いつかに書いた、「声」 の補足。
なので「声」を読んだことのない方は、そちらを先に読むことをお勧めいたします。
ルロー、海賊設定そのまま。
「声」では明確にしなかったえちシーン、がっつり盛り込みました。
ということでえち注意。
ワンクッション。
なんで俺は、素直になれないんだろうか。
「今日でこの同盟も終わりだ」
なんで俺は、もっと可愛げのあることを言えないんだろう。
「これからは敵同士になる」
なんで俺は、こいつに想いを寄せてしまったのだろう。
「せいぜい俺に殺されないよう、気を付けるんだな」
なんで、なんで俺は。
あのとき、こいつと体を交わしてしまったのだろう。
もしあのとき。
かすかに残っていた理性を保てていたら。
彼への恋情を秘め切れていたら。
こんなにも苦しい思いを、しないで済んだだろうか。
ばちゅん。
濡れた肌と肌のぶつかり合う淫らな音が、二人っきりの船内に響く。
それに少し遅れて、甘く揺れる声が鳴る。
それが自分の喉から発せられたものだと気づいたのは、彼が教えてくれた後のことだった。
「にししっ、トラ男、すっげぇ声でたなぁ、っ」
「え、?ぁ、ふ、ん…っ」
「ほらまた、…ししっ」
「かぁーいー」
ちゅっ。
甘く柔らかな声とともにこぼされたキス。
そんなわずかな刺激にも、今の過敏になった体には十分すぎるほどの快楽となった。
「んっ、」
「…、は、む、ぎわら、やぁ」
無意識的に甘える声を出している自分に驚きながらも、快楽に溶けた脳はそれへ対する羞恥心を感じさせなかった。
それよりも、自分へ快楽を与えてくれる彼に、さらなる乞いをしたかった。
「ん?どうしたトラ男?」
「こっちも、触ってくれ、っ…」
彼の手をつかみ、自分の胸元へ。
過敏になった突起に細く、意外にも角ばった指が触れる。
「ん、っ…」
思わず小さく喘ぎ声をあげる。
すると驚いたように少し目を見開く麦わら屋。
しかし、すぐに笑みを浮かべる。
「おう、いいぞ」
カリカリッ。
瞬間、脳を刺すような鋭い快感が襲い来る。
弾くように、時には優しく転がすように愛撫される。
意外と丁寧な手つきのそれに、きゅん、と心が甘く鳴る。
あぁ、好きだ。
きっと今感じるには不純なのだろうが、やはり俺はこいつが好きなのだと改めて実感する。
普段の底抜けに明るい様は鳴りを静め、今は欲を貪る男の顔つきをし、艶めかしい色気をまとっていた。
そんなギャップに、また心がときめく。
「はっ、…ぁ゛、!」
「ん…、きもちいか、っ、トラ男っ」
コクコク。
返事もうまくできないほどの快楽が体中を駆け巡る。
外も、中も、何もかもを。
ぐちゃぐちゃにかき乱される。
「むぎ、わらやっ…!む、ぎわら、やっ゛、!」
「おう、ちゃんといるぞ」
思わず呼んでしまった名にも、ちゃんと反応してくれる。
そんな小さな、自然な優しさが俺は好きだ。
あぁ、どうしよう。
次から次に、時間が過ぎるほどに。
好きという感情がとめどなく溢れてくる。
好きで好きでたまらなくなってくる。
「んぁ゛っ、ぁ、ふっ゛…!」
「…、っ、は、…」
「トラ男…」
きゅんっ。
「ぅあ゛っ?!」
「ん?トラ男っ、どした?」
きゅんきゅんっ。
「ふっ、ぁっ゛…!」
「わ、かんね゛ぇっ」
「お前に名前、よばれたら、なんか…っ」
「…、ふっ」
「なんだそれ」
「すっげぇ可愛いなぁ」
ちゅっ。
そんな笑みとともに額にキスが落とされる。
なんだろう、今キス以上のことをしているのに。
妙に気恥しい。
本当にこいつはずるい。
雄のように瞳をぎらつかせたと思ったら、こんな風にふわりと柔らかく綻ばせて。
女のように柔らかくも、華奢でもない俺を可愛いと言い。
こんなにも俺を、かき乱してくる。
正直に言おう、俺は今。
こいつのことが、どうしようもなく好きだ。
「あ、っ、あ゛っ…!」
「そこ、だめ、だっ」
「ぅおっ、すっげぇ締め付けんなぁ」
「イきそうなのか?」
こくこく。
言葉も出すのもままならず、小刻みに首を縦に振る。
「ん、いっぱいイっていいぞ」
ばちゅっ!
