唖然とする暑さの中私”今井小春”は家の中庭で地面を掘っていた。
なぜそのようなことをするのかと言うと、話すと長くなってしまうが、、、
〜5年前の夏〜
「小春〜!」
「は〜い?」
私は母親である”今井麻美”に呼ばれた。 いきなり叫ばれて何事かと思っていた時、ある人物が目に入る。その人物こそ我が親友である”牧田葵”である。
「葵ちゃんきたわよ!」
本人が目の前にいるのに大声で言う母親を見て苦笑していたが、来てくれたことを無視することはできずに返事をしようと思っていた時
「こはちゃ〜ん!遊びにきたよ!!」
またもや目に入っているのに大声であおちゃんが呼んでくれた。約束をしていたため来ることは分かっていたがそれでも嬉しさが勝ち笑みが漏れてしまった。そう、この親友こそ私の好きな人であり初恋の人であった。
「2人ともそんな大声じゃなくても聞こえるよ!」
といいつつ私も負けじと先ほどの2人よりも大きな声で返事をした。2人とも顔を見合わせてから、そして、笑っていた。
話は変わるが今現状の我が家の状況を紹介しようと思う。まず母親、それに娘の私、最後に父親がいる。が父は海外に単身赴任をしていて実質2人しかいないということだ。母には負担をかけているかもしれない。
私が家族構成を話したのは訳がある。その訳とは
「葵ちゃんが来てくれて嬉しいわ♡」
そう、この母の惚れ具合というかなんというか。娘の私より可愛がっているのか?と思うほど親友であるあおちゃんを可愛がっているのだ。父親がいた頃はそこまでではなかったが、いない寂しさかはたまた隠していることを辞めたと、いう感じだ。
あおちゃんも苦笑いをしているが満更ではない。私は少しムッとしてしまうが、そんな事を言えるはずもなくただただ見ているだけだった。
「あおちゃん嫌がってるでしょ!」
あまりに長い間抱きついていたので思わず言ってしまった。それに外は暑いししょうがないと思う。
「ごめんね葵ちゃん?」
「全然大丈夫です!少し嬉しいくらいで..」
あおちゃんがそんな事を言ったのが聞こえてさらにムッとしたが、この後2人で部屋に行けることを考えるとまぁいいかとも思う。
「お母さんがごめんね?早く部屋に行こ?」
「私お母さんがいないから嬉しくて、えへへ..早くお部屋に行こ!」
そう、あおちゃんには母親がいない、というか離婚していなくなってしまったらしい。そんなことを聞くと母とイチャつくのを辞めてとは言いにくい。
部屋に着くとあおちゃんが
「今日は何するの!!」
とても元気そうに言った。可愛い。これだけでも満足だが私は
「ゲーム!」
私とて家に引きこもってゲームだけをしているだけでないが、きわめて暑く蝉がみんみんと鳴き声を上げている中外で遊ぼうとはあまり思わない。
3時間ほどわいわいとゲームをした後、あおちゃんは眠くなったらしく私のベッドで横になってすぅすぅと寝息をあげてしまった。
「今だけなら触ってもバレないよね、、? 」
好きな人が隣で無防備に寝て何もしないというのは女が廃るってもんだ!と男のようなことを思った私は思い切ってつんつんと頬を触ってみた。
「んぅぅ…」
一瞬起きたかと思ってビクッとしたがぐっすり眠った様子だった。まだまだバレないと思った私は少しだけ、ほんの少しだけヒートアップした、と自分ではそう思っていたがそうではなかったらしい。
私が頬をつんつんする以外でお腹を触ったり太ももを触ったりと調子にのっていると、なんとなんとあおちゃんが真っ赤に染めた顔をこちらに向けてじ〜っと私のことを見ていたのだ。目が合ってしまった。
だがあおちゃんは再び目を瞑って寝たふり?をしてしまった。これはそういうことか?と思う私は
「起きてるんだよね?起きてないならもっと触っちゃうけどいいの?♡」
と耳元で言うとビクビク!っとなったが反応はない。これはもしや期待してる?と言わざるを得ない。そんな訳で私は太ももの内側を今しがた触ったより一段といやらしく触ってみた。体が震えて少し汗もかいているし息も少し苦しそうになってきた。
「今日はここまでね?」
そんなことを言うと少しがっかりしたらしいのか赤くほてった体は寝返りをうって離れて行ってしまった。
こんなことをするようになったのは少し前からだがまだ慣れないらしい体も愛おしいし続けて欲しいと分かることも本当に愛おしい。
そんなこんなでいざあおちゃんが帰る時になった時に耳元でまたしようね?と言うと顔が真っ赤になって黙って俯いてしまった。可愛い。まだまだ夏休みは長くもっともっとする機会はありそうだ。
そんな期待を胸に私はこの素敵な夏休みとい
うものを過ごしていくのだった。