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帰り道
四
そのとき、突然ポツポツと雨が降ってきたかと思うと、あっという間にどしゃ降りの夕立になった。
「うわっ、大雨だ! 走ろう!」
ぼくたちは夢中で走り、近くの大きな木の下に飛び込んだ。
服も髪もびしょ濡れだ。ぼくが「参ったなあ」とおどけて見せると、律が黙ってランドセルをごそごそ探り始めた。
取り出したのは、小さな折りたたみ傘だった。
「あ、律、傘持ってたんだ!」
律は開いた傘をぼくの方に差し出して、「周、入れよ」と言ってくれた。
小さな傘に二人で入ると、肩がぴったりと触れ合った。
雨の音がザァザァと響くなか、律がぽつりとつぶやいた。
「……さっきは、ごめん。掃除のとき、何も言えなくて」
ぼくは驚いて、律の顔を見た。
律は、ぼくが怒っているんじゃないかと心配していたのだ。
自分が謝らなきゃいけないと思っていたのに、律の方が先に僕を気遣ってくれていたなんて。
ぼくはあまりのおか me しさに、思わず大声で笑ってしまった。
「なんだよそれ! ぼく、そんなこと全然気にしてないよ!」
雨は相変わらず強く降っていたけれど、ひとつの傘の下で肩を並べて歩く帰り道は、なんだかとても誇らしくて、あたたかかった。
ぼくたちは顔を見合わせて、小さく笑い合った。
帰り道 終わり
コメント
1件
第85話読み終わったよ〜〜!😭💕✨ 「帰り道」、めっちゃエモかった…!!雨の夕立に二人で小さな傘に入るって、それだけで青春の特権みたいなシチュエーションじゃない?しかも律くん、ちゃんと謝ってきてくれて…周くんが笑い飛ばすところも含めて、二人の距離が縮まった感じがして胸がじんわりしたよ🥺 雨の音と肩の触れ合いと小さな笑い合い…この空気感、めっちゃ好き。ライオンさんの書く空気って、いつも優しくてあたたかいね…!!次のエピソードも楽しみにしてる⋆♡
霜月リラ@瑠璃ノ月第4夜
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naf
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