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似てるって言われて嫌がるもっくん最高です。雄み強めりょさんさいっっっこうでした。繁忙期乗り切れます、ありがとうございます🥰大好きです(定期)。
【fjsw視点】
気持ちと頭の整理をしたくて、スケジュールを確認して亮平君がいない日にマンションへ行った。鍵を開けて扉を開く。当たり前だけど部屋は静まり返っていた。しばらく来てなかっただけでとても懐かしく感じる。
リビングに入ると以前とは違い、全てがキッチリと揃えられ、余計なものもなく綺麗に片付けられていた。
「僕が散らかしてたのか…。」
元々完璧な整理整頓する亮平君。仲直り出来たら僕も片付け頑張ろう…。そう思いつつカーテンを開けようとすると、どこかで扉が開く音がした。
「!?」
びっくりして音がした方を見ると
「亮平君?!」
リビングの入り口に亮平君が立っていた。今日と明日はロケで地方だったはずじゃ…。
「ふふ、びっくりした?二人で共有してるスケジュールアプリに嘘のスケジュール入れておいたんだ。二日も俺がいなかったら、きっとその日に引っ越し作業するんじゃないかって思ってさ。涼架君一人?」
「そ、そうだけど…。」
「意外。強火セコムなあの二人がよく許したね?」
亮平君はにっこり笑っているが、僕が知ってる亮平君の笑顔じゃない。この前見た元貴の笑顔と同種だ。
(怒ってる…。)
当然だ。亮平君の話もちゃんと聞かずに一方的に逃げたんだから…。
「ごめん、亮平君…。」
今日一旦帰った方がよさそうだ。後日、メッセージを送って改めて謝ろう…。
亮平君の隣をすり抜けようとした時、腕を掴まれた。
「亮平君…?」
「そんな簡単に逃がすわけないじゃん。」
「え?」
腕を掴まれたまま、寝室に引っ張られて来た。そしてそのままヘッドに押し倒される。
「今まで我慢してたけど、クズはクズなりのやり方するしかないのかな。」
上に乗って来た亮平君に顎を掴まれた。
「言ったよね。ずっと一緒だって。」
重ねられた唇。口内を熱い舌が荒々しく動き回る。
「ん、はあっ…!」
初めての感覚に背中がぞくりとした。そしてそのままシャツの中に手を入れられ、胸の飾りを押し潰し、強く抓られる。
「んっ、ん…!」
重ねられた唇の隙間から何とか息をしようとしたが、激しい快感と酸欠で頭がくらくらしてきた。
「はは、涼架君のここ、もうすごいことになってるね。」
唇を離した亮平君は面白そうに言い、ズボンの上から固くなっているモノを握り込まれる。
「や、やだっ。」
「やだじゃないでしょ?気持ちいい証拠じゃん。」
そのままやや強めに上下に擦られる。ズボンの生地がこすれて気持ちいい。
「ぅあっ…。」
「あぁ、シミができちゃったね。気持ち悪いでしょ?脱ごうか。」
言うが早いか僕のズボンとパンツはあっという間に脱がされ、ベッド脇に落とされた。
「ね、ねぇ!待って!亮平君っ。」
「待たない。気持ちよくなって。」
強く扱かれ、太ももがガクガク震える。そのまま、いつの間に出したのかローションを付けた指を後ろに入れられる。早々に感じるところを擦られながら、亮平君は指を増やしていく。
(亮平君…。)
悪ぶってるけど、結局優しいんだよね
押し倒す時に頭に添えた手も
息継ぎが下手な僕のために隙間を作りながらするキスも
上に居ても体重をかけないようにしているのも
僕に負担が少ないようにする準備も
全て変わらない
優しい亮平君
【ab視点】
抵抗という抵抗をしてるわけじゃなかったけど、涼架君はまるで全身の力を抜いたかのように肢体を放り出した。
「涼架君…?」
俺は動きを止めて涼架君の顔を見る。横を向いた涼架君は、全てを諦めたように壁を見つめていた。我慢してれば終わると高を括ったのかもしれない。
どうしてこんなことになったんだろう…
俺はただ、隣で君に笑っていて欲しかっただけなのに…
涼架君の中から手を引き抜いた。
「…ごめんね、涼架君。」
「….。」
俺は馬鹿だ
一番大切にしたい人を何度も傷つけるなんて
ベッドから降りようとすると、
「!?」
腕を引っ張られ、尻もちを搗くような形でベッドに倒れ込んだ。
