな大袈裟に寒い訳ではないけどな
『 寒がりにも程があるやろ 』
「 だって寒いもん 」
『 去年はそんな事なかったよな? 』
記憶は曖昧だが去年は寒くないと言い張り 薄着で過ごし風邪を引いてたような..
ただの馬鹿やんけこいつ
「 …そんなことないよ 」
『 おー、そうか 』
特に気にする事でもないか
そんな事よりもさっさと俺の家に戻ろう
・ ・ ・
「 お邪魔しまーす 」
『 はいはーい 』
「 せんせの家久しぶりだなぁ 」
『 まあ言うて1ヶ月ぶりやけどな 』
今日はりぃちょと呑みたいという建前で急遽俺の最寄り駅に呼び出した
『 お酒は既に用意してあるから 』
「 せんせにしてはやるじゃん 」
『 んじゃ、のみますか 』
リビングのこたつに2人で入り ビールを片手に乾杯をした
「 あーうまい… 」
『 冬のビールって格別よな 』
「 うん…うますぎる 」
『 どんどんのんでええからな 』
りぃちょが酔い潰れてからが本題やからな
俺は酒を飲むふりを繰り返した
・ ・ ・
「 ひっ、く…んぃ、 」
『 見事に潰れたな… 』
「 せーんせ…ふへへ、 」
『 んじゃ早速…りぃちょ 』
俺はりぃちょが異常なまでに外したがらなかったマフラーに手をかけた
『 さぁさぁ、何を隠してんのかな 』
どうせやましいことでもあるんだろうと期待を抱きマフラーを外した
『 は…なん、で 』
どっかの女からつけられたキスマとか、そんな生ぬるいものだと思ったのに
縊痕が、はっきりとついていた。
『 りぃちょ、なんで 』
『 …死のうとなんてしたん、!! 』
酔いつぶれた彼でさえも、俺の怒りに目をまんまるにしていた
「 …なんで、だろぅねぇ、 」
「 つかぇたのかも、おれ 」
呂律は回っていないが、今にも消えてしまいそうな程悲しげな表情を浮かべていた
『 ぁ…ごめん、りぃちょ 』
怒鳴ってしまったことに後悔を感じ
りぃちょをそっと抱き締めた
小刻みに震える弱々しいりぃちょを
離してしまわぬように