黈side
黈「おはよ~!…あれ、茈にき?(目擦)」
茈「おはよ。あー、翠は2度寝。」
朝食の匂いがしたのでてっきり翠くんが部屋にいるのかと思ったら茈にきが1人でテレビを見ながらご飯を食べる用意をしていた。
茈「黈も食う?」
黈「うん!手伝う!」
二度寝なんて珍しいな、と思いつつ昨日寝るの遅かったしな、と自分の中で解決させる。
黈「…っわ、(転)」
茈「っと、焦った~…寝ぼけてんのか?(笑)」
考え事をしていると足元がふらついて転けそうになってしまった。
お箸を片手に持った茈にきが支えてくれてぎりぎり頭を打たずにすんだ。
黈「う、ごめん…(焦)」
茈「寝ぼけんのもあいつらが居る時にしてくれないとこっちが睨まれるんだわ(笑)」
気をつけろよ、と頭をぽんと叩いて箸を並べてくれた茈にき。
…そういえば、最近体調悪いんだよな~…。
黈「うん、!気をつける!」
茈「うい、さっさと食おうぜ」
まあ気のせいだろうと思い、あまり気にせずに朝食をとった。
瑞side
瑞「瑞も黈ちゃんとご飯食べたかったぁぁぁ(泣)」
赫「お前朝からうるっせぇな(笑)」
翠「…まあ気持ちは分かるけど…(笑)」
久しぶりに早起きできたと思ってリビングに行ったら百くん以外みんな起きてるんだもん!!
…うぅ…黈ちゃん…。
黈「お昼は一緒に食べよ、?(困)」
瑞「毎日朝ごはんも昼ごはんも一緒ね?」
黈「うぇ、!?…早起きしてくれるなら…(苦笑)」
そう言って瑞を甘えさせてくれる黈ちゃん。
…このご飯は翠くんが盛ってくれたのだろう。野菜が明らかに少ない。
瑞「…ふふ、(微笑)」
2人ともやっさしぃ~(笑)
…
うん、しっかりしなきゃ。
赫side
翠「それにしても百〃だいぶお寝坊さんだね?」
黈「ん~まぁ病院やとどんだけ起きるの遅くてもなんと言われんしなぁ…」
赫「…ちょっとみてくる。」
茈「…おれも。」
最近一段と騒がしくなった気がする瑞は置いといて、もう10時なのに起きてこないのはさすがに心配。
昨日寝るのも早かったし…。
黈「ん…なんかあったら呼んでね!」
赫「ありがと(微笑)」
瑞と反比例するかのように最近元気がなくなっているような気がする黈の気遣いに感謝を伝えて百の部屋へと向かった。
茈「…入るぞ~」
赫「寝てんならあんま関係なくね?」
茈「一応な?…お前と違って優しいから」
赫「は?」
なんて軽く口論をしながら部屋へはいると
百「っ、ひゅ゙、ぅ…ぁぐッ…(小声) 」
死にかけている百が居た。
百side
百「…ぅ…あ…、?(起)」
朝起きたのは8時頃。
なんだか息苦しさを覚えて目が覚めた。
百「…っ、また、これか…(小声)」
〝欠け月〟にはよくある、不安定な日。
百「…ぅ゙あッ…」
迷惑はかけられないから、いつも通り布団にくるまって収まるのを待つ。
…契約したら収まるってきいたんだけど…そんな上手くは行かないか、
百「っ…ふぅ…ッ…はぁ…(小声)」
…なんか頭ぼーっとしてきた。
茈side
赫「…百っ!百!おい!」
百「…はひゅ゙っ、…ふッ…(涙目)」
茈「…黈っ、!」
必死に百に声を掛け続ける赫に代わって黈を呼びに行く。
…〝欠け月〟にしか無いことがあるのかもしれない。
茈「…くそっ、」
…代わってあげられたらいいのに。
黈「わ、茈にきどうしたん(慌) 」
茈「っ、百っ、が…」
リビングのドアをばんっと開けると戸惑いと不安の表情を浮かべた黈と翠がソファに座っている。
瑞はまだ野菜と格闘中らしく食事用の机に座っていた。
茈「百の呼吸がっ、おかしくてっ…!」
黈「…!…(迷)」
茈「何か知ってんならっ!」
翠「…」
何か迷っている様子の黈と気まずそうな翠。
うだうだしてるのがなんだか癪に障る。
瑞「…ちゅーすりゃ治るよ。」
茈「…は?」
不思議な雰囲気の中、瑞が口を開く。
瑞「あ~べろちゅーがおすすめ。」
茈「…何言って(戸惑)」
瑞「そっちが何か知ってんなら言えって言ったんでしょ~?黈ちゃんに失礼だよ~(呆)」
茈「…」
いつもとだいぶ雰囲気の違う瑞が俺を睨むようにして言う。
瑞「ほら、さっさと助けに行かなきゃ〝欠け月〟なんか簡単に死んじゃうよ」
黈「…っ…」
翠「…!」
茈「…ありがと、」
…たしかに聞いてる立場なのに悪かった、と思い黈の方を見てすまん、と一言言ってから部屋を出ようとした。
黈「うんっ、…あの、優しくしてあげて」
茈「おう。…ほんとにすまん」
黈「んーん、はよ行ってあげて(笑顔)」
茈「ありがとな。」
部屋を出たあと微かに翠の低い声が聞こえた気がした。
茈「赫っ、…っはっ、?」
そこにはもう息が落ち着いている百と安心した顔の赫がいた。
赫「しばらくさすってたら治ったわ…まじ焦った…」
百「すみませんっ…。たまになるんです…」
赫「お前が謝ることじゃねぇよ(笑顔)」
…
茈「は、?」
百「っ…!ごめんなさっ」
茈「あ、いやすまん、違くてっ、…」
…?
