⚠⚠嘔吐表現⚠⚠
⚠⚠バナすま、バナブラ表現あり⚠⚠
⚠⚠キスシーンなど一切無し⚠⚠
⚠⚠前回の話とは全く関係がありません⚠⚠
何でも許せる方だけどーぞ!
それじゃあレッツゴー!
「昨日、酷い熱だって聞きましたけど」
多少なりとも焦った僕の声に目の前のこの男はあっけらかんと笑う。
「え?バナナ君、もしかして心配してくれてるの?」
もう~!僕のこと好きすぎでしょ~!
疲れる、心の底から疲れる。
大きなため息を一つ。
昨日、すまない先生は酷い熱を出して一人では歩けないほどに弱っていると聞いた。
連日のモンスター討伐依頼に加えて、上層部の相手、授業、忙しいのは一目瞭然だ。
ちゃんとした休みなど存在しないのだろう。
だから今日同行する予定の依頼は一人か、もしくは誰かが代わりに来るのだと思っていたのだ。
しかしこの男は、いかにも当然のように現れた。
顔色は元々白いのでよく分からないが、時々咳き込んでいるのが気になる。
ついつい気になってすまない先生の顔を見てしまう。
「バナナ君さっきから僕のことばっかり見すぎでしょ~、けほっ」
「まだ本調子じゃないんでしょう」
「そんな訳ないじゃん!僕強いし~」
再び大きなため息を一つ。
ドヤ顔をされても困る。
そして倒れられても困る。
「今日のモンスター、もしかしたら、というか十中八九、予想されたより強いモンスターの可能性があるから気をつけてね!」
なるほどそういうことか。
「だから貴方が無理してでも来なければいけなかったという訳ですね。」
「いや、無理してないってば!」
「してるでしょう。」
まぁ、いつものようにふざけた態度をとる余裕があるところを見ると大丈夫なんだろう。
運転手から着きました、と声がかかったところで車を降りる。
「うん、予想通り。バナナは下がっといたほうがいいよ。」
僕には合わない敵らしい。
これも上層部からのものなんだろうか。
その時、ポケットの携帯が震えた。
「ミスターバナナ!?すまない先生はいますか!」
珍しく焦ったブラックの声に身構える。
「ああ、今、依頼先のモンスターを倒しに行ったが?」
「あの人、まだ熱が下がってないのに許可なしに抜け出したんですよ。」
まぁあの人のことだからそんなことだろうと思いました、呆れた人ですね。
と、ブラックはため息をついた。
やはり無理をしていたか。
依頼が終わり次第、すぐに連れ帰ることを伝えて電話を切る。
モンスターは倒し終わったようなのに、すまない先生が帰ってくる気配がなく探しに走る。
遠くのほうからゆっくりと歩いてくるすまない先生の姿が見えて足を止めた。
なんだかふらついてるようにも見えるが、気の所為かもしれないというレベル。
「すまない先生!」
「どうしたの?こんなところまでお迎え?」
バナナ君ってば、僕にメロメロだね~
そんなことをニヤニヤと笑って言うもんだからほんとに呆れる。
「ブラックが心配してましたよ。」
「あぁ、平気平気!」
「熱、まだ下がっていなかったんですよね?」
「え?下がってるよ」
所々、すまない先生の息遣いが短くなっているのを感じて、あまり話させない方がいいかと口を噤んだ。
隣に並んで歩いていると、ふらりとすまない先生が傾いてほぼ無意識に肩を掴む。
「ぁ、ごめ…」
いつもよく話すすまない先生が何も言わない
余程しんどいのだろうか
頬が紅潮して、首筋の血管がやけにはっきり見えた。
ほんの少しだけ、いや、かなり焦る。
こんな余裕のないすまない先生なんて初めて見るからだ。
車に乗り込んだ瞬間、何度かげほげほと咳き込んで、脱力したようにシートに体を預けたすまない先生を見て、やはりかなり無理をしていたことを知った。
僕に医療知識などないので、とりあえず寝てもらうことしか出来ない、と思い、邪魔にならないように静かに窓の外を眺める。
しかし、どの程度熱があるのか確かめたくて、そーっと額に手を伸ばした。
触れた額から尋常ではない熱が伝わって思わず一度手を離す。
首筋に手の甲を当てても、じんじんと熱く、自分の心拍数が上がるのが分かった。
敵を倒して、まともに歩いていた人間とは思えない。
「バナナ君、…」
目を閉じたままのすまない先生が左手をあげたので包み込むように握るとそこからもまた人間のものとは思えない熱が広がる。
「こんなにも熱があったなんて…」
「…でも、体は全然へーきだから、」
そんなはずあるわけが無い
いくら強くても、こんなに体が熱くて平気なわけが無い。
「無理してほしくないです。でも、すまない先生が来てくれていなかったら僕が倒せていたか自信がなくて悔しい…」
僕がもっと強ければ、すまない先生をこんなにも無理させることもなかったのだ。
