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たばことアタリメ
「終わったらすぐ煙草するよね
俺の事見向きもせずに」
下着を着ずに薄い上着だけを軽く羽織って着いてきた彼。煙草を吸わない彼にとっては嫌なものではないのだろうか
「俺より煙草じゃん。俺の事好きじゃないのー?
……中身アタリメに変えてやろうか」
ぶつくさと文句を言う彼。最後に蚊の鳴くような声で言った一言は聞こえなかったことにしよう。聞こえなかったことにしたい
「別にないこより煙草やないよ。ないこのが大事」
薄い上着を胸まで寄せ、中に入りと進行方向を真後ろにし、背中を押す。しかしそれが気に食わないのか戻ってきた
「まろもきてよ。煙草より俺なんでしょ」
と、当てただけのキスをする。戸惑う隙もなく、べっと舌だけ見せに振り返り、そそくさと中に入ってしまった。これは彼なりのお誘いということでいいのだろうか。据え膳食わぬはなんとやらだ。つつしんでお相手させていただこう
「ね〜、またじゃん」
誘ったのを受け入れてくれたのは嬉しいが、案の定煙草片手にベランダの方に向かう。ほんとに中身アタリメにしてやろうか
呼び掛けた声が聞こえなかったのかこちらを向く仕草もせずベランダの戸を開ける。呼び掛けた筈が、呼び掛けたつもりになってしまった。それだけ煙草が吸いたいか
これ以上言っても無駄だ。確か他にも煙草の箱があった筈だから中身を全てアタリメに変えておこう
あーあ、ピロートークとかしてみたい
「まろって煙草吸わないと死ぬ病気にでもかかってんの?」
きょとり。煙草は好きだがそこまでは依存してない。………筈
デート中。水族館の中で色々な魚を見て回っていた。そして喫煙所なう
……あながち間違ってない気がしてきた
「…んなわけないやん、流石に生きれるて」
煙草片手に言っても信ぴょう性の欠片もないだろう。訝しげにこちらに目を見遣る
そして煙草をまた1口
「吸ってるじゃん」
……仰る通りで
何故にこんなにも煙草を吸ってしまうのか。自分でも覚えがないし、そもそも吸い始めた当初はそこまで吸っていなかったはずだ。
「…よーし次イルカショー行こかー」
「あ!誤魔化した!!!!」
「煙草が俺の恋敵」
どんっ!と音を立てて居酒屋のコップを机に置くないちゃん。いつもに増して変なこと言ってるなぁ(遠い目)
どう思う?!と続けた。要するに恋人がずっと煙草を吸っててピロートークすらしたことがないと。居酒屋でピロートークの話するなよ。いや居酒屋だからか
ないちゃんって頭も要領もいいのにこんな時だけ長々と話すんだから。僕だって短くできたよ
「もう知らないまろの煙草全部アタリメにしてやる」
「何それおもしろ、結果楽しみにしてるね」
まぁいふくんが痛い目に会うんだったらなんでもいいや
「ないこバチかわいい好き」
大事な話があるなんて聞いて来たのに惚気かよ。リア充滅べ。末永く爆発してろ
それはさておき、これは無視したら面倒いやつだ。何があったのか聞いてやろう
「何があったん?」
それが、と話し始めたまろちゃん。煙草最近吸いすぎてるなと思い原因を探ったら以前ないちゃんが嫉妬してたのがかわいくて続けてたらしい。そしてそれを忘れてたそれを最近思い出したらしい。長い
「でも最近アタリメになりそうになってきてるんよな…」
「何それ意味わからんすぎ」
ピコンッとスマホから通知がなった。
〈ないちゃんからいふくんの相談受けてたんだけど言ってることめちゃくちゃでやばい〉
〈奇遇やな。こっちも今まろちゃんからないちゃん可愛いって言われてるわ〉
〈いふくんの煙草の中身アタリメにすり替えるとか言って帰ってった〉
〈草〉
なるほど。アタリメになるとはそういう事か。
「まろちゃんもう帰ったら?愛しのないちゃんが帰ってるらしいで」
「帰るわ」
煙草やらアタリメやらなんでもいいがとりあえずリア充は滅べ
投稿8/10