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朝

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1 - 第1話

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2025年06月20日

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 朝の光が優しく差し込むリビング。


 「……んー、そろそろ起きるかぁ」


 桃がゆっくりと体を起こすと、隣の部屋から賑やかな声が聞こえてきた。


 

赤「ころちゃん、パン焦げそうなんだけど!」


青「うわっ、まじ!?僕トースター見てたのに!」


黄「赤、青ちゃん、慌てすぎです。落ち着いてください」


橙「なあなあ、桃ちゃんまだ寝てるんー?」


 桃は小さく笑って、寝癖のついた髪をくしゃっとかき上げる。


 ドアを開けると、案の定、キッチンでは兄弟たちがドタバタしていた。





青「桃くん!おはよー!」


 飛びついてくる元気な青を、桃はしっかりと受け止める。


 「おはよう、青。今日は元気いっぱいだな」


青「いつも元気だけどね!」





赤「パン、焦がした。てか焦がされた……」


 むすっとした顔で言う赤の頭を、桃は軽くぽんぽんとなでた。


 「気にすんなよ。今日はフレンチトーストでも作るか」


赤「ほんと!?桃くんが作るなら、それが一番美味しい!」





橙「はい、桃ちゃんのコーヒー。ちょっと冷まし気味で」


 橙がそっとカップを差し出してくれる。


 「ありがとう、橙。やっぱり橙の気遣いは助かるなぁ」


橙「へへ…桃ちゃんの笑顔のためなら、なんでもやるわ」





紫「……もう少し寝かせても良かったかな?」


 紫は静かにテーブルにつきながら、パソコンを広げていた。


 「いいよ、ちょうど起きようと思ってたし。それに……」


 桃はリビングを見渡す。わいわいと笑い合う弟たちの姿を見て、ほっと息をついた。


 「朝はみんなの声で始まる方が、気持ちいいしな」


 その言葉に、紫もほんの少しだけ口元を緩めた。





黄「桃くん!ほっぺすりすりしていいですか?」


 にこにこしながら桃に抱きついてくる黄。


 「すりすりは寝る前だけって言ったろ~」と苦笑しつつ、桃は黄を抱き寄せる。


 「でも、今日だけ特別ね」


黄「やった、!だいすきです!!」







 こうして今日も、桃の一日は賑やかに始まる。


 彼はただの“普通のお兄ちゃん”だけど、弟たちにとっては、世界でいちばん大切な存在だった。


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