「亮平君は悪ぶるの下手なんだよ。」
涼架君は上の服を脱ぎ俺の上に跨って来た。
「りょ、涼架君…?」
「自分のことクズだって思ってるの、多分亮平君だけだよ。自分のチームに還元しようとしたって、交流していく中での気遣いや優しさは本物なんだもん。今まで亮平君と仲良くなった人達皆、亮平君の人柄に惹かれて好きになったんだと思う。」
涼架君は俺のズボンのチャックを降ろし、俺のモノを取りだした。
「ちょっ?!」
止める間もなく、涼架君は自分の後ろに俺のを埋め込んでいく。久しぶりに涼架君の乱れる姿を見てガチガチになっていたそれは、いきなり入れたら苦しいはずだ。
「きつっ…。」
俺も強烈な快感で体が動けなくなった。久しぶりというのもあるが、いつもはしっかり解すそこは、今日はまだ十分に解れてなかったようで、熱い肉壁が強く絡みついてくる。
「はっ…ア、…ぁ…。」
「ぬ、抜いて、涼架君っ。」
「ふ、ふふ。入れてる方のセリフじゃないね。」
このまま下手に動いたら涼架君が怪我するかもしれない。しかし、涼架君は艶やかに笑った。
「大丈夫だよ。僕はそこまでやわじゃない。」
ゆるゆると動き出す涼架君。けれど久しぶりの刺激と目の前の扇情的な光景にさらに下腹部に熱が集まるのを感じる。これ以上涼架君の負担がならないように目を閉じて円周率を唱えるが…
「ひあぅ…ンン….んぁ、ふ…。」
目を閉じたことにより、涼架君の嬌声がよりはっきり聞こえ、更には俺がたっぷり入れたローションが出し入れする際に音が響いて耳が犯される。
「ねぇ、亮平君。」
「は、はいっ。」
「イケよ。」
「!?」
締め付けられ、動きが激しくなる。
「くっ….!?」
イク瞬間、目を開ける。
そこには、ぺろりと自身の唇を舐め、妖艶にほほ笑む涼架君の姿があった。
「ごめんなさい!」
ベッドの上で土下座する。その前で、涼架君は服を着替えながらため息をついた。
「元貴が目当てなら最初っから元貴に話しかければいいのに。まどろっこしい。頭いい人の考えることわかんない。」
「あの、嫌いになったりは…。」
「ねぇ、亮平君。」
「な、なに…。」
「亮平君押し倒した僕は悪い男?」
「へ?あ、いやどちらかという魔性というか妖艶というか…。」
セクシーというかエロティックというか妖美というか艶麗というか官能的というか…。
「そっか。じゃあ僕も悪い男にはなれなかったんだ。」
「”も”?」
「亮平君悪ぶってたけどさ、それなら無理やりやればよかったんだよ。」
「そんなことしたら涼架君怪我するじゃん!」
「ほら。”クズなりのやり方”とか言ってさ。悪ぶってる亮平君中2男子みたいだったよ。」
「それは…イタイね…。」
「だからね、いつも通りでいいんだよ。いつも通りの優しい亮平君で。」
ふわりと優しく笑う涼架君に目頭が熱くなる。情けなく見えるかもしれないけど、失うことの方が怖い。なりふり構わず縋るように涼架君を抱きしめる。
「ずっと大切にする!だから、俺から離れていかないでっ。」
すると、涼架君も優しく抱きしめ返してくれた。
「うん。今回のことちゃんと受け止められなかった僕が悪かったんだ。」
「涼架君は悪くないよ…。」
「きっかけはどんなことでも、僕は亮平君と出会えて両想いになれたんだから。亮平君が話しかけてくれなかったら、きっとこんな幸せな気持ちを知ることはなかった。」
「涼架君…。」
「ずっと一緒だよ。」
「ありがとう、ずっと大切にします。」
「ふふ、僕もずっと大切にします。」
「この度はご迷惑をお掛けして誠に申し訳ありませんでした。」
大森さんにお願いして、お礼参りメンバーに謝罪をした。
「涼ちゃんが許したので俺らがこれ以上言うことはありません。」
大森さんはそう言うけれど、後ろのスタッフの方々…特に涼架君のマネージャーさんは納得してなさそうだった。
「ねぇ、阿部さん。」
「なんでしょう?若井さん。」
「涼ちゃんのどこ好きになりましたか?」
「えっと…。」
話していて楽しいところ、悲しい時寄り添って一緒に涙を流してくれるところ、他人の痛みに敏感なところ、たまにそれが自分を苦しめてるからそれから守ってあげたいと思うところ、一生懸命練習してる姿、難しい部分で悩んでる横顔、”すごいね”って言ってくれるところ、可愛いところが多いけどたまに見せるかっこいいところ、綺麗な髪、綺麗な手、垂れた目が可愛い、
