コメント
0件
俺は歯磨きが嫌いだ。
なんとも言えない歯ブラシの感覚、歯磨き粉によって辛いのもまずいのも甘すぎるのも多くて吐きそうになる。
だから、歯は磨きたくない、と言うか歯磨き自体が嫌いだからどうすることも出来ない、ちゃんと歯は磨かないとだけど、それが俺にとって強敵である。
「…はぁ、」
「どうしたんだ?」
「…よいち〜!!」
世一にさっきのことを説明した。
「なるほどな、今まではどうしてきたんだよ」
「家では親に無理矢理されてた、ここではできるだけ頑張ってきたけど…」
「ダメだったんだな」
「一応、人にしてもらったら拒否も出来ないから我慢できるけどね…」
落ち込む俺に世一は「じゃあ!」
「俺がお前の歯を磨いてもいいか?」
いつも世話になってるし、と世一はにっこり笑いながら言った。
「さすがよいちー!!!」
「……で、さっきのやる気満々のお前はどうしたんだよ」
「………やっぱやだ」
いざやろうとするとなんか無理。
無理矢理しようとする世一は投げ飛ばし、暴れまくった。
「ちょっ!いてぇって!」
「だって!!」
無理矢理くるなんて!同人みたいに!同人みたいに!!(言いたかっただけ)
「これは誰か抑える人呼ばねぇとな…」
拒否する俺に呆れたのか、他の人を呼ぼうとする。
「お前らなにしてんの」
「あ、玲王じゃん!」
別の棟の御影玲王が来た。
「お前イングランドじゃなかったか?」
「ちょっとここに用があってな、でどうしたんだよ」
玲王は用があってここに来たらしい。
なんなんだろう
「こいつ、歯磨きが嫌いで今から俺がやろうって時に暴れだして、…抑えてくれる人探してる」
「お前今までどうしてたんだよ…」
「誰かにやってもらってた」
あっそ、…と玲王が言うと何か閃いたらしい。
「俺が歯磨きしてやるよ、潔は抑えとけ」
「玲王?!良いのか?!こいつ凶暴だぞ!」
凪の世話で慣れてるからなとか言いつつ、俺の体を抑えた世一。
もう逃げ道はなくなった…。
と言うか凶暴とは…
「よし、行くぞー」
いっその事こんなこと言わなければ良いと思った。
「うぅ、」
唸る俺に世一は背中をさすった。
「本当に嫌いなんだな」
「もう涙目だし、」
吐きそう…!
「えお…!やへ、て…(玲王…!やめて…)」
はいはい、我慢な〜、とあやす玲王。
早く終われよ〜!
「はい、終わったぞ頑張ったな」
俺の頭を撫でる玲王。とても心地がいいけど、前のことを思い出すと吐く。
「…れお…」
玲王はもう立っていて、俺が座ってるっていう感じで俺は上目遣いをしていたらしい、泣き顔で!
「……、潔、こいつは貰うぞ」
と言い出す玲王。
「はあ?!」
とキレだす世一。
また疲れそうだなあ。