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「え?」
思わず声が漏れた。
私たちの前に立っているのは、あのクラスメート――しかも、ちょっと前に不気味な感じで私を見てきた男の子だった。
その顔を見ると、どうしても心がざわついて、体が自然に硬直してしまう。
「まりあちゃん、久しぶりだね。」
彼はにっこりと笑って、でもその笑顔はどこか不自然に感じた。
「……あ、あぁ、久しぶり。」
私はできるだけ冷静に返事をしようとしたが、どうしても心の中で不安が募ってくる。
その時、李斗が無言で一歩前に出た。
「お前、何だよ。」
「え?」
男の子は驚いた顔をしたけれど、すぐにまた笑顔に戻る。
「いや、別に。まりあちゃんと話してたんだ。」
その言葉が、私の胸を締めつけた。
「まりあちゃん、最近元気そうだね。」
その言葉がまた不気味で、私は少しだけ後ずさりした。
「おい、こいつはどういうつもりなんだ?」
李斗が冷たい声を出して、男の子に詰め寄る。
「え、いや、ただの挨拶だよ。」
「挨拶?」
李斗の声には明らかに不信感が含まれていた。
「お前、まりあを知らないくせに、どうしてこんな風に絡んでくるんだよ。」
男の子の表情が一瞬、固まった。その顔が見せた一瞬の動揺に、私は気づいてしまった。
「ちょっと、これ以上私たちに関わらないで。」
思わず口を開いて、言葉を吐き出した。
「まりあ……。」
李斗が私を心配そうに見つめる。
「そんなこと言わないでよ、まりあちゃん。僕、ずっと前から君を見てたんだ。」
その言葉に、私の心が冷たく凍りついた。
「見てたって……?」
「ずっと前から君がどうしてるか、気になってたんだ。」
その言葉が、まるで耳に鈍く響くように感じた。
「やめて……!」
私は思わず声を荒げて、その男の子に向かって歩み寄る。
「こっちを見ないで!」
男の子は少し驚いた顔をした後、にやりと笑う。
「……おい、俺のこと嫌いか?」
その一言で、私の体が震える。
「……俺、まりあちゃんのこと、ずっと守りたかったんだ。」
その言葉がどこか異常に感じて、私は背筋が凍りついた。
その時、李斗がすっと男の子の前に立ちはだかり、静かな声で言った。
「もう、さっさと消えろ。お前がどんなつもりでいるか知らないけど、まりあには近づくな。」
「……お前、俺に何か言ってるのか?」
男の子が眉をひそめて、少し怒りを込めた目で李斗を見た。
でも、李斗はまったく動じず、冷静に立ち続けた。
その冷たい目を見て、男の子は急に黙り込んだ。
しばらくの沈黙の後、男の子はふんっと鼻で笑うと、最後に一言残して去って行った。
「まあ、いいけどな……。」
その言葉が耳に残ったまま、私たちはしばらくその場に立ち尽くしていた。
「まりあ、大丈夫か?」
李斗がすぐに私の方を振り向いて、心配そうに声をかけてくれる。
「うん……ごめん、なんか怖かった。」
「無理すんな。」
李斗は私の手をしっかりと握り、優しく言った。
「もし何かあったら、俺が守るからな。」
その言葉に、心から安心できる気がした。
でも、その後もその男の子のことが頭を離れなかった。
何が目的だったのか、どうして私に近づこうとしたのか……。
「これからも気をつけろよ。」
李斗の声が真剣だった。
「もちろん。」
私はうなずき、彼と手を繋いで歩き出した。
でも、心の中では不安がまだ消えない。
次回、まりあに迫る新たな危険!?