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あの後お姉ちゃん達と別れて僕達は暗い倉庫にいた
敦「……本当にここに現れるんですか?」
太宰「本当だよ」
『【心配いらない
虎が現れても僕達の敵じゃない
武装探偵社の一遇だから】』
敦「はは,凄いですね自信のある人は
僕なんか孤児院でもずっと駄目な奴って言われてて
そのうえ今日の寝床も明日の食い扶持も知れない身で
こんな奴どこで野垂れ死んだって
いや,いっそ喰われて死んだほうが」
甲高い音が響く
これは僕が敦君を打った音だ
『ふ…ざけな…いで…!
貴方は…生きてて…良いのに…!
そんな…悲しい事…云わな…いで…』
久しぶりに声を出した
太宰さんも驚いている
そう云えば初めて太宰さんの前で喋ったかもしれない
敦さんは泣いていた
そ,そんなに?
でもお姉ちゃんに云われた方が好かったよね…
ごめんね,僕がこんな事云って…
太宰さんの方を見ると月を見ていた
太宰「さて…そろそろかな」
その時ガタンと何かの音がする
敦「今……そこで物音が!」
太宰「そうだね」
敦「きっと奴ですよ太宰さん!」
『【風で何か落ちただけだよ】』
敦「ひ,人食い虎だ僕を喰いに来たんだ」
太宰「座りたまえよ敦君
虎はあんな処からは来ない」
敦「ど,どうして分かるんです!」
だって可笑しいところだらけだよ?
『【よく考えてみてよ
経営が傾いたからって養護施設が児童を追放する?大昔の農村なら兎も角だけど】』
太宰「いや,そもそも経営が傾いたんなら一人二人追放したところでどうにもならない
半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ」
敦「太宰さん,冬美ちゃん何を云って__」
敦さんは月を見て動かなくなる
『【貴方が街に来たのは2週間前
虎 が街に現れ始めたのも2週間前
鶴見川べりにいたのが4日前
同じ場所で虎が目撃されたのも4日前】』
敦さんは人ならざるものに変わっていく
太宰「冬美ちゃんが云っていてだろう
武装探偵社は異能の力を持つ輩の寄り合いだと
巷間には知られてないけどこの世には異能の者が少なからず居る
その力で成功する者もいれば力を制御できず身を滅ぼす者もいる」
『【大方施設の人は虎の正体を知ってた
けど貴方には教えてなかったんでしょうね
貴方だけか解っていなかったの】』
敦さんは完全に人の姿では無くなった
太宰「君も異能の者だ
現身(うつしみ)に飢獣を卸す月下の能力者」
虎は僕に襲い掛かった
『!
異能力__呪いの言葉
{吹っ飛べ!!!!!!}』
虎に向かって異能を使う
虎は壁に向かって吹っ飛んだ
虎は唸ってやがて動かなくなる
太宰さんは其の侭虎に触る
すると虎は敦さんに戻った
国木田「おい太宰!」
遥華「冬美,大丈夫?」
その時ようやくお姉ちゃん達が来た
『【虎は捕まえました】』
国木田「!その小僧……」
遥華「矢っ張り…」
流石お姉ちゃん!
分かってたんだね!
『【変身してる間の記憶はないみたい】』
国木田「全く__次から事前に説明しろ
肝が冷えたぞ
非番の奴らまで駆り出す始末だ
皆に酒でも奢れ」
や,あのメンバーでお酒はヤバいよ…
与謝野「なンだ怪我人はなしかい?
つまらないねェ」
与謝野晶子__異能名「君死給勿」
乱歩「はっはっは
中々できるようになったじゃないか太宰
まあ僕には及ばないけどね!」
江戸川乱歩__異能名「超推理」
賢治「でもそのヒトどうするんです?
自覚はなかったわけでしょ?」
宮沢賢治__異能名「雨ニモマケズ」
国木田「どうする太宰?一応区の災害指定猛獣だぞ」
国木田独歩__異能名「独歩吟客」
遥華「何となく予想はつきますけど」
如月遥華__異能名「世界の白紙」
太宰「うふふ
実はもう決めてある」
太宰治__異能名「人間失格」
太宰「うちの社員にする」
これが事の始まり怪奇
ひしめくこの街で変人揃いの探偵社でこれより始まる怪奇譚
これが先触れ前兆し__
中島敦__異能名「月下獣」
『クスクス』
如月冬美__異能名「呪いの言葉」