第50話「今年もクリスマスイブがおわる、、、」
ちりは、静かに静かにように近づいていく、、、
だまって、地に座りながら、チリを見守るよう
ちょっと隅のほうで、にまぁーとしているぷち。
そして、ちりがようのすぐちかくまでくると、いきなりだきしめる。
ちり「あぁあああああ!!よかったあああぁああ!よかったああああ!!」
ちりは、半分べそをかきながら、なんどなんども、腕を、疲れてように倒すみたいにようの肩をなでる、、、
ようは、抵抗しようとおもった、、、なぜか?
ようも、、、、、、女の子だったからだ、、、。
なんか気恥ずかしい、なんともいえない感覚をようはもっていた。
ちりは、この時どう思っていたのか?
ちりにしたら、高嶺の花のようをだきしめるなど、できることではなかった。
ここでちょっとかんがえてほしいんだけど、自分があこがれている歌手やアイドルが、
自分の方へ、手をまるで、子供みたいに合わせるように広げてきたらどうする?
ぼくはね、、、ぼくにしたらなんだけど、、、いくら自分の手が汚いって思っていても
その甘い誘いには、断れない。自然と手を出してしまう。
ちりも、ちりにとったら初恋のような、本当に好きで好きでたまらない人を前にしてしまったら、恰好なんて気にしてられなかったんだ。しかも、その人がもう少しで死ぬかもしれなかった。だから、ちりはようを抱きしめるという選択しかなかった、、、、。
よう「、、、、、ふん、、なによ~ちょっとはいい男になったじゃない、、、」
ちり「、、、なんや、、わてかて、、いやほんまは、何もできへん情けない人間やったとおもう」
よう「、、、それが変わったとでもいいたいの?」
ちり「ううん、、、違う。かわったんじゃない、、、無理やり変えさせられたんや」
よう「ふふ、、、変わってどうだった、、、?」
ちり「、、、ん~なんかわからんけど、、今すっごいあったかくてドキドキしてる」
よう「ふふ、、ほんとに君はかわいいね」
ちり「なんやぁ~~~子ども扱いせんとってや~~」
よう「ふふ、、ごめん。ちょっとからかった、、、。」
聖なる夜、まるでシャンシャンと鈴が鳴り、サンタクロースがトナカイとともに
空高くかけあがっていくかのような、そんなあたたかい、幸せな、まるで天国にいるかのような2人の時間は流れている、、、
なにか、くっついちゃいそうな2人の側で、プチは隠してもってきていた小さいギターをとりだして、、ポロンポロンとひきはじめる、、、、
ぷち「ぎょぉおおーーーーは、素敵なくりすまぁああああ~~~~すうぅうううう!!」
ちりとよう「、、、、下手やな!!!((笑))」
ぷち「はっはっはぁ!!ごめん~~~~」
よう「貸してごらん、、、弾いてあげるわ、、、、」
ぷち「へぇっ?ようさん、ギターも弾けるのぉ~~?」
よう「ふふっ、、、昔はよく弾いてたのよ、、、」
ポロン、、ポロンとようの旋律が流れ出す、、、、
(歌)「暗い暗い、、真夜中だというのに、、、世の中は明るい電灯がそこらじゅうについて、、、」
あみゅが、、2人の遠くで、、にやって笑いながら、電灯のスイッチを入れる、、、
洞窟は、、、とたんに、、、ぱっ、、、、チカッと、明かりがついていき、、、、
あたりは、クリスマス一色になる!
