シオン

 ︎︎ ︎︎

赤 × 紫

紫 主人公

攻め受けとか特にないです

地雷さん 🔙 推奨　.

---

---

---

近所の交差点に 、 シオンの花を手向けては 、 話し掛ける男性がいた 。

それは何ヶ月も 、 何年も続いて 、 きっと彼以外はあの事故の記憶は風化されてしまったのだろう 。

ある日のことだった 。

「 俺 、 上京するわ 」

だから今日で最後 、 と 。

当時より大人っぽく 、 格好よくなった彼が 、 当時と変わらない優しい笑顔で笑う 。

＿＿＿＿ だから 、 俺も 。

『 今日まで覚えててくれてありがとな 』

俺の声が聞こえたのか 、 赤が驚いた顔で辺りを見回す 。

「 … おう 」

泣きそうな顔で歩き去っていく恋人 “ だった ” 赤の背中を 、 俺はいつまでも見詰めていた 。