7人の殺し屋

颯「…ってな感じで、俺たちはTueurを結成した

　　んだ。」

有「世の中にいる悪人どもを炙り出すために。」

T「…………。」

優「……え、なんでさっきから黙ってんの？」

蓮「………よく、頑張りましたね。」

T「っ!!」

それは、どんな情けの言葉よりも心に響くものだった。

風「………ぅんっ、よく頑張ったねぇっ…」

風雅に至っては泣いていた。

翔「…なんで、あんたが泣くんだよ。」

風「うぅっ……なんかわかんないけど、泣きたく

　　なってぇ…。」

優「………ははっ、意味わかんない…笑」

蓮「……これからは、何かあったら言ってくださ

　　い。まぁ、無理にとは言いませんけど。」

颯「…………うん。」

有「…俺、藤波さんたちの話も聞きたいん だけ

　　ど？」

優「あ、俺も俺も〜。」

蓮「……………俺たちの話なんて、聞いたところで

　　意味ないですよ。たいしたことないので。」

来「えっ、でも…」

風「そうそう、本当にたいしたことないですよ。

　　さぁさぁ、今日は任務でお疲れでしょうから

　　早めにお休みになってください。柊くんは特

　　にね。」

そう言って、司令官の2人は足早に帰っていった。

有「……なんか、誤魔化された気がする。」

優「わかる…。」

翔「…まぁでも、2人の言う通りだな。明日も早

　　いし。 」

颯「そうだね。来羅も疲れたでしょ。」

来「んー…確かに。」

颯「んじゃ、そういうことで。解散！」

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みなが寝静まった夜

？「………あった！」

彼はとある極秘任務の情報収集をしていた。

そしてついに、ある1つの真実に辿り着いたのである。

？「…っよし、あとはこれを保存してっと…」

その時、彼は気づいていなかった。

自身に、魔の手が迫ってきているということに。

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次の日、Tueurのアジトは朝から大騒ぎだった。

来羅が、アジトから姿を消していたのだ。

翔「くそっ…来羅のやつ、いったいどこ行ったん

　　だよ…。」

颯「藤波さんたちも、朝早くから呼び出してごめ

　　んね。」

風「いえ…それより柊くんの安否確認が優先で

　　す。」

有「おかしいなぁ…来羅はいつも出かける時は俺

　　たちに声掛けてくんだけど…。」

蓮「……あと探していないのは、柊くんはの部屋

　　だけですね。」

翔「…あぁ、それなら今優が…」

優「あぁ!!」

大声がして、2階から優が駆け下りてきた。

有「声デカ……何、なんか見つけたの？」

優「来羅のパソコン見てたんだけど、なんか音声

　　データ？みたいなのがあって…」

翔「ん？それが何だよ。」

優「なんかこれだけロックかかってたから、怪し　　

　　いなって。」

翔「確かに……再生してみるか。」

優「OK！」

翔「OKってお前…そのロック外せんのかよ。」

優「失礼な！俺だってそのくらい……………できな

　　いw」

翔「おい。」

有「はぁ………で、どうすんの？」

蓮「……………貸してください。」

颯「え？」

蓮は優からパソコンを受け取ると、ものの数秒でロックを外した。

翔「…………すげぇ」

優「おぉ、かっこいい。」

蓮「……どうぞ。」

颯「ありがとうございます!」

そう言って、颯は再生ボタンを押した。

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『なぁ、聞いたか？』

『は？何だよ、急に。』

『あれだよ、あれ。例の研究室。』

『………あぁ、あの実験の事か。』

『そうそう。ヤバいよなぁ、能力を持たずに生ま

　れた一般人に能力を与える実験なんて。たくさ

　んの死者が出るんだろ？ 』

『……………そうだな。』

『ん？でも、そんなのどうやってやるんだ？普通

　は出来ないだろ。』

『…能力者から採取したDNAをもとにして薬を作

　ってるんだよ。』

『へぇ…………でも、被検体になる人間もどうかし

　てるよな…。』

『被験体になる人間は、金がなかったり、身寄り

　がなかったり、売られてきたようなやつばかり

　だ。……そいつらだって、なりたくてなったわ

　けじゃないんだろ…。』

『そうなのか………って、なんでお前そんなに詳し　

　いんだよ。』

『……あの実験、今回が初めてじゃないんだ。』

『え、そうなの？』

『過去に3度、同じ実験が行われてるんだ。…そ

　して2度目の実験であることがわかった。』

『あること？』

『………被検体が子どもの場合、ほぼ100％実験が

　成功するんだ。』

『………っえ…』

『それが判明したことで、研究室は子どものみを

　集めて、3度目の実験を行った。』

『………可哀想だな…。』

『……ただ3度目の実験のあと、研究室が半壊する

　事件が起こった。』

『え、なんでそんn…』

『おーい、お前ら何サボってんだ〜。』

『あっ、先輩！』

『すみません。こいつが…』

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音声データは、そこで終わっていた。

優「………ねぇ、これヤバくない…？」

颯「……うん。」

もしこれが本当なら、大変なことになる。

それに、なぜこんなものが来羅のパソコンの中にあったのか。

様々な疑問と不安が過ぎり、全員が静まり返っていた。

ガタッ！

その時、突然蓮が立ち上がった。

風雅も険しい顔をしている。

有「…………2人とも…？」

蓮「まずい…！柊くんの居場所がわかった。」

ダッ！

そう言って、蓮はものすごい勢いでアジトを出て行った。

翔「っえ!?あ、おい!!」

風雅もそのあとを追おうとアジトを出て行こうとした。

颯「ちょっと待ってッ!!」

風「……………なんですか。」

有「なんですかじゃないよ！どういうこと？藤波

　　さんは来羅の居場所がわかったの!?」

風「…はい。俺もわかりました。」

翔「…っどこにいるんだ？俺たちも行くから…」

風「だめです。危険ですから、みなさんはここで

　　待機していてください。」

優「はぁっ!?なんでだよ！」

風「……みなさん、昨日の任務で体力を消耗しき

　　っています。今のみなさんが行っても、柊く

　　んどころか、全員が無事で帰って来る保証は

　　ありません。俺たち2人が行った方がみなさ

　　んも安全ですし、柊くんの無事も保証できま

　　す。」

有「…………っ…」

優「…っそれは……そうだけど…！」

颯「………危ない危ないって…それは来羅だって同

　　じでしょ!?むしろ、俺たちよりも危険な目に

　　あってる！」

翔「…そうだ。俺たちだけ安全な場所にいること

　　なんて出来ない。」

優「来羅は俺たちにとって家族同然なんだよ！」

有「俺たちが助けに行かなくてどうするのさ。」

風「!!………はぁ、だってよ？蓮、どうすんの。」

そう言って、風雅は自分のスマホを取り出した。

スマホは通話画面になっており、蓮と電話がつながっていた。

蓮『…………みなさん、本当に行くんですか？俺た

　　ちだけで行ってもいいんですけど。』

颯「何言ってんの。行くに決まってんじゃん。」

翔「俺たちが今までどれだけ危険な目にあってる

　　と思ってんだ？」

有「今更って感じ。」

優「昨日の疲れなんて、来羅のためならどうって

　　ことないしね。」

颯「それに…絶対見捨てたりなんかしたくい。」

蓮『!!………分かりました。急いでください。もう

　　時間がありません。場所は風雅がわかります

　　から。』

そう言って、蓮は通話を切った。

風「………じゃあ、行きますよ。」

T「了解っ!!」