それをみて、、、ようとチリと、プチは、満面の笑みを浮かべる、、、
ようはつづける、、、、
「おどけた音楽がながれる、、、、あなたとわたしは、、、不慣れなしぐさで愛を確認し合う。ひっそりした心の洞窟のなかで、私たちは孤独に自分を鍛えていた、、、、
私たちは、、まるで掛け違えたボタンのように、、、擦れ違うこともあったけど、、ようやく、、、愛のカタチみたいなのができあがったんだ、、、、
純白のクリスマスイブ、、、はじめて君と出会えたクリスマスイブ
はずかしくて、、、でもうれしくてたまらない、、、あなたの笑顔がまぶしくて、見ていられない、、、、どきどきがあふれて、、、落ち着いていられない、、、、
初恋のクリスマスラブ、、、はじめて君と出会えた暖かな夜
苦しくて、、、、切なくて、、、でも嬉しい。あなたに会えたから、世界が明るくなっていったんだ、、、あなたの世界が私の世界を照らしてくれた、、、
さあ、、、ともに行きましょう!確かな新しい未来を作る旅へと、、、、!」
ちり「、、、それは、、、、ことわる、、、!」
よう「ん?、、、、、んぅん~~~?」
よう「さあ、、、、共に生きましょう!!!確かな!新しい未来を作るたびへぇえとおぉおお!」
ちり「ごめん、、、、それはできひん、、、」
よう「ん?ん?んん??」
よう「さぁああ!!!」
ちり「もうそれええて!!!((笑))!」
よう「なんでよ!この流れだったら、、、ちり「うん、、そうだね、、、一緒に行こう!!」じゃないの?なんで、、ことわるのよ!!!」
ちり「だって、、、わて、ぷちもおるし、、むさおじちゃんも、、、フローリも、こじもようじも、、、わて、この町守らなあかんし、、、、」
ようはしばらく考えて、、、、「ふふ、、、そうね、、、、あなたはもう守るべきものがあるものね、、、、!」
ようは、明るい歯を見せてそう答えた、、。
ぷち「おにいぃいいいたん!!!レディーを泣かせたらあかん!!!男の子は、そこで、お前を守ってあげるよっていって、キッチュするのが、、、ストーリーでしょ!!!
もう、、、ほんとに!!!ええとこやったのに!!!」
ちり「ええとこてなんや、、、わてだって真剣に考えて、やっぱ今あるもんをしっかり守らなあかんとおもて、仕方なく、言ったんや、、。しゃあ~~ないやんか、、、」
ぷち「やけど、、、おにぃ、、「いいのよ!!ちりは、これだからいいんじゃない、自分の世界を守ることも大切なことよ!」よう
ぷち「せやかて、、、、ぶぅううう!」
そして、、、あむは、すっと現れ、、、
あむ「そうかぁ、、、お前は、この町の方が大切なんか~、、、それは仕方ないな、、うん、、、しゃ~ない、、それぞれ、大切なもんはあるやろ、、それを守ったらあかんて言うのもなんか違う気がするな、、、よし!ちり、、あんさんは、そうしたらいい、、
ようさん!」
よう「はい、、」
あむ「悪いけど、、ちりは一緒にはいかれへん、、みたいや。すまん、、ちりも、あとを継がなあかん。それは、、一つのそいつの人生でもある。あとは、、、ようさん、あなたは、、、ごめんやけど、、一人でお向かい下さい。あなたに、すべて任せます。」
よう「はい、、、お任せください!」
あむ「、、、日本の場所に、死者の世界を、巡業することによって、、細胞の記憶を覚醒させ、、、あの世への道(豪友愛の国)にわたることができる場所がある。ようさんは、知ってるでしょ?」
よう「なるほど、、、そうすればよかったのですね、、、」
あむ「そう!そして、君が持っている、その卵から生まれる鳥が、その世界へといざなってくれる。わては、それを巡業なしでもできたけれど、、、そのわての血を直に引き継いだ子どもも、まだ力は弱い。だから、その子が、力をもつまで、、、あなたが、その鳥を育てながら、あなたも、あの世への道に通じれるような体になっておかなあかんねん。」
よう「はい、、!わかりました!頑張ります!」
あむ「いい返事や、、、!じゃあ、、、あとは、任せた!どうかご無事で、、そして、、この荒廃してしまった世界を、作り変えてください。」
よう「それが私の使命ですものね、、覚悟はできています!」
あむは、、ニコッと笑うと、すっと休むかのように姿を消した、、、
ちり「じゃあ、、、わて、、、見送るわ、、、もうこの国から離れる時やろ、、、?」
よう「そうね!、、これまでありがとう!ぷちも元気でね、、!」
ぷち「うん!!おねぇちゃんもがんばってなぁ!!!」
三人が、洞窟を出、、町に帰り、、、夜が明け、、、とうとう別れの時が来た、、、、
