空白の図書館に"終わり"があるとするならば

If作品～ピリオドを打つとするのならば～

- - - - - - - - - - - - - - - - - –✄–

カチコチ……カチコチ……(時計音

かつては賑やかだったここーー

空白の図書館。

俺は今、管理人席に座っている。

俺は管理人の伯野栞乃。

未だにあの代の皆を忘れられないでいつも座っている。

もう、殆どの皆……帰ってこないのに、帰って来れないのに。

新規客は用が済んだ…つまり本の修繕が全て終わったから現実世界に帰した。

“別れたくない”という思いを殺して。

柚奈あたりもそんな事言っていたっけ？

アイツらには未来があるとか…柄にも無いこと言った記憶がある。

他の奴ら？……寿命。生きている者に与えられている物。もしくはーーー

ガチャッ…(扉開音

📕  あ……

⚙️  栞乃、またそこに居たんですか？

この歯車の形の頭が特徴の人…いや、神は…

📕  エクス…、

⚙️  お久し振りですね。栞乃。

……何百年振りなんだけど？？？？

📕  まぁいいや…その辺に座れよ。

⚙️  ありがとうございます。(座

📕  エクス、俺の話…聞いてくれるか？

⚙️  勿論。時間なら…お互いに有り余ってますからね。

…………”時間は有り余っている”この発言で分かった者はそう少なくないのではないか？

2人はーーふたりだけは不老不死。

老いる事も死ぬ事もない。

📕  俺な、アイツらと出会う前もこんな事あったんだろ？

⚙️  そうですね……ｽﾞｽﾞｯ…

📕  どっから出した…

⚙️  栞乃も飲みますか？

エクスの手には抹茶のボトルがあった。

📕  俺はいーや…

⚙️  そうですか……

📕  まぁ、アイツらと別れる前から死にてぇって思ってたんだよ。

⚙️  何故です……？と聞くのがセオリーなのですが、分かるのでいいですよね笑

📕  そーだな。死ねるはずねぇから死を体験してみたかったんだよ。

⚙️  …(少しテイストが違うがまぁいいか)

栞乃の意外な思考が分かって驚いた。

無表情な彼の割に意外と発想が過激だった。

📕  でも、エクスは俺が居なくなったら寂しいか？

⚙️  寂しくならないはず無いでしょう……

あ、そうだった。

エクスも俺と同じで古くからの友人の1人や2人の死は経験してるんだ。

📕  わ、悪い……くだらない事聞いた。

⚙️  くだらない事では無いですよ。

それで栞乃の疑問の答えが見つかるのなら。

エクスはそう言ってまた抹茶のボトルを啜った。

⚙️  でも…叶う事ならばもう失いたくはありませんね……

📕  ……

俺は思わず口を噤んだ。

何も言えなかったし分からなかったから。

⚙️  でも、生があって死があるのはとても美しい事だと思います。

📕  そう……なのか？

エクスの言っている事がよく分からない。

⚙️  今は難しいかもしれませんがいずれ栞乃にも分かる日が来ますよ。

📕  ふーん…

エクスが言うのならそうなんだろう。

⚙️  じゃあ私から1つ質問良いですか？

📕  おう、

話…聞いてもらったしな。

⚙️  何故、栞乃はここ(空白の図書館)から出られないんです？

📕  ……そうだな。もう、隠す理由…ねぇしな。

否、そうではない。この会話は空白の図書館

最後の本 であるのだから。

貴方達読者もいるので2人では無い。

📕  俺、この図書館と一体化 してるんだよ。

⚙️  一体化…というのは？

📕  エクス。分かってんだろ？

驚いた。表情に出ていたか？

…いや、歯車に表情もクソもないだろう…となると同族故のソレか？

……私には元から幾つかの可能性(仮説)を立てていた。陰楽が栞乃に聞いていた質問の回答から。

もしかしたら彼もまた栞乃の図書館から出られない理由を探していたのかもしれない。

⚙️  一体化というのはそのままの意味。

すなわち栞乃は空白の図書館の1パーツに過ぎないのでしょう？

📕  うっわ…専門書の正答かよ…

思わずそんな言葉が出た。

⚙️  褒め言葉と受け取りますね。ふふ、

あれ、？

📕  …っ、(ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ…泣

⚙️  ？！

まさかあの栞乃が泣くなんて…

まぁ、栞乃もこういう時があるんでしょう…

ｻｽｻｽ…( ´ ..)੭⸒⸒）背中撫

ん？撫でられてる…？

📕  俺もエクス程じゃねぇけど長生きしてるんだぞ？流石に子供扱いしすぎだっての…

⚙️  ふふっ…まだ私から見れば栞乃なんて赤子同然ですよ笑

………これだから不老不死は。

‪- - - - - - - - - - - - - - - - - 

こんな感じかな？

シリアスというよりかは暗めね…

ノベル久しぶりだからやばいかも……？