今までにも増して、腰遣いが激しくなる。
かりかりっ。
乳首も、中も。
気持ちいいところに全部、麦わら屋が触れる。
「ぉ゛あ、っ、…!む、ぎ、わらやっ…!」
「っ、…俺も…っ」
「トラ男、こっち向けるか、っ?」
「え、…ぁ、んっ」
ちゅっ。
不意打ちのキス。
軽く触れるかのようなものから、下を絡ませ食らいつくかのようなものへ。
キスなんて幾度もしてきたのに。
その時だけは、上手くすることができなかった。
「んっ…、ふ、ぁ、ん…」
ぞくぞくぞく。
背筋に甘い電流が駆け抜ける。
絶頂前のサイン。
「ん、っ…、んむっ…!」
「…、は、っ」
「だ、めだっ、イくっ、イ、く゛ぅっ!」
「お、れも…っ」
「イ、く、っっ~~、…!」
「っ…」
「は、はぁ、…ふ、…」
ベットの上に寝ころび、二人そろって息を整える。
行為が終わった後の満足感と気怠さとに襲われ、体がふわふわと浮いているかのような感覚に陥る。
「…あー…、つっかれたなぁ」
「大丈夫か?トラ男?」
「…あぁ」
カラッと笑うその顔は、先ほどまで性行為をしていた者の表情とは思えないほどに爽やかだった。
これがいつも通りの顔のはずなのに。
なぜだかそれが、少し寂しかった。
「…、悪いな、付き合ってもらって」
「ん?あぁ、大丈夫だぞ!」
「俺も気持ち良かったしな!」
「…そうか」
「…明日から…」
「?」
「明日からは、敵だからな」
「…そうだな」
違う。
こんなことを言いたいんじゃないのに。
本当は気の利いたことを言って、今日のことをいい思い出として記憶したいのに。
俺のちっぽけな意地が邪魔をする。
俺は本当にどこまでも自分勝手だ。
「…けど」
「俺はお前のこと、友達だって思ってるぞ」
そんな救いようのない俺を。
お前はいつだって救ってくれる。
「俺は」
「お前のこと、ずっと好きだ!」
「…っ」
満面の笑み。
それが麦わら屋が心からそう思ってくれていることを裏付ける。
何で今、そんなことを言うんだよ。
そんなことを言われたら。
「…」
「?どうした?」
あぁ、だめだ。
溢れてしまう。
「…麦わら屋…」
「…好きだ…」
「…え」
「…、っ!」
「トラ…」
「な、なんでもねぇ!」
「今のは忘れろ!」
「ど、どうしたんだよ」
「何でもない!」
どうしよう。
言ってしまった。
言わないつもりだったのに。
この一回だけで、終わらせるはずだったのに。
焦りから思わず、何でもなかったことにしようと言葉が口をついて出る。
「おい、トラ」
「今日は悪かったな」
「邪魔した、ありがとう」
「え、あ、おい!トラ男!」
ばたんっ。
俺の恋は、そこで幕を閉じた。
好きだ。
違う。
大好きだ。
違う、違う。
もう終わったんだ。
もうあの日で、完全に終わらせただろ。
だからもう、出てくるな。
俺はもう、好きだなんて思わない。
もう、二度と。
あぁ。
何もかもすべてを。
今までのこの、報われない恋の記憶を。
全部、忘れられたらいいのに。
わー、やっと終わったー。
久々の長文でした、疲れたな。
まぁ、満足いく物書けたのでよしです。
達成感=すべてです。
ふむ、書いてて思ったんですけど、やっぱりたまにはルローもいいですよね。
私、前までルロー絶許野郎だったんですけど、今じゃすっかり虜です。
いや、いいんですよ、ルロー。
雄雄してるルフィ君、がちでやばいんすよ。
ギャップで死にそうになる。
皆さん、ぜひルローを見ましょう。
まじでハマったら底なしですよ。
あ、そういえばこれ、ロー君ルフィ君両思いです。
けどハピエンにはしません。
なんでか?なんででしょう。
とにかくハピエンにはしません。(どんっ!)
よし、そんじゃあもう終わりますね。
やば、三時じゃん。
寝なきゃ。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
それでは皆様、おやすみなさい。
ばいばい👋
コメント
3件
すごく良いです、、、!こういうシチュ大好物です😩💗💗
ルローハマりました!本当に毎回すっごくうますぎて何十回も見返してます笑。今回もすっごくよかったです!!((語彙力なくてすみません