嘘つき

irxs様のnmnmです

ご本人様とは一切関係ございません

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🐤(⚀)先天的女体化

桃赤×花火大会

片思いは♀→♂より、♂→♀の方が栄養価高いですよね😑😑😑

あと桃赤さいこー🍣🐤

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＿ Nai side ＿

盆提灯は赤色に淡く夜を照らす。

隣の彼女も、明かりに照らされ高い鼻がより強調されていた。

隣に並んで歩く彼女は決して手すら繋げない関係で、他愛ない雑談は腐るほど思いつくのに君と手を繋ぐ理由だけはどんなに考えても見つからなかった。

｢ねぇないくん花火あと15分後だって混むと思うから早く場所確保しよ｣

｢だね｣

俺から誘った花火大会

当然の様に｢他メンだれ行くの？｣とか、言われた時は流石に心が折れそうだった。

俺と二人きりという選択肢ははなからりうらにはないと痛感させられたから。

｢土手は真っ暗だね。りうら足元気をつけて｣

｢うん。これだけ暗いと花火がよく映えそう｣

他メンには無理を言って断ってもらい、何とか2人きりで花火大会に行く事が出来た。

かと言って、これといった進展はない。

自分の不甲斐なさに肩が落ちる…。

少し早く来れたお陰でまぁまぁいい位置を確保出来た。

持参したレジャーシートを引いて、重りも乗せたらこれで場所取り完了だ。

｢花火大会まで時間あるし、なにか食べ物とか買っておこっか｣

｢あー……うんだね、そうしよ｣

歯切れの悪い回答に違和感を覚える 。

なにか不都合でもあるのかと、りうらをいつも以上に注目して見ていると、少しりうらの歩くスピードが遅い。

早く歩き過ぎた？いやでも、俺の歩く速さはいつもりうらと並んで歩く速さと変わらないはずだ。

ハッとしてりうらの足元を見ると、白い靴下で隠れてはいるが、やはり足を引き摺るように歩いていた。

普通は｢カランコロン｣となる下駄が今は｢カラッガガ｣なんて音を出す。

｢りうら足｣

｢え、あー…大丈夫！なんでもないよ！｣

俺は足としか言ってないのに、足の状態の話をしだしたりうら。だいぶ無理してるな。

屋台へ戻る途中だから、一応人混みの少ない道だしレジャーシートからもそんな遠くは無い。

｢りうら足怪我してるでしょ｣

｢ちょっと靴擦れしただけだよ…wオシャレしたくて履いてみたけど、よく見るアニメ展開になっちゃったや…w｣

｢りうら絆創膏は？｣

｢あるよ｣

｢一言声掛けてくれれば良かったのに｣

｢いや、せっかく楽しいムードだったのに怪我したとかテンションだだ下がりじゃん｣

りうららしい理由につい微笑んでしまう。

何笑ってんのと口を尖らせるりうらも可愛い。

｢絆創膏貸して、やってあげるから｣

｢いいよ悪いし｣

｢しゃがんでやるのやりにくいでしょ。浴衣も着てるし｣

少しの説得ですぐ折れてくれ、信頼されてるなと心が満たされた。

りうらは嘘が得意そうに見えて、意外と不器用だ。

そもそもアドリブが苦手なのに、嘘なんてアドリブの塊みたいなものだろう。少し返事がきごちなくなる。

さらに言ってしまえば、りうらが好きな俺にとって、りうらの嘘を見抜くのは造作もない。存外分かりやすいのだ。

｢ん、出来たよ｣

｢ありがとう｣

｢もう自分で歩ける？｣

｢…ちょっと屋台回るのは厳しいかも｣

｢レジャーシートまでは？｣

｢戻るの？｣

首を傾げて、丸い目を更に丸くするりうらに、｢無理は禁物｣とりうらの綺麗なおデコにデコピンをお見舞いした。

俺はりうらをおんぶしてレジャーシートまで戻った。

途中重くない？なんて心配そうな声で聞いてきたが、逆に食べているのかと質問返ししたら、少し笑ってくれた。

｢時間過ぎるの早いね。花火もうすぐだって｣

俺の顔を覗き込むように、伝えるりうら。

目線を合わせるために少し下を見ると、りうらの顔と共にチラリと谷間が見えた。

りうらは胸が大きい訳では無いけど、ない訳でもない。

男としてのメンタルにくるが、そこは気合で正気を保った。

｢りうら少し襟元崩れてるよ｣

｢あ、ほんとだ｣

手直ししているりうらを無言で見つめる。光がないとはいえ、全く見えない訳でもない。

整ったEラインの横顔に長いまつ毛は見るものを引き寄せる魅力が詰まっていた。

きっと伝えるなら今だ。

俺は深呼吸をして、りうらと呼びかける。

｢ん？｣

案の定こちらを純粋な視線で射抜いてきた。

喉が震える

呼吸が浅くて

何とか平常心を保つために手のひらに爪を立てて握り拳を作る。

｢りうら、好きだよ｣

りうらは黙ったままだった。

目線は少し下がり、居た堪れないといった様子だ。

うん。知ってたよ。りうらがどう反応するかなんて。

｢…りうらもスキだよ｣

そうほほ笑みかけるりうら。

『好き』と言った言葉は、隠すのが苦手な彼女が俺に着いた優しい嘘

俺は涙が一筋垂れた

エピソード:【嘘つき】

𝐹𝑖𝑛.