「バナナ君は…っ、よく頑張ってるよ、」
短く、浅く繰り返される呼吸がこちらまでしんどくなりそうで思わず肩を撫でる。
一人で座っていられないほどつらそうなすまない先生を自分の肩にもたれさせて、背中を撫でる。
「っふ、…げほ、はぁ、っ、ぇ、」
「すみません、袋貰えますか?」
運転手さんに袋をもらう。
なんとなくすまない先生の顔が青ざめているように見えて、吐き気があるのだと気づく。
「はぁっ、…おぇっ、んぐ、っぇ」
口元に袋をあてがうと溶けそうに熱くガタガタと震える綺麗な手が袋を持とうとして、空をきる。
感覚がないのだろうか。
ここまで無理をしていたことに、気づいて支えることが出来なかった。
「上手です、落ち着いてください。」
背中を撫でることくらいしか出来ることはなく、それどころか僕が弱いせいでこんなにボロボロになったこの人にまた助けられてしまった。
学校に着くと、隠す余裕もないのか一人で歩くどころか座ることも出来なくて、保健室で処置を受けるすまない先生を見ながら本当に大丈夫なのだろうかと不安になり血の気が引いた。
「…ナ!、バナナ!聞こえていますか?」
ハッと我に返ると、ブラックが僕の顔を覗き込んでいる。
「顔色悪いですね、気分悪いですか?」
目の前がやたらと二重に見えて気持ち悪い。
「…いや、問題ない。」
その言葉は情けなく震えてしまう。
「すまない先生ならとりあえず点滴入れてますし、しばらく起きないですよ。」
ほら、と隣のベッドに促した。
「貴方も疲れてるでしょう?横になってください。」
ほらほら、と背中を押されてしまえば断ることも出来ずに、素直に体を横たえると、石鹸の匂いがするブランケットがふわりと掛けられた。
「…すまない、」
深く息を吸い込んで、はぁっと息を吐くといくらか緊張が解ける気がした。
目を閉じると、ふらりとよろけるすまない先生が、苦しそうなすまない先生が、頭にこびり付いて離れない。
どれだけ無理を重ねていたのだろう。
そう考えれば考えるほど自分が情けなくて、唇をかみ締めた。
「バナナ、ゆっくり息をしてください。」
気がつくと息ができなくなっていた。
苦しい、
でもこんな苦しみでは、すまない先生に届かないすまない先生はもっと、もっと苦しかったはずなのに。
「…っひ、はぁー、ひゅ、っ…、」
暖かいタオルのようなものを口にあてがわれて暖かい手が背中を上下する。
「落ち着いてください、ゆっくり、ゆっくり。」
ブラックがしばらく声をかけ続けてくれて漸く落ち着いた。
「バナナ、あの人が勝手にやったことです。あんまり思い詰めないでください。」
「……だが、っ..」
本当に情けない
自分の弱さを嘆いて、終いにはこんな迷惑をかけて、
「まだ喋らないでください。」
ゆっくり息をして、そう、上手です。
ブラックの落ち着いた声が頭の奥まで届いて広がる。
「すまない…先生?」
「うん、すまない先生だよ」
目の前ですまない先生が僕の頭を撫でながら微笑んでいる。
「もう大丈夫なんですか?」
慌てて起き上がると、なんだかふらついた。
「うん、熱は下がったよ、嘘じゃないからね!」
良かった、と声を漏らすとすまないね、と謝られる。
「バナナ君に責任感じさせちゃったよね、すまない」
「……いや、」
「すまない先生は点滴で熱を下げてるだけなので寝といてください。」
「あー、分かった分かった」
すまない先生は素直に隣のベッドへと戻った。
「僕は、貴方に無理をしてほしくも、させたくもないんです。」
「いつも助けられてばかりで、今日だって肝心な時に何も出来ずに、ただ見ているだけで、」
堰を切ったように言葉が溢れ出て、目の前がぼやけて涙が零れた。
「ねぇ、バナナ君はさ、勘違いしてる。」
青くて綺麗なのその瞳と目が合う。
「僕の隣に居てくれて、暖かい手でほんの少しだけ、撫でてくれる。」
「それだけで救われてるんだよ。」
「だからさ、これからも隣で、その暖かいバナナ君のその手で僕を救ってよ。」
訳もなく涙が溢れる。
ほらほら~、撫でてよ~!
顔をぐいぐいと近づけてくる。
「…ふざけないでください。」
銃の手入れが終わり、隣のベッドで横になっているすまない先生のまだほんの少しだけ火照った頭に手を当てて、ほんの少しだけ動かすと、彼の頬はほんの少しだけ赤く染まった。
𝑒𝑛𝑑
コメント
11件
全話見せていただきました…… 最高すぎますよぉぉぉぉぉぉ߹𖥦߹ 尊い尊い尊い尊い尊い尊い(◜¬◝ )
はぁぁあぁぁあぁっっ、、、ウォタチャレファンさん、、、、、、貴方は私を何回◯す気ですか☆ 命が幾つあっても足りないです☆ 尊死ばっか☆
あああ~!いい!バナすま!まだ少しマイナーなカプなので嬉しいです〜!!