海辺、、、、鳥の音が、、、寂しそうに鳴いている、、、
ぶぉおおお、、ようは、、、アメンボバイクの上にのり、、、最後、、、ちりたちとお別れをする、、、、
ちり「、、、寂しくなるなぁ、、、、、」
よう「ふふ、、、そうね、、、、これでお別れね、、、、」
ぷち「ああ!どうするん!!?ようねぇちゃんほんとに行ってまうでぇ?」
ちり「ぷち!そんなこと言ったらあかん!わて、もう決めたんや!わては、この町が好きやねん。ぷちも、むさおじちゃんも、みんな守らなあかんから」
よう「そうよ!!おにぃちゃんを、そんなに責めちゃいけないわよ!」
ぷち「うぅ、、、だってぇええ、、」
むさ「よう様、、、救世主様、、、!この町に来ていただいて誠にありがとうございました!どうか!お達者で!ご武運をお祈りしています!」
フローリ「おきばりやすぅ」
こじ「お達者で!」ようじ「お気をつけて」
とどめぎ「またあそぼうね!」
ようは、、、だまって、、アメンボバイクの操縦ハンドルに手をかけた。
しかし、、、ちょっと何かを考えているようにじっとして、、、チリを見つめる、、、
よう「ちり!ありがとう!あなたに会えて、ほんとによかった、、みんなにもあえて!」
ようは、、、手をグーのカタチにして、、ちりに差し出している。さいごに、絆でも確かめたいといっているように、、、
ちりは、、だまって、、、おなじく手をグーにして、、、ようの手にあてようとする、、、
手と手が、しずかにふれあっていく、、、
すると!とたんに、、、!ようが、、そのグーにした手を広げたと思ったら、、!
チリの手をつかみ!一気にチリをアメンボバイクに乗せ、一気に海上を走っていく、、、!
むさ、、こじ、、ようじ、、ふろーり、ぷちは、、ニヤッと笑ってバイバイをしている
ちり「え、、、、え、、?わて、行かんいうたやん!」
よう「ごめんぅ、、ごめんね、、、」
ちり「行かん言うたやん!」
ようは、だまってバイクを運転している、、、
ちり「、、、、!?」
よう「ごめん、、、、ほんとごめんなさい!でも、、、でも、、、わたしは、、、あなたと行きたいって思った、、、この子と行きたいと、、!」
ちり「でも~~~わて、、町まもらなあかんし、、、」
よう「ごめん、、、ほんとごめんねぇ?」
ようは、、、くるっとチリの方へ向いて、、、
「私のすべての名前を教えてあげる!私の名前は、
レイニー・マグ・よう、愛情の詰まったいれものっていう意味よ!」
「お詫びじゃないけど、、これしかできないけど、、、」
ようは、、、ちりにキスをした、、、深い深いキスをした、、、、
ちりは、、、最初びっくりしたけれど、、、その目は、静けさをとりもどし、、、
すべてわかったかのような気がして、、、
ようの口づけがおわり、、、唇と唇がはなれ、、、
ちりは、言った「、、、、もう話はついてるんやな?」
「うん、、、ごめんね、、、夜に、むささんにも、ふろーりさんにも、こじさんにもようじさんにもはなした、、、。」よう
ちりは、にっこり笑って、、、「じゃあ~~~、、しゃあないか、、、」
そんな、、、2人をバックに、、、このクリスマスイブの物語は終わろうとしていた、、、、
そのとき、、、、
「わてもな!?」
ようとちり「ぷち!???」
ちり「お前はあかんやろ!?ついてきたら、、どうやってここまできたんや、、、!?」
ぷち「ん?バイクと、、わたしに、、こっそり紐つけといた~~~!(笑)」
ちり「あんさんは、、ほんま抜け目ないやつやな!」
ちり「ふろーりかあさんは?良いっていうたんか?」
ぷち「ふふ、、、!ほんま、、、猛烈に反対したんやけどなぁああ、、わての、この言霊の力みせて、、おにぃはん守りたいって泣きながらいうたら、、、」
ぷち「おかあはんも泣いてた!泣いてたけど、、、しずかに行っていいっていった、、、。」
ちり「そうか、、、」
ぷち「うん、、、、ようさん、、おにぃはん!」
よう、ちり「うん?」
ぷち「みんなでいこう?みんなで世界を変えよう!だって、世界は広いから!まだ見えてないだけで、世界は、私たちの世界でどんどん変わっていく!物語をみんなでつくろう!!」
そうして、、、、それをにこやかに見つめる2人を、遠く遠く、、、していき、、
この聖なる夜の物語は、しずかに幕をとじるのでありました、、、、、
おしまい、、、おしまい、、、、
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