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いっそ、死にたい。いやそれこそ逃げてるだけか?でも、死ねば現実なんて僕にはなくなるし、死ねば現実逃避なんて関係ないのか?
あいつは部活をしているだろうか。
あいつは吹奏楽部だ。パーカッション。打楽器だ。
あいつは…春道 翼は、僕にとって初めての(唯一の、でいいかもしれない)女友達だ。
翼は気が強くて、よく怒る。でも、ホントは優しいやつだ。知っている。翼がとても優しいこと。
「翼…みたいになれたらなぁ」
僕は学校が嫌いなわけではない。
僕は友達だってちゃんといた。学校に行きたくないわけでもない。
学校の人たちは、多分、今僕が行っても明るく接してくれる。
でも、それでも行かないのは。顔の大きなアザと、何度でも頭で響いている、「あんたなんか生まなかったら」って、そんな言葉だ。
アザは父に何度も殴られて、できたもの。多分、小学校1年生くらいの時。
それから学校で嫌われるかと思ったが、性格が明るかったから何とかできた。
でも、その言葉には耐えられなかった。
ある日、父がでていった。母はすぐに再婚をしたいと言って、出会いを求めていた。
でも、僕がいる。醜いアザの、子どもがいる。
母はなかなか再婚できなかった。そのうち、麻薬もするようになった。
「あんたなんか生まなかったら。」
「死んでよ。母さんのために。」
聞き飽きた。
何回も泣きながら、言う。
僕は始めにそういわれた時は確か12歳だったはずだ。その時は泣いた。
それ以降は泣くまでもなかった。
それからも、何回も繰り返して、その言葉を聞いた。
そして今なのだ。4年間は、学校でも耐えようとした。たまに耐えられなくなって部屋からでられないとき、僕は休んだけど。
とにかく、高一まではちゃんと、過ごしていた。
全うに。
高二で、母親が逮捕された。
麻薬のせい。母親の醜い姿に、吐き気が止まらなかった。僕も警察にいろいろ聞かれた。僕は知らないと言った。アザについて聞かれたときは、生まれつきです、と返した。