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本日、異世界35日目!
皇国軍が東西に分かれて進軍!
それを王城屋上から眺めている。
進軍を早めるため、騎馬隊で編成された精鋭部隊だそうだ。
念のため、王城の防衛にあたる兵士は残っているとのこと。
7領主の援軍は見込めない現状でどれだけ抵抗するか?
先に様子を見に行ってみよう。
「カグヤ様!ちょっとウェスタウンの様子を見に行きませんか?」
「行きたいんか?」
「そうですね。エマの街がどんな感じか見ておいた方がいいかなって思うんですけど。」
「ユメが行きたいんやったらええで!
すぐ着くやろうからな。」
「お願いします。
エメ、ミラ、エルザ、ちょっと様子を見てくるよ。」
「はい、ありがとう!助かります。」
「それじゃ、みんな行くよ。隠密!」
「「「「承知!!♡☆」」」」
カグヤ様号ジェットバージョンで飛ぶ!
すぐ着く!ウェスタウン。
街を上空から眺めているが、至るところに武装した人がいっぱいいます。
「隠密のまま、街に降りて様子を見てみようか?」
「「「「承知!!♡☆」」」」
ぶらりぶらり。
ふんふん、わかりましたね!
街の人は半信半疑ながらも、エマが行方不明になったことが、濡れ衣によりウェスタウンが国軍に攻められる恐れがあるとのことであった。
誰やねん!そんなデマ流したの!
まあ、わかってますけどね。
街の人も兵士の人も大抵の人は無理やと思いつつ、どうしたらええかわからん状態ってことやな。
なんか、苦し紛れに街の人にも迷惑かける人やな。往生際の悪い。
「エマ!ちょっとやってみたいことがあるんやけど。これこれこーしてあーして。」
「なるほど!おもしろいですね!
やらせてください!」
隠密のまま、エマが住んでたお城の屋上に行く。それでエマだけ隠密解除!
そこで、街の人を対象に大歌唱スキルを使う!
わー、街の人がわさわさ集まってきた。
めっちゃ、屋外ライブみたいになってるよ!
おい!あれ、エマ様じゃないか?
そうだ。エマ様だよ。
帰ってこられたんだね。良かった。
街の人が、ざわついてる。
「みなさん!エマ・カナールです。
ご無沙汰してます。
ご心配をお掛けして、すいませんでした。
今からお話しすることは、私が体験したこと、それにウェスタウンが現在置かれている状況です。
私の話を聞いて、正しい判断をお願いします!」
語りにも大歌唱スキルを使っているので、大きな声ではないけど、みんなにエマの声が届いているみたい。
それから、エマの襲撃の話、森で遭難して救助されたこと、ミラが監禁されてたこと、それがサイモン兄弟の代官が仕組んだクーデターであること。
そして、代官を拘束するために、国軍が明日にでもここに到着すること。
クーデターに関与していないものは、危害が及ばないこと。
事実を正直に街の人に話していく。
街の人は、納得したようで、ほっとした様子だった。
兵士の人たちも最初は戸惑っていたが、さらにエマが説得すると、代官の屋敷に雪崩れ込んでいく。
兵士の人たちも良心が残っていることがわかって良かった。
少し経つと代官がお縄になって、お城の前に連れてこられて喚いてますわ。
ホンマに往生際悪いっす。
「エマ様!ご無事で良かったです。
いやー、本当に良かった。
何か誤解があるようですが……。」
マジ、キモいっす。
「ご心配いただいて、ありがとうございます。
明日、王都から次の代官が来る予定なので、そのまま縄に繋がれたまま、待っててくださいね。」
これでOKだね。
あとは任せればいいやろ。
代官が騒いでるけど、ほっとこ!ウザい。
「お頭〜♡お城の中に4人いるみたいですけど、どうしますか?」
「うーん、ちょっと見に行ってみるか?
変なやつがいたらエマが困るしな!」
「はい、困ります☆」
「お頭〜♡この部屋に4人とも固まってますね。」
「あれ?この部屋、外から鍵かけてるやん!
誰か閉じ込めてるんかな?」
「あ、お頭〜☆4人だったら、この城の侍女たちかも?」
「すぐ開けよう!」
扉に取り付けられた錠を壊して、扉を開くと中には女性が4人で座って震えていた。
「エ、エマ様!!よくご無事で!ううう。」
「マーヤ!大丈夫?みんなも大丈夫?
こんなところでどうしたの?
なにがあったの?」
「はい、エマ様が襲撃された夜に城の中にいた私たちは代官様が来られて、この部屋に監禁されていました……。
ただ、エマ様に比べれば、大したことではございません。
先程、エマ様のお話は聞かせていただきました。本当に無事で良かった。
エルザ様はご無事なんでしょうか?」
「エルザも無事よ。今、王都にいるの。
とにかく代官は捕まえたし、明日には王都から次の代官と国軍がくるから安心して!」
「エマ!今、食事を出すから、みんなで食べてもらって!
みんなあんまり食事してなさそうなんで。」
こういうとき、収納は便利です。
あったかい料理をいくらかストックしてますんで。
「お頭〜☆ありがとう!
みんな、食べていいわよ!」
「ありがとうございます。
本来なら遠慮するところなのでしょうが、ほとんどまともに食事しておりませんのでありがたくちょうだいいたします。
みなさん、お言葉に甘えていただきましょう。」
「「「はい、ありがとうございます。」」」
わー、お腹空いてたんやろな。
「ところで、エマ様。お頭というのは?」
「あ、お頭のユメさんですよ!
私、冒険者になったのよ。
それで今は黒の軍団っていうお頭の作ったグループに参加してるの。
遭難した時、助けてくれたのが、黒の軍団なの!」
「そうでしたか。それは恩人でございますね。ありがとうございます。
でも、エマ様!ユメ様にくっつきすぎではないですか?
他にも3人もくっついてますし。
この方、大丈夫なんですか?」
「えへへ、黒の軍団の女性はみんなお頭が好きなのよ。
同意の元なんですよ。大丈夫です。」
エマ!ありがとう!弁解する手間省けた。
決して変態じゃないんです!
こういうシステムなんです!
「それならいいですけど、エマ様もおかわりになりましたね。
なんだか、以前よりもお美しくなったような気がします。」
「あらそう。お頭〜☆私、美しくなってるって。ふふふ。」
「はい、エマは、お美しいですよ。」
「でしょ!」
何はともあれ、ウェスタウン一件落着ですね。
なんだけど、こんなことならもう少し早くくればよかった……。ちょっと反省。
「それじゃ、マーヤ!
私たちは、王都に戻らないといけないから行くわね。
今日は戸締まりしてゆっくり休んでね!」
「はい、ありがとうございます。
エマ様のお帰りをお待ちしております。」
それから、僕たちはお城の屋上から隠密状態で飛び立っていった!
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