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いつも通りの日だった。
いつものように起床し、朝食は食べ、高校に行く。
将来は家を継がなければいけないし、勉強は出来る。
わざわざ高校に足を運んでいるのは親に心配をかけないためだったりする。
俺は二年生ながらに何故か生徒会長なので、頼れる凄いやつみたいな位置付けだ。
家が金持ちな事もあり、人望には恵まれている。
そんな風に期待されると流石に疲れる。
そんな時は決まって、誰もいない屋上に行くんだ。
膨大な仕事をこなし、心も体も疲れきったので、屋上に行くことにした。
誰もいないからとても落ち着く。
本当の俺はこんなやつだ。
クラスでは猫を被っている。
階段を上がっていく。
その音さえも耳に残るようだ。
階段を上がりきると、屋上から物音がした。
今日は誰かいるのか。
ひとりがいいのにと、少し残念な気持ちになりながらも様子を見てみた。
俺はそこで想像もしていなかった光景を目の当たりにした。
一人の少女が屋上から飛ぼうとしていたのだ。
これが何を意味しているかなんてわざわざ思考を働かせなくてもわかる。
自殺。
この少女は自殺しようとしているのだ。
ほとんど衝動的に叫んだ。
「止めろ!」
俺の声に驚いたらしく、彼女はこちらを向いた。
「危ないだろ。何してんだよ。」
少女は少し笑って、
「、、、何で止めるの?」
と言った。
「何でって、普通止めるよ。」
彼女は不思議そうに、ふうんと唸ったあとこちらに向かってきた。
思わず身構える。
「そんなに止めたいならちょっと私に付き合ってよ。」
美しい声で言った。
それが恋愛的な誘いでないことはわかる。
「嫌だと言ったらどうする?」
彼女は少し考えたあと、こう言った。
「飛ぶ!」
こいつは俺のことを殺人犯か救世主にしようとしてくる。
そんなの嘘だろと笑い飛ばしてやりたいが、どうも冗談に聞こえない。
仕方がない。
「わかったよ。で、何すれば良いの?」
満面の笑みで弾けるようにこう言った。
「放課後、毎日ここに来て。そうしたら飛ばないよ。」
俺はそこでOKしてしまった。
これが俺を変えることになるなんて知らずに。