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「あ、いいのいいの。こっちの話! ね、他の常連客に先生を口説かれても困るから、虫よけとして指輪、買いに行こう。僕も自分の分はまだ買っていなかったから、お揃いで買おうね」
「あ、いやあのでも…」
「だめなの?」
睦月君はうるっとした目で私を見つめた。
ウウッ…私はこの目に弱いのッ!!
「だめじゃないけど……」
「ホント? やった!」
睦月君は無邪気に喜んでいる。こういうところホントかわいい。
かわいいと思ったらカッコいいとか、ギャップがずるい。
「わかった。じゃあ、明日行きましょうね」
「うん。運転手にお店まで送らせるから」
「お仕事は大丈夫なの?」
「平気。明日は大学に行こうと思っていたし、ちゃんと頼れる相棒がいるから。あ、相棒って言っても男だからね。女性じゃないから安心して」
「ふふ、そんなにムキになって弁解しなくてもいいよ。お付き合いや交流もあるでしょう」
大人の余裕を見せたつもりが、なぜか不機嫌になられた。別に気にしないのに、ってそういうつもりだったんだけどな……。
それに、万が一私が睦月君に本気になって、やきもち焼いたりしたらそれこそ世も末だ。この契約結婚を辞められなくなってしまう。あくまでも私は雇われ妻なのだ。でしゃばらず、睦月君のサポートに徹しなきゃいけないの。
「いい指輪、買おうね」
にこっと笑ってくれた。やっぱり彼は、かわいい笑顔がよく似合う。
つられて私も笑った。
「じゃ、片付け手伝うから終わったら一緒に家に帰ろう」
一緒に家に……!
すごくドキドキするよ、睦月君……。
昨日は知らない間に寝ちゃったから、今日はどうなっちゃうのか心配!