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__永遠なる16歳の記憶 (2)

誕生日配信が終わり、彼は消したパソコンの画面を見つめていた。


「俺は、剣持刀也だよな。」


「初めての16歳の誕生日、」


「【初めて】?」


「誕生日なんて初めてに決まってるのに。」




彼は思考を巡らせ頭を抱えた。






「ん……痛、」


気づけばカーテンの隙間から朝日が入り込んでいた。


彼は昨夜あのまま寝てしまった様で首から腰にかけて痛めたようだった。



「やば…今日収録だった、」



急いで支度を整え事務所へ向かう。


その途中で普段は居ないはずの人に会った。



「あれ、社長?!おはようございます。 どうしたんですか?」


「実は昨日の剣持さんが気になって、体調大丈夫ですか?」


「あぁ、なんか頭痛がして…笑」


「もう大丈夫ですよ」


「それなら良かったです。私の車で一緒に行きましょう」


「え!ありがとうございます〜!笑」


ラッキーという心情が丸見えな彼を見て加賀美は微笑みつつ、彼の様子を伺っていた。否、監視していたように見えた。



「着きましたよ。」


「ほんと助かりましたよ、今日寝坊しちゃって笑」


「えぇ寝坊ですか、それは珍しいですね。」


「〜ーーー!笑ー〜〜。」


2人が話しながら事務所の中へ入れば、スタッフがいつもより忙しなく動いていた。


「今日なんかありましたっけ、?」


「あーー、なんででしょうね。」


「、?」


何かを隠すように言葉を濁す加賀美に不信感を持つも、あまり気にせず部屋に足を進めた。



((何だろう、視線を感じる……))


そう思い周りを見渡すと、ゾッとするような視線が、全てこちらに向けられていた。

こちら、では抽象的かもしれない。

細かく言えば、加賀美の隣にいる剣持を見ていた。


「えッ、」


思わず加賀美の腕を掴みつつ、下から加賀美を見上げた。


「嫌……」


見上げたそこにいたのはスタッフと同じ目をした加賀美だった。


「社長………?」


「なんなんですか…みんなして、」


「別に…なんでもないですよ。」


少しの間を置いて加賀美が答えた。


「ほら、早く行きましょ」


彼は剣持の手を取り、ろふまお部屋まで半強制に連れて行く。


「やはり、彼はもう居ないんですね…」と呟いて。






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