テラーノベル
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深夜零時。
時計のカチカチと動く秒針の音だけが、静かに聞こえる。
sn)……。
僕たちがこれからする事とは、
まるで似つかないその綺麗すぎるホテルのベッドで。
1人膝を抱えて、
これからくる地獄の時間をひたすら待つ。
地獄の時間。
といっても、もうとっくに慣れてしまった。
何度も何度もこの時間を繰り返すうちに、
僕はもう何も感じなくなってしまっている。
…はは。
これでアイドルだなんて、笑っちゃうよね。
自分で自分に笑みをこぼせば。
ij)あー……疲れた
ルームキーを解除する音に、
ムスクの香水とタバコの香りが混じった匂いが鼻を掠める。
sn)……イジュニヒョン
ij )仕事、お疲れ様です
sn )…タバコ吸ってくるわ
入ってきた時のその表情で、なんとなく。
今日はきっと、機嫌が悪い人だろうって。
じゃぁ…たぶん、今日の夜は長くなる
sn )……ヒョン
sn )ここ…このホテル、禁煙ですよ
僕が言えば、ヒョンは小さく舌打ちをして
僕がいるベッドへ向かってきて。
ドンッッ
別に抵抗なんてしないのに
僕の身体は無理矢理、ベッドに押し倒される。
sn ) っ…
ij ) いい?シャワーしてないけど
sn ) うん。いい、よ
やだって言ったら、どうせキレるくせに。
パク・イジュン。
僕達を担当する音楽プロデューサー。
若くして音楽の才能だけはある
コイツと出会ったのは約半年前の事。
おかしい、とは思っていた。
最初から。
やたら僕に話しかけてくるし、
やたらと飲みに誘ってくる。
でも…僕らのプロデューサーだから。
単に僕を気に入ってくれてるだけだと。
そう自分に信じ込ませて、
誘われたバーへ行ったその夜。
飲み物に変な薬を入れられて、僕はコイツに。
無理矢理、抱かれた。
それから定期的に僕の元に連絡がきて、
ホテルに呼び出される。
無理矢理強いられる、性行為。
抵抗したくてもできない。
僕がコイツに逆らえば、
メンバーの個人情報を週刊誌に売ると脅されているから。
sn ) っ…んぅ……はぁっ…
タバコの匂いがするそのキスに応えて、
大嫌いなその身体に触れて。
そうやってひたすら、この時間に耐える。
ij ) やっぱ可愛いな、お前
ij ) そこらの女より、よっぽど唆るわ。お前の方が
なんだよ、それ。
早く僕に飽きろ、僕を嫌いになれって願えば願うほど。
ホテルに呼ばれる回数は、どんどん増えて行って。
僕の身体がおかしくなるくらいに抱かれて。
でもひたすら耐えるしかない。
これはメンバーのため。enhypenのため。自分の、ため。
そう自分に言い聞かせて。
これからもきっと…地獄の日々は、続く。
「 秘密の玩具 」start…
コメント
1件
読了しました。冒頭の「もうとっくに慣れてしまった」という一文に、もう何も感じないふりをしている心の痛みが詰まっていて、胸が締めつけられました。「早く飽きろ、僕を嫌いになれ」と願うのに裏返るように呼ばれる回数が増えていく理不尽さ……。メンバーのため、と自分に言い聞かせるしかない夜が続くのだと思うと、ただただ切ないです。続きが気になります。
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