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ヤミが正式に自然軍幹部として任命されたあの後。
天界はもちろん、ディントスにも噂は広がり始めつつあった。宴会でも始まりそうなこの勢い、乗れる人は大抵存在するはず。
早速だが、ブラックピットに神殿内部を改めて案内され、部屋も彼と同じになった。さらに任務までもが同行可能と。まるで自由を取り戻したような爽快感が高まる中、ナチュレにふと呼び止められ。
「ヤミ、その神弓…制御の方は大丈夫なのか?」
「……多分。」
「じゃが──」
「いいんじゃねぇの?こいつがそう言ってるなら。」
「…好きにさせておけ」
「ブラックピット……」
「ナチュレ…様…」
「な……?!」
たった今確信した。完全に自然軍の一員としてヤミはなりきっていると。その呼び方にナチュレはほんの少し顔を赤らめ、そっぽを向く。
「なーに恥ずかしがってんだ、破壊王が」
「破壊王ではないと言っておろう!!自然王じゃ!し・ぜ・ん──」
「へいへい…」
その光景にふとヤミに話しかけられ、何かと体を振り向かせ。
「ありがとう…」
「色々…。」
「…!」
「か、勘違いすんなよ?ほっとけねぇなんてこと、一切思ってないからな!?」
「うん。承知の上」
ムッとしながらヤミを見下す。するとその背後からパルテナ軍の姿が。
「あら、とっくに賑わってますね」
「ブラピ!!それにヤミも!」
「迷惑…かけたな。すまん」
「ううん、むしろこっちがごめんよ!?もう少しボクが早ければブラピを助けれたのに…」
「お前のせいじゃねぇよ、能天気野郎」
「なにおう!?せっかく人が心配してるってのになんだよその対応!」
「冗談だ。素直に言わせてもらう、ありがとな」
「ふぇ……あ、あ、あ…あのブラピが感謝のこ」
「はいそこまでっ!」
ブラックピットに抱きつこうとするピットを片手で止めるとヤミに向き直る。
「ヤミ、色々とご迷惑をおかけしましたね。我々、パルテナ軍からも謝罪とお詫びを…」
「そんなもんいらねぇだろ」
「いいえ?あなたにはまだ早かったかしら。ブラピ?」
「なんだと?喧嘩売ってんのか?あ?」
「ちょちょっと!!やめなよブラピ!パルテナさまも…」
「はぁ……」
神様。
私はこれでよかったのでしょうか。
毎日が苦しく、自分に対しての生き方が見つからないままこの世を──なんてことは無かった。
むしろ今の生活の方が余程気楽。
二人のうちのブラピ…あなたには何から何まで感謝している。
でも次は
無いかもしれない。