「あと向日葵みたいな笑顔で笑ってくれるところ。あと…。」
「ストップ、ストップ!もういいっす…。」
「え?まだ3割くらいしか言ってませんけど。」
「後まだ7割もあんの?!逆に怖いんだけど…。」
大森さんと若井さんは驚いた表情で顔を見合わせ、後ろのお礼参りメンバーの女性陣は頬を染め、男性陣は呆気にとられた表情をしていた。
「阿部さんの熱量は十分伝わりました。ただし。」
大森さんはにっこりと笑った。これが、噂のデススマイル…。
「次はありませんからね?」
「肝に銘じます…。」
退室して、ほっと息を吐く。流石に緊張していたからか、足元がふわふわしていた。
「え?亮平君?!」
向こうから涼架君が驚いた様子で走り寄って来た。
「なんでうちの事務所に居るの?」
そう。お礼参りメンバーに謝罪したいと大森さんにお願いしたら”ならうち(の事務所)に来て”と言われた。敵陣に単身乗り込む恐怖を味わえということだったんだと思う。
「お騒がせしたことを大森さん達に謝りに来たんだよ。」
「言ってくれたらよかったのに。」
「涼架君びっくりさせようかなって。」
「びっくりした!」
「あはは。大成功だね。」
涼架君と話していると、さっき出てきた部屋の扉が開いて涼架君のマネージャーさんがやって来た。
「藤澤さん、阿部さんから会社の皆さんにとお菓子をいただきました。」
「え?!会社の皆にって…。」
そう。手土産にちょっといい値段がするお菓子を持ってきた。量が量だけになかなか骨が折れたが、武器はあるに越したことはない。
「ありがとう、亮平君。」
「ほんの気持ちです。」
「この後は?」
「俺は何もない。」
「僕も。待ってて!帰る準備してくるから。」
「うん。ゆっくりでいいよ。」
慌てて走っていく涼架君を見送っていると
「阿部さん。」
「!?大森さん…。」
いつの間にか隣に大森さんがいた。いや、本当にいつの間に…?
「アイドルが大量の高級和菓子を納品する様は謝罪意思を視覚的に表現するにはもってこいでしたね。」
「…やっぱり。」
「え?」
「俺と大森さん似てますよね。」
「え”。」
「あはは。そんな嫌そうな顔しないでくださいよ。」
「….。」
「大森さんが涼架君傷つけたら、刺し違えてでもお礼参りしますね。」
「….刺し違えてでも、ですか。それはなかなか面白そうですね。」
その時、涼架君が戻って来た。
「あ、元貴!」
大森さんは涼架君の手に和菓子を乗せた。
「はい、涼ちゃんの分。じゃ、お疲れ。」
そのまま会議室へと戻って行った。
「帰ろうか、涼架君。」
「うん!」
手を取り合い、涼架君達の事務所を後にした。
【終】
【小話】
阿部「みんな集合!」
ラウ「どうしたの?阿部ちゃん。」
阿部「涼架君に今回のお詫びにブレスレットを送ろうと思ってるんだけどどれがいいと思う?」
渡辺「そういうの阿部ちゃんが選んだ方がいいんじゃないの?」
阿部「もちろん選んでるよ!でもめめから止められるんだもん。」
目黒「だから毎回言ってるでしょ!高けりゃいいってもんじゃないの。」
岩本「過去どんなの送った?」
阿部「ロングピアスとペンダント。」
目黒「しかもガチの金とエメラルド。」
ラウ「エメラルド?!」
佐久「それって緑色のやつだよね?」
宮館「自分の色を纏って欲しいってこと?」
阿部「うん。それに涼架君のメンカラ黄色だしね。二人の色のアクセとかいいじゃん。」
佐久「阿部ちゃんって結構重め…?」
向井「ちなみにお値段は。」
阿部「ピアスは20万くらいでペンダントは30万くらいかな。」
向井「え?!お詫びにそんないかついのあげるくらいヤバイ喧嘩したん?!」
阿部「違うよ。それぞれ違うけど記念日のプレゼント。」
目黒「ピアスは俺が知る前だったけど、ペンダント買う時相談されてさ。この人俺が止めなきゃ100万くらいのでっかいエメラルド買おうとしてた。」
渡辺「こっわっ。」
ラウ「阿部ちゃんそんなキャラだっけ?!」
目黒「藤澤さん関係になるとポンコツになるのなんなの?」
阿部「えー照れるぅ。」
佐久「褒めてない、褒めてない。」