事務所に黒い封筒が届いた。
たくさん、黒い封筒なら来ている。
だが、その封筒には「榊 由真」と名前がある。「由真」だ。
中には椅子に縛り付けられた阿部の写真。手紙もある。
目黒と結婚したい。
そしたら阿部は帰すと。
事務所も、グループも唸ってしまう。
要求はのめない。
だが、それでは阿部が戻って来ない。
警察は、「榊」の名前から家を捜索し始めた。
榊家の洋館は全部で3つ。
「榊 恭二」という人物の持ち物だ。
そのどこかに阿部がいる。
「榊 恭二」も低身長症だ。
およそ、1メートル20センチくらいだろう。
父親は知らなかった。
娘のしたことを。
洋館の写真を見せて、場所を聞く。
警察が向かう。
阿部は無事だといいが。
目黒は、自分が何も出来ないから悔しい。
警察が向かった洋館には誰もいなかった。
場所を移動したのだろうか?
まだ2つある。
警察は二手に分かれて捜索し始めた。
その頃、阿部と由真はホテルにいた。
由真はスィートルーム。
阿部はセミスィートルームだった。
部屋なんかどうでもいい。
暑苦しい大男を何とかしてほしい阿部だった。
部屋には阿部の他に大男が2人いる。そんなに広くないのに鬱陶しい。
由真がやって来た。
阿部の携帯を差し出し、目黒に来るよう電話しろと言う。
阿部は断る。次の瞬間、頬に鋭い痛みが走る。
手をやると、血が付いていた。
由真は、カッターを持っていた。
由真ー電話するまで、何度でも切るわよ。
阿部ー目黒を呼んでどうするつもり?
由真ー最初はお茶でも飲んでお話しようかしら。
阿部ーそれで、俺は帰してもらえるの?
由真ーめめが連絡先を教えてくれて、次に会う約束してくれるならね。
阿部ー・・。
由真ー口約束だけじゃ信用できないから、あなたの家をうちの者に見張らせる。おかしなことしたら、もう一度あなたには家に来てもらう。
阿部ー目黒は約束は破らない。
由真ーじゃあ、デートでもしようかしら。
笑いながら阿部に携帯を渡す。
阿部の頬からは血が流れている。
首を振って断る。
また頬に鋭い痛み。
ジーンズに血が落ちる。
由真ーかけなさい。
阿部ー・・。
由真ー綺麗な顔にまだ傷を作りたい?
阿部は携帯を受け取る。
目黒に電話をかける。
阿部ーあっ、目黒?
目黒ー亮平くん!
阿部ーあのね。
目黒ー無事なの?
阿部ーうん、聞いて。◯◯ホテルに来て。そこのスィートルームで待ってる。
目黒ーホテル?今そこにいるの?
阿部ーうん、目黒に会いたいんだって。
目黒ーすぐ行く。
阿部ーあっ、警察連れて来たらダメだから。
目黒ー分かった。
阿部は電話を切る。
由真が取り上げる。
由真ーお利口さんだったから、傷の手当てしていいわ。
救急箱を持って来てあげる。
阿部ーそりゃどうも。
大男が救急箱を持ってきた。
阿部は2本の傷痕にガーゼを当てテープで止める。
目黒が見たらきっと由真に怒るだろう。
けど、目黒が来る時、阿部は会わせてもらえそうにない。
由真の部屋のチャイムが鳴る。
目黒が来たのだ。
小学生の女の子が出迎えたと思ったが、この人物が犯人だ。
部屋に阿部はいない。
目黒ー阿部は?
由真ー隣の部屋にいるわ。
目黒ー返してもらおうか。
由真ーお茶にしましょう、ケーキもあるわ。
目黒ー阿部を返して・・
由真ー黙りなさい。阿部を返して欲しかったら言うこと聞きなさい。
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