震える咲希を私は優しく抱き締めた。
『咲希…大丈夫だからね、怖くないからね』
「いっちゃん……アタシ、アタシ…」
何か言いかける咲希を遮るように私は咲希の口を抑えた。
ダメなのは分かってる。
でも…
『しーっ、…私の言う通りにしてたら大丈夫だから、ね?』
「……、」
咲希はコクコクと涙目で頷く。
可愛い、可愛い…私だけのものになってよ
『……はい、これ飲んで?
スグに楽になるから』
「本当に…大丈夫なやつなの……?」
「アタシ、いっちゃんのお願いなら何でも聞く、って言ったけど…」
不安げに薬を見つめる咲希。
可愛い…
『うん、大丈夫だよ』
『甘くて、美味しいから。』
「…本当に、薬を飲むだけでいいの……?」
『うん、それだけでいいんだよ』
「……なら、、、」
咲希は水と一緒に薬を3個飲みほした。
……騙されちゃって、♡
「……ん、、!!?」
「いっちゃッ…ゴホッ、ゴホッゲホッ」
『咲希?どうしたの?』
「く゛る゛し゛い゛よ゛ぉ゛…!」
涙目になりながら咲希は首元を抑える。
なんとか薬を吐き出そうとしていたけど、私はそれを止めた。
「い゛っ゛ち゛ゃ゛……ゴホッゲホッ、!」
『大丈夫、大丈夫だから』
『スグ楽になれるよ?少しの我慢だよ。』
私は咲希を後ろから抱き締めた。
怖くないように、頭も撫でた。
そうしたら咲希は寝てしまった。
すやすやと可愛い寝息までたてている
苦しがっていたのが嘘のようだ。
『……いい子だね、咲希』
「ん……、?」
『あ、咲希起きた?』
ベッドから起き上がり、辺りを見回している
「あれっ?アタシ……?」
咲希は何が起きたのか分からず、困惑していた
……あぁ、可愛いな
『ここはね、私の家だよ』
「えっ!?いっちゃんの家…!?」
私は咲希を抱き締めた。
『これからは…ずーっと一緒だよ?』
『絶対…絶対に手放さないから』
「……!」
咲希は安心したのかニコッと笑顔になる。
「うん…アタシも、いっちゃんと一緒に居たいよ」
『ふふっ、……好きだよ、咲希』
「アタシも…好きだよ、いっちゃん!♡」
咲希の目はまるで正気を保っていない。
洗脳されているように目はハートで…
『……この惚れ薬は、よく効くね…♡』
『あ、一歌ちゃんと咲希ちゃん来たよ!』
「あ、本当だ」
スタジオで私と志歩ちゃんが世間話をしていると、一歌ちゃんと咲希ちゃんが入ってきた。
……けど、何処か様子がおかしい。
「いっちゃん、好き~!♡ 」
「ふふっ、私もだよ咲希!」
「え……2人って、付き合ってたっけ?」
「何言ってるの、志歩。
前から付き合ってたよ?」
咲希ちゃんは一歌ちゃんに抱き着きながら私達を見つめる。
「うんっ!♡」
『え……えっと…』
「……何かおかしくない?
いつもの咲希じゃないみたいな…」
『う、うん…私も、思うな……』
私と志歩ちゃんは一歩後退りながら尋ねる。
「……違うよ、そんな事ないよ?」
「うん、アタシはいつも通りだよ…?♡」
咲希ちゃんの目はハートみたいになっていて、明らかに正気を保っていなかった。
それに比べ一歌ちゃんは落ち着いた様子で、逆に何処か不気味だった。
「……一歌、もしかして咲希に何かした?」
志歩ちゃんは一歌ちゃんの腕を掴む。
「痛っ……何もしてないってば…志歩こそどうしたの?」
「……嘘つかないで、咲希に何したの」
志歩ちゃんはグイグイ問い詰める。
『ま、待って…!
……まずは、話を聞いてみない…?』
「…はぁ、それもそうだね。 ごめん……」
志歩ちゃんを落ち着かせて、私は2人に問いかけた。
『その…2人はどういう経緯で付き合ったの?』
「え?…普通に咲希から告白されて、私がOKしたの」
「……咲希、本当?」
「うんっ!いっちゃんだーいすき♡」
『そ、そっか……』
「……」
明らかにおかしいのは気づいている。
一歌ちゃんが何かしたのかもしれない。
でも……
下手に聞けなかった。
だって…
「咲希、ずっと離れないでね?」
「うんっ、離れないよ…♡ 」
一歌ちゃんと咲希ちゃんが、一歌ちゃんと咲希ちゃんじゃ無いみたいで…
すごく、怖かったから。
それは志歩ちゃんも同じみたいだった。
「……2人が愛し合ってるならいいんだけどさ、その…強制的になら、それは……よくないと思う…、」
『う、うん…そう、だね……』
「……強制的じゃないから、大丈夫だね咲希」
「…うン……大丈夫ダね♡♡♡ 」
咲希ちゃんは狂ったように一歌ちゃんに抱き着いていた。
……私達は、止める事も出来なかった
コメント
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めっちゃ好きです!! いちさきてぇてぇ……( ´ཫ` )
惚れ薬すごいですな… 続き早く見たいです…🥰