テラーノベル
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#独占欲
#ワンナイトラブ
#溺愛
喫茶店で
ミントティーを飲みながら
帰宅までの時間調整をする
ボーっと宙を仰ぎながら
物思いに耽る
淡い期待を抱いていたリュカとの未来も
不遇から脱却した新しい運命も
儚く散ってしまった
全ては夢にすぎなかった
DNA鑑定検査における
確率の精度は99%以上
揺らぎ様のない科学的根拠を以て
現実は確定してしまった
結局
今までと同様の運命が
リュカと出会う以前の延長線上が
とどのつまり
私の運命なのだと受け入れ
私は
純也と家庭を築くのだろうか?
純也は
きっと今まで同様変わらないだろう
不正取引の処分次第では
むしろ悪化する可能性すらある
私と純也で
子供二人を育てて行けるのだろうか?
目の前は漆黒
未来には不安と絶望しかない
そうなると脳裏に過るのは
——堕胎
人知れず妊娠中絶をして
無かったことにする
私に宿った生命
我が子を犠牲にする?
それでも
リュカは知っている
それを
リュカはどう思うのだろうか?
私のその決断を
リュカはどう感じるのだろうか?
いずれにせよ
リュカとはもう終わり
リュカがどう思うのかなど
考える必要もないのかもしれない
でもそうなれば
リュカとは顔を合わせ辛くなる
会社にも居づらくなる
ただでさえ弱い私が
その心理的な圧迫に耐えられるのだろうか?
そうなると脳裏に過るのは
——転職
リュカと親しくなってしまった手前
今更他人行儀によそよそしくもし辛い
それならばいっその事
転職をしてしまおうか……
新たな職責を得たこのタイミングで?
やっと職場での転機が訪れたのに?
どう転んでも
目の前は漆黒
不安と絶望しかない
それでも時間は迫り来るし
それでも時間の歩みは止まらない
私は
決断しなければならない
鬼が出るか蛇が出るか
いずれにせよ悪い未来しか見えない
そして
その前段階として
此度のDNA鑑定結果を
リュカへ告げなければならない
快く検査に協力してくれたリュカを
無下にするわけにはいかない
少なくともそれまでには
私は
自分の行く末を
決断しなければならない
頃合いを見計らい
喫茶店を出て自宅へと向かう
うな垂れて歩く道中では
空さえも見えない
夕暮れ時の
夕日の見えない
曇り空さえも
***
その日以降は
ただの日常すらも
不安と絶望しかなかった
何事もなく回る世界で
私だけが取り残されたように
私は
一人だけ
色彩無きモノトーンの世界に居る
準備をした甲斐もあったのか
私が半休を取っても業務に支障はきたさず
オフィスもいつも通りの日常を奏でている
伊藤さんは優秀だ
コミュ力だけじゃない
私がこの会社を辞める事になったとしても
彼女なら大丈夫
立派にやって行けるだろう
そんな事を考えてしまう
ヴヴヴ……ヴヴヴ……
スマホに届くライン通知
——リュカからだ
文面では私の体と体調を労わりつつ
その実
DNA鑑定の結果を気にしているのだろう
今まで約束などする事もなく
示し合わせる事もなく
偶然が当たり前のように週末の会社で逢瀬を重ねた
そんなリュカから
週末の誘いがあった
当然
週末には結果が出ているのを解っての事だろう
私は
返信できなかった
何と返せば良いのか
皆目見当もつかなかった
リュカは
いつも直ぐに返信をくれる
私を不安にさせない
そんなリュカには誠実でありたい
その気持ちとは裏腹に
誠実であれない自分がいる
それ以上に
今の状況が苦しい
ピコ♪
伊藤さんからの社内メールの着信
自分にも関する噂話
普段なら興味を引く話題
だが
今は全くそんな気も起きず
死んだような目で
無心でメールを開封する
——購買部の不正疑惑の件、調査終わったみたいですよ!
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