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高3あたりから体重&ニキビが落ち着きを見せてきた松子さん。
大学入学当初は、163cm、50kgという細め体型。ファンデーションとリップを塗った程度ですが、清楚系のメイクを施し、いざ出陣。ここで、人生に3度訪れるというモテ期に初突入するのです。
大学では、入学式から1週間程度は、体育会のマネージャーを募集したり、各種サークルの勧誘が盛んに行われ、お祭り状態になります。手始めにアメフト部とレスリング部のマネージャーに勧誘されましたがどちらも断ると、さすが人気のアメフト部はそれ以上追ってきませんでした。…が、レスリング部にはひと月過ぎても校内で見つかると追いかけ回されていました。
「大学に入ったらテニスサークル‼︎」と決めていた松子さん。いくつかのサークル見学に行き、各サークルから熱心に電話攻撃を受けますが、友人に誘われてサークルCに入りました。
5月には新入生歓迎コンパが開かれ、そこで人生初の飲酒を経験する松子さん。入れ替わり、立ち替わり先輩達が新入生の席を回る中、ずっと隣にいる2つ上の先輩A。二次会に突入しても隣を離れないAから、「実は入ったきた時からずーっと狙ってんねんなぁ。俺と付き合ってくれへん?」と告白を受けます。今までモテた経験が無いため、そんな気配にはさらさら気づいていなかった松子さん。そして、その先輩の親友Yに実は淡い想いを寄せていた松子さんでしたが、そのYから「こいつめっちゃえぇ奴やから、付き合ったってよ〜」と言われ、複雑な心境に。「私が好きなのはYさんなんです‼︎」…とは言えず、ガバガバとお酒を飲んだ結果、ベロンベロンになり、友人に自宅まで連れ帰ってもらったのでした。初飲酒でベロベロの後遺症は当然のごとく翌日訪れ、猛烈な頭痛と嘔気&嘔吐に終日苦しむ松子さんなのでした。
その後も、サークルでAに会うと、さりげなく遊びに誘われますが、下手な理由をつけて断り続ける内に、「どうやら脈無いみたいやな。俺諦めるわ〜」と引き下がってくれました。Aは性格も良くサークル内でも人気者で、松子が想いを寄せるYよりも男前でお金持ち、頭も良くモテていたため、「Aさんを振るなんてもったいない。何様なん?」「ちょっと可愛いだけやん。調子乗ってない?」…と女子から反感を買い始めたのでした。その後も、同級生の男子、1つ年上の先輩から立て続けに告白される松子さんでしたが、男子からモテるのに反比例して女子からは敬遠され始め、少しずつ外されていくのでした。
徐々に女子から誘われなくなり、初の一人暮らしと相まって淋しさMAXの松子さん。淋しさを紛らわせてくれたのは「食」でした。昼前に目が覚め、近所のコンビニで2個入りのケーキを朝食代わりに食べ、夕方になると自転車で近所のスーパーへ行き、豚バラ300gを買ってきて玉ねぎと一緒に炒め、大量の焼肉のタレをかけて白米と共に食べ、夜中に小腹が空きパスタ200gを茹で明太子と絡めて食べる…という炭水化物と油にまみれた生活を毎日過ごしていた松子さん。みるみる体重は増えてゆき、体重が増えると男子からはモテなくなり、それに反比例して女子からのお誘いがまた少しずつ増えるようになりました。お誘いが増えると、突然外食の機会も多くなるわけで、女友達とケーキバイキング、焼肉食べ放題などに勤しむ松子さん。体重は増え続け、4月に50kgだった体重は8月には60kgまで増量。
毎年恒例の家族旅行に行くべく、関西国際空港で家族と待ち合わせた松子さん。両親、妹を見つけて手を振るも、あちらはキョトン。そりゃそうです。目の前にいるのは、見覚えの無い、黒光した(テニスにも打ち込んでいたため)デブなのです。「…松子、日焼けしたね」「お姉ちゃん、太った⁈」…という家族の言葉にもニコニコとご機嫌な松子さん。松子さんの頭の中は、飛行機に乗る前に空港で何を食べるかということでいっぱいなのでした。
ハワイに着いても食欲は衰えることなく、食べて食べて食べまくった松子さん。ホテルの朝食ビュッフェでは、家族から「見てるだけで気持ち悪くなる…」と言われ、隣にいる外人からは「アメージング!」とお褒めの言葉をいただき、2週間の旅行から返ってきた時には、更に体重は増え63kgに至り、初モテ期は瞬く間に終了となったのでした。