赫「…なんだよ」
茈「瑞たちに聞いたら、キスすりゃ治るって言うから…」
百「ふぇっ(顔赤)」
赫「え、いやまじでしてねぇよ!?」
赫と百の反応を見る限り本当にしてなさそう。
茈「…まぁ、百が平気なら良かった…」
百「すみません、ほんと、迷惑かけてばっかで…」
…さっきの瑞、…
赫「もうちょい部屋でゆっくりしてからにしようぜ」
茈「…そうだな。この部屋にペットボトルの水置いてたよな?」
百「あっ、そこの棚に…」
瑞のことは気になるがとりあえず少し一緒に部屋で休むことにした。
黈side
瑞「ほら、さっさと助けに行かなきゃ〝欠け月〟なんか簡単に死んじゃうよ」
黈「…っ…」
翠「…!」
茈「…ありがと、」
…〝欠け月〟なんて、簡単に死んじゃう…。
茈「すまん、黈。」
黈「うんっ、…あの、優しくしてあげて」
瑞ちゃんの言葉が頭に響く。
…そうだよねっ、…迷惑、かけてるよね。
なんて考えていると何故か謝られていたのでなんとなく今思っていたことを茈にきに伝えた。
茈「おう。…ほんとにすまん」
黈「んーん、はよ行ってあげて(作 笑顔)」
茈「ありがとな。」
できる限りの作り笑顔をして急いでいる茈にきを落ち着かせる。
…百〃の無事を願って。
翠「ねぇ、いくら最近機嫌悪いからってそういう言い方はないんじゃないの?」
瑞「…え?」
茈にきが居なくなった部屋に翠くんの低い声が響く。
黈「…おれ、気にしてないから、」
翠「…でもっ…簡単に死んじゃうなんて…!」
瑞「あっ、…ごめッ、黈ちゃんっ…」
ふと、我を取り戻したかのように瑞ちゃんが立ち上がる。
瑞「ごめんっ、ごめんッ…ごめんね、黈ちゃん…(涙目)」
黈「ふぇ、いやほんまに気にしてあらへんからっ…、!」
泣きかけている瑞ちゃんに近づいて背中をさすろうとすると、
瑞「っ、あ、瑞っ、ちょっと部屋行ってくるっ…」
すっと避けて部屋から飛び出して行った。
瑞side
茈「────────」
百「───」
赫「──────────」
遠くから3人の声が聞こえる。
良かった、無事だったんだね。
瑞「っ…」
やっちゃった。
言っちゃいけないこと、しちゃいけないことしちゃった。
瑞「…ふぅっ…ッ…ふぅ…(泣)」
泣いちゃだめだよ、瑞。
…多分、2人は優しいから、俺のところに来ちゃう。
瑞「…ふぅ、…はぁっ…(泣)」
目から溢れ出てくる涙を必死に我慢する。
なんだか、体全体が水になったみたいで、液体みたいにさらさらになって、どこまでも流れていっちゃいそう。
瑞「っ…(泣止)」
うん、うん。大丈夫。
よく出来ました。
瑞「んふ、うん。大丈夫。(笑顔)」
瑞は、…俺は元気じゃなくっちゃ。
昔っからこうだった。
なんとなく無理してて。
なんとなく周りに背丈合わせて。
…背伸びしてたんだ。
赫くんみたいにかっこよくないし。
茈くんみたいに強くないし。
翠っちーみたいに優しくないし。
…あの3人と絡むと、劣等感しか感じなくて。
辛くて、辛くてっ…
小学校の時も、中学校の時も、何をしても、俺が一番下。
…それなら馬鹿なキャラを、 明るいキャラを演じれば楽なんだって気づいた。
それからは今までよりもずっと楽だった。
俺は、
顔もそんなに良くないし、
決断力があって、誰かを支えてあげられる訳でもないし、
心の底から優しくなんてないし、…
でも、
〝瑞〟なら。
〝瑞〟なら、みんなを笑顔にしてあげられたんだ。
あれから、案の定心配してきてくれた黈ちゃんと翠っちーに謝って、本当はそんなこと思ってないんだよって伝えた。
迷惑なんかじゃないんだよって。
大好きだよって。
…別に、嘘じゃないんだよ。
今は、ほんとに好きだし、大切だし、誰にも渡したくない。
でも、初めに黈ちゃんを好きになった理由はっ…
俺より劣ってるから、だった。
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コメント
2件
主様お疲れ様です✨️🩷くんが治って良かったです✨続き楽しみです✨️無理しない程度に投稿頑張ってください