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バラの匂いに誘われて学園通りを歩いていくと
カフェ「ローズガーデン」にたどり着く
そこには店長であるシモンを始め、パティシエのシエル、
ドリンク担当のレイ、ホール担当のランスとジャック
そしてアンナの6人が仲良くお客様であるあなたをおもてなししてくれる
カフェにはそんな彼らとの一時を楽しむために通うお客さんや近くの学園、ロージーナ大学の学生がよく訪れるという
これはそのローズガーデンの従業員アンナのお話
「いらっしゃいローズガーデンへようこそ」
ローズガーデンに入ると淡いピンク色のブラウスにバラの描かれたロングスカートに身を包んだ小柄の女性に案内される
それがアンナだ
お客さん達にはアンナさんと親しまれ笑顔がとても素敵な女性だ
「アンナケーキセットできたぞ」
シエルが言うと「はーい今行きます」と颯爽と取りに行き
注文したお客さんのところに持っていく
他にも料理が用意されるとアンナは
同じくホールのランスとジャックを呼び指示を出していく
「ランス、ジャック、これお願い」
「はいよーアンナ」
「わかった」
2人が動くとその席からは黄色い声援が飛ぶ
それもそのはずこの2人はペアでなおかつ見た目がとてもいいのでカフェ内でも人気だ
「精が出るねアンナくん」
「シモンさん、ありがとうございます…ただあの二人」
「人気だからね……ランスはノリノリだからいいけど、ジャックくんはあまり嬉しくないみたいだ」
「慣れないだけみたいですけど」
そう話しているとシエルとレイからそれぞれケーキとドリンクが出来たと呼ばれアンナはそちらに向かう
少しお客さんが減り閉店時間が近づく頃お決まりでやってくる学生が2人いる
セナとリエルだ
「あら今日も来たの2人とも」
「アンナさん!」
「だってここ好きなんだもん!それよりねぇねぇアンナさんあの噂本当?」
どうやらなにか変な噂を聞き付け確認に来たらしい
アンナはめんどくさいなぁと思いつつお客さんももうこの2人だけだから仕方ないと二人の隣に座った
「噂ってなんの事かしら?」
「ここにいる男性の方々の名前がどうやら薔薇と関係してるとか!」
「あぁそれね…半分あたりで半分ハズレ」
アンナがそう答えるとランスとジャックもやってきて答えた
「俺とジャックは違うぞ」
「あぁ違うな」
そう、この2人は違う
この2人は名前のせいかよくランスジャックコンビと呼ばれている
言い出したのはアンナなのだが
見た目もある意味正反対でイメージカラーもまた正反対
ランスは明るいツンツン茶髪で高身長で少し口の悪いどこにでもいるチャラいイケメンでイメージカラーが赤
それに対しジャックはサラサラヘアな黒髪で好青年、少し抜けているところもあるがいわゆる優等生タイプのイメージカラーが青なのだ
「確かにランスジャックコンビは違うか」
「てことはシモンさんとシエルさんとレイさんは」
「そうね、本人たちからはそう聞いてる、ですよね先輩方」
「あぁ、俺たち3人はそうだそれぞれの親がバラが好きだったらしくてな」
「うんうん、俺はそれすごく気に入ってるよ」
シエルとレイが答えたので学生二人は目を輝かせて
いいな〜と感嘆していた
「本当にあなた達ここに何しに来てるのよ」
「え?アンナさん達とおしゃべりしに来てます」
「だってアンナさんたち優しいんだもん」
「そういうけどねぇ……」
呆れつつアンナが聞いているとランスはアンナの隣に座り頬杖をついて
「まぁここでの会話結構俺は息抜きとして楽しんでるけどなぁ」と呑気にこたえた
「ランス仕事中だけど?」
「そう言うなって」
「おいランス、仕事中だぞ」
「うるせぇ優等生」
「なんだと!」
どうやら喧嘩が勃発…アンナは呆れてしまった
「はいはいそこで喧嘩しない、すぐこうなんだから…」
「でた〜ランスジャックコンビの喧嘩〜」
「あなたたちも面白がらないの、さ、そろそろ閉店よまた明日」
「はーい」
「レイさん何か言いました?」
「なんでもないよ?でもそう言うとアンナちゃんの見た目も人気なんだよね、美人て訳では無いけど……アンナちゃんは可愛らしいし、その明るい笑顔は誰にも真似出来ないからね」
「そうやって話を逸らしてもなんか言ったのは聞こえてますからね?」
「うーん、ごめんね?」
「おい、レイそう言ってるけど笑いこらえられてないぞ、そしてあまり虐めてやるな」
「え〜」
シエルに窘められレイは静かになった
「さて、と、さあさあ閉店の準備」
2人を帰して掃除を始めるアンナ
するとランスが「掃除だりー」とアンナの頭の上に自分の頭を置いてサボりはじめた
「掃除しなさいランス」
「え〜、やだ」
「まったく、そういうところ昔から変わらないんだから」
「ランス離れてやれアンナ重そうだぞ?」
「ちっ、優等生くんは黙ってろっての」
「んだと! 」
「はいはい、2人とも掃除」
呆れつつ掃除を続けるアンナ
こういうのがここの日常だ
さて、アンナの誕生日の日
その日はカフェは貸切限られた人達しか入れないのだ
「さてアンナくん誕生日おめでとう」
「うんうん、それより2人とも〜課題はクリアできたかな?」
レイがニコニコとランスジャックコンビをいじる
2人とも照れくさそうにアンナに渡すわけだが
ランスは赤いリボンのくまのぬいぐるみに持たせた腕時計
ジャックは飼い猫用の黒いリボンのチョーカーとそれと対になるデザインのチョーカーだ
「これはなかなかの戦いか?」
「うんうん、それでアンナちゃん答えは?」
「そうですね」
アンナが答えたのは─────