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走った

宛もなく走った

どこにいる?!

グク

会いたい

今すぐ抱きしめたい

あちこち探したけれど見つからなかった

電話もメールも反応がなかった

『……グク』

その日からグクに会えずにいた



『ヒョンこれ……』

何気なく開けたドアの先に見えたのは

苦しく見たくない姿だった

全身の血の気が引いたのを感じた

そこからどう帰ったのか

誰と話したのか記憶にない…

『…ジミナ…嘘だよね…ぅぅぅ』

何も言える立場じゃない

泣く資格もない

だって自分から手を離したんだ

諦められないくせに自分から手を離したんだ…

それなのに今でも執着してる

☏トゥルルル

『…?! ジミン…』

怖い…でも声が聞きたい

『……ジミナ…』

携帯の電源をオフにした



『お疲れ様です』

『あれ?今日出社の日だった?』

『いや なんとなくw』

『おぅ グク』

『あ…ヒョン』

今は会いたくないのに…

『ジミンと会った?』

『な、なんでですか?』

『あの日 あいつ思いつめてたからな…』

『…そうですか』

『………………』

『まぁ いいや 見舞いがてら顔みてくるかな』

『見舞い?』

『うん…ジミンこの前 倒れ…』

グクは走り出した

『倒れそうなくらい食い過ぎてたなって…あれ?』



ジミン…ジミン!!

2度も逃げて 勝手に苦しんで…ジミン…

待ってて…もう逃げないから!!

どうか…どうか元気に…



ピンポンピンポン


『なんだ?…はーい』

『はぁはぁ…ヒョン!!』

『ジョングガ?!』

ガチャ

『どうし…』

ガバッ

『ちょっ!!ちょっと何?!下ろしてよ!!』

『なんで起きてるんですか!!寝てなきゃ!!』

『いや、お前が来たからだろ』

『とにかく安静にして…』

ジミンをゆっくりベッドに寝かせた

『いやいや…話が見えないんだけど』

『ヒョン!!…もっと自分を大切にして…』

『お、おう』

『ジミニヒョンにもしもの事があったら僕生きていけないよ…ぅぅぅ』

『……なんで?』

『好きだから…』

『また酔ってるの?』

『違う!!』

『ならふざけてるの?いい加減に…』

『違う!!…違うよジミニヒョン…今度は逃げないから ちゃんと話を聞いてほしい』

『…分かった』

『あの日確かに酔っ払ってた…でもふざけたりした訳じゃない!!…あの時 酔いで意識が朦朧としてた時 ジミニヒョンが目の前にいてくれた…愛おしいって思った そばにいれるなら自分の気持ちなんて隠せれると思ってた…なのに…』

グクの目から涙が零れた

『ジョングガ…ゆっくりで大丈夫だよ』

『…うん 自分の気持ち殺してもヒョンのそばに居たかった そばで笑い合いたかったんだ それだけ愛してたのに…』

涙が溢れて上手く言葉が出ない…

ずっとずっと思っていた気持ちなのに

どうして…やっぱりダメなんだ…

その時 ふと手に温かさを感じた

『…ジミニヒョン?』

『それだけ俺が好きなの?』

『…うん』

『でも俺はヘテロセクシャルだよ?』

『うん…分かってる…僕もだよ…』

『そうなの?…なら…』

沈黙が流れた

分かってる

僕もジミニヒョンも恋愛対象は女性だ

それなのに僕は恋をした

自分でも理解出来なったし受け止めるのに時間がかかった

それでもやっぱり好きな気持ちだけは変わらなかった

だからこの思いは何の間違いもなく

『恋』なんだ

『グク…』

『ん?』

『グクは若い頃からずっと俺らといて…その環境が…その…錯覚させてるんじゃ…』

『違う!!』

『環境とか一時の迷いとかそんなんじゃないよ!!ずっとずっと考え 悩んで…それでも…それでもジミニヒョンが好きで…だから…ぅぅぅ』

『ごめん…』

気まずそうに下を向くジミン

『謝らないで…』

ダメだ…また泣きそう

泣いたらますますジミニヒョンを苦しませる

泣くな…泣くなよ…

『また泣く…ふっ』

『ちがっ!!泣いてない…いや 泣いてるけど…でもジミニヒョンは!!…えっ』

ジミニヒョンの顔はいつもの優しくて温かい笑顔で僕を見てた

『ジミニ…ヒョン?』

そして優しく僕の髪を撫でた

『ごめん…正直 恋愛としての好きはない』

『(ズキッ)…そ、そうだよね…』

『でもグクを特別な人ってことに変わりはないよ 俺は雰囲気や環境で恋はしたくないんだ』

『…分かってる…ジミニヒョン真面目だもんね…』

『真面目じゃねーよ』

『イテッ…だって…』

『だからそんなんじゃないって思わせるくらいかかってこいよ』

『…え? それって』

『正真正銘 これは恋だって言わせてみろよw』

『ヒョン…』

『自信ないの?』

『あ、ある!!自信しかない!!……する!!好きって言ってもらえるように頑張る!!』

『期待しないで待ってるwww』

『期待してよー!!』

『あははは』

『…ハッ!!ごめん!!体調悪い時に…どうしよう…』

『あのさ…さっきから何言ってんの?』

『え?だってテヒョイヒョンが…』

『テヒョンが?…別に俺元気だよ?食い過ぎてダウンしてたくらい…あ、お前最後まで聞かずに来たなwww』

『だってジミニヒョンが倒れたって聞いたらいても立ってもいられなくて…』

『まったくお前はwww』




『ジミナ?おーい』

『ん?』

『そろそろ本当に起きなきゃ』

『あれ?また寝ちゃってたんだ』

『ねぇ なんか夢見てた?』

『え?』

『なんか幸せそうに笑ってたからwww』

『マジで?w』

『ん……うん 可愛い子が夢に出てきたからかな』

『えっ…可愛い子?!誰?! ジミニ その子の事気になってるの?』

『んー どうかなー?』

『……えっ…ジミニヒョン 』

あからさまに落ち込みグクが愛おしくてたまらない

落ち込むと昔のようにヒョン呼びをするとこも

自信ないくせに好きという感情を隠せないとこも今は心から好きだ

『これが恋ってやつか』

『え?』

『ううん さぁ起きるか』

『待って!!…その…僕の事好き?』

『……』

『や、やめてよ その間が怖いじゃん…』

チュッ

『好きにさせといてまだ自信もてないのかよw』

『ジミニ…もう1回してー♡』

『調子にのるな!!』

『えー ねーもう2回…』

『何増やしてんだよwww』



END

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