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ttのお誕生日話
地雷 閲覧注意
ヒーロー
短編
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tt side
今日の夜のリビングは、やけに静かだった。
壁についている時計が、うるさく聞こえるほど。
もう誕生日になるって言うのに、。
僕はソファに座り、ひとり、冷めかけた紅茶を揺らす。
今日だけは一緒にいたいって思った。
だけどリト君は、昼過ぎに緊急要請で出動した。
tt「ひとりだなんて、もう慣れっこだしな、。」
呟いた声は、思った以上に弱かった。
家を出るまで笑顔はいつも通りだけど、リト君に「帰れないかも」って言われた瞬間、胸がじんと痛んだ。
寂しいなんて言えない。
言ったらリト君を苦しませるだけだ。
だから誤魔化すように笑った。
──はずだった。
でも時間が過ぎていくほど、ひとりでいる部屋が広く感じる。
tt「はぁ、、会いたいな。」
小さな声が落ちて、僕は目を伏せた。
その時。
カチャッ、、
玄関の鍵が、ゆっくりと回った音がした。
tt「っえ?」
振り返る間もなく、誰かがドアを開ける音。
そして──
rt「……テツ。」
tt「ッ、!? リト君、、?どう、してっ、」
任務で帰れないはずの恋人が、ドアの隙間から息を切らして立っていた。
濡れた髪。
汗の浮かぶ額。
長距離走ってきたような乱れた呼吸。
リト君は迷いなく駆け寄り、僕を胸に抱きしめた。
強く。
痛いほどに。
tt「っリト君、?、くるしっぃ、、」
耳元で、息が切れて震えた声が落ちる。
rt「俺は離れてても、、任務があったって、テツの誕生日だけは、、傍で祝いたいんだよ。」
その一言で、僕の喉が震えた。
泣かないつもりだったのに。
ひとりはもう慣れたつもりだったのに。
目頭が熱くなって、声がうまく出ない。
tt「な、んで、、帰ってきて、くれたの、?」
rt「お前が寂しいって顔してただろ。」
リトは腕に力を込めた。
rt「テツ口では寂しいって言わないけどさ、顔見たら分かるよ。」
tt「そ、そんなの、、っ、」
rt「言い訳しないよ」
静かな声なのに、心にぐさっと刺さる優しさだった。
僕は堪えきれず、胸元に顔を埋める。
あー、、優しくされると泣きそうになる。
tt「ははっ、リト君の前だと、ほんとにダメだな、、」
rt「いいよ。テツは俺の前でだけ泣けば。」
優しく頭を撫でながら、リト君はそっと囁いた。
rt「誕生日おめでとう。会いたかった。」
時計を見あげると12月1日0時0分
涙がぽたぽたとリト君のシャツを濡らす。
そんな僕を見てリト君は嬉しそうにその涙を指でぬぐって、額に軽くキスを落とした。
rt「テツの誕生日は、俺が毎年祝うから」
tt「、うん、、ほんと、ありがと、」
抱きしめたまま、離れる気配はない。
離したくない。
離れたくない。
お互い、同じ気持ちだった。
tt「リト君、帰ってきてくれてありがとう。さいこーの誕生日プレゼントだよ、」
rt「ははっ、それは言い過ぎだろ。でも俺テツに会えてよかった。」
今夜のリビングは、もう寂しくなんてなかった。