君の死を受け入れられなかった
今もどこかで生きているような気がして
周りの言葉を信じることが出来なかった
でも君は待っていたんだ
俺に見つけられる時を
【ラベンダーのアイ。】
「今日は莉菜ちゃんの命日なんだから
出かけるなら早く帰ってくるのよ。」
母親の言葉が
未だに受け入れられない
あの日から既に1年は経っているのに
自分だけがあの日から
刻から置いていかれている
「わかってる」
そんなことを母親に言えるはずもなく
了承した
本当ならば
彼女と歩くはずだった道を
風を受けながら1人で歩く
いつもなら
何回考えずに歩くこの道も
今日は彼女のことばかり考えながら
景色も見ずに通過する
その後もただひたすらに足を動かしていた
すると
今まで見たことの無い
花だらけの場所が見えてきた
不思議に思い
少しの好奇心につられ、
花畑へと足を運んだ
そしてある花の前で
俺は足を止めた
彼女が好きだったラベンダーの花。
耳を過るいつかの彼女の声__
『ねぇね陸、ラベンダーの花言葉知ってる?』
「そんなん俺が知るわけないじゃん」
『あはは、それもそうか』
「で、なんなの?」
『それはね、ーーーーーーーーーーだよ』
「へー」
『あ、ちょっとは興味持ってよ!』
━━━━ 情景はちゃんと覚えている。
なのに、彼女が言った
ラベンダーの花言葉だけが思い出せない
もう少しちゃんと話を聞いていればよかった
なんて今更後悔をして
携帯を開く
そこに並べられた言葉に
驚きを隠せなかった
彼女の死から今まで逃げてきた
でも
そろそろ
彼女が怒っているようだ
こんな場所に
この花を置くくらいに。
ある言葉を胸に
花畑に背を向け
急いで来た道を戻る
ーガチャー
「あら、思ったより速かったわね」
「そんなことより速く」
「どうしたの?」
「いいから」
「わかったから、ちょっとまって」
珍しく真剣な俺に
母親は驚きながらも
対応してくれた
「ほら、莉菜ちゃんのお墓よ」
今まで避けてきた場所に
とうとう足を運んだ
もう、逃げない
「莉菜、おまたせ」
彼女にそう声をかける
すると
「遅いよ」
と、彼女が笑った気がした__。
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おはようやで~!! この話いつかいたん?! でも話かくのめっちゃうまいやん!!
おはようやで~!! この話いつかいたん?! でも話かくのめっちゃうまいやん!!