枢軸のリョナ
日帝攻め、ナチイタ受け
1945年9月〜の時間軸
attention この話には、重度のグロ表現が含まれております。
苦手な方はブラウザバックを推奨します。
この作品はこの世のものと一切関係はなく、反社会的思想の擁護や肯定、特定の国を侮辱する意図はありません。
ふと目が覚める。体が冷や水を浴びたような衝撃を覚え、表情が強張るのを感じた。
体を捻ってみると、ギシギシと音を出したのちに、また体に衝撃が加わる。
……なるほど、椅子に拘束されているのか。
それも、おんぼろの。
お陰様で椅子が倒れて、この壊れた体をさらに壊しに来たのだ。
一体どんな物好きなのだ、敗戦国の化身を拘束するなど。そう思いながら、皮膚から伝わる温度で、ここが地下室だと特定する。
「クソ……いてェなッ、。」
「…ナチ!? ナチスなの!?」
「…………は?」
ふと一言呟くと、それに呼応するかのように反応が返ってきた。声からしてイタリア王国だろう。ただ、声がくぐもって聞こえてくる。はぁ、なんともまぁ酷いメンツだ。
イタリア王国に、ナチスドイツ。そうくると、大日本帝国も拘束されているのだろうか。
まぁあいつはどうでもいい。が、この目隠しはどうにか外したいところだ。
「ナチ、こk、◯$#:○、逃ge、。」
「…? すまない、イタ王、なんて…。」
聞き取れない。何が起きているのだ、さっぱり把握できない。唯一分かるのは、地面から反響してくるイタリア王国の喚き声と叫び声。
言っている内容は聞き取れないが、かなり緊迫した雰囲気を感じる。
「ナチ、起きないで、そのままァッ…!?」
「…イタ王、本当に何を言っているのだ?」
「おや、起きたのか。まぁ冷水をかけたから当然っちゃ当然だが…随分と遅い起床だな、おはよう。」
上から声が聞こえる。この声、あまり印象に残っていない戦友の声。
「日帝………? あぁ良かった、この椅子から私を外してくれ。」
仲間がいることから、安堵のため息を漏らす。
安心した、いくら敗戦国だと言えどもここまでの扱いは国の化身に許されない。まぁ2人が居るなら大丈夫だろう、終わったら部下に連絡を入れて、それから……。
「じゃ、確認からいくぞ。」
「…? あぁ。」
日帝はパンと両手を合わし、清々しく明るい声でそう言った。
「ナチ、違¥nkyoこれ、○く逃##ッ!」
「イタ王、うるさいぞ。またお仕置きが必要か?」
「…………ッ。」
なんだ、一体どうしたのだ。何故イタ王はそんなにも焦っている? そもそも、お仕置きとは何だ?
思考を巡らす。だがしかし、ここには恐らく私たちしか居ないだろう。
……ならば、恐れる必要など無いではないか。日帝も降伏したとはいえ、元々は仲間なわけで。とにかく目隠しを外された後に考えようと思うが、日帝は何の確認をしているのだろう。
私の状態か? まぁ助けるのなら何でもいいだろう、そんなことよりもイタ王が心配だ。
「はい、異常なしだな!イタ王の纏足も!」
「は?」
てんそく…? あの中国のやつか?
「良かった良かった、ゆっくりと足が潰れてきてる。ふふ、包帯を外すのが楽しみだなイタ王。」
「………。」
何だ、日帝は何を言っているのだ。
私の記憶が正しければ、纏足は女がやる、足を小さく矯正するものだったはず。何故それをイタ王がやっている、そもそも、日帝は何をしている。
異常なし。これは私に言っているのだろう。
……つまり、この状況から言い切れるのは、
日帝から逃げなければいけないという事。
「さぁナチス! 敗戦したのだから、私の好きな様にさせてもらうぞ!!」
そんな一言と共に視界が開けた。
「あ”ぁ”ッッ!? あづゥッッッ……いギャッッ!!!」
じゅわぁぁぁ…という音が響く。と同時に、右目にとてつもない熱と激痛が走ってくる。
痛い、痛い痛い痛い!!!!
「ふぅ”、ぁぁぁあ”あ”あ”ッ、!!!」
「おいおい、このくらいはイタ王だって耐えたんだぞ。頑張ってくれ。」
「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ、ダッ、イッ、ッッッ!!!」
「これ、素晴らしいと思わないか?鉄の棒って何にでも使えて便利だよな。」
幸い熱を帯びたモノは一瞬で離れていったため、もう片方の目で日帝を見る。
こいつの右手には湯気が立っている金属の棒が握られていた。
これで右目を潰されたのか……今まで気にも留めていなかった日帝の愛想笑いが、今は恐怖の対象になってしまっている。いや、愛想笑いどころか、戦争中に原住民を虐殺する時のような純粋な笑顔だ。ニコニコと笑う日本人ほど怖いものはないと父が言っていたのを思い出す。
「ふぅ……はぁ、う”……,。」
「意外と余裕あるか?なら次行こうか。いや余裕なくてもやるけど。」
「な、ナチ…。」
目の奥が焼きちぎれる様な感覚に苛まれながら、なんとか抵抗の意を示す。
首を左右に振ることしか出来ないが、されるがままなのは私のプライドが許さないのだ。
「……は? 何してるんだ?」
「……ッッ、お前こそ何をォしているのか分かっているのか!」
「こんなァこと国の化身にするなんンて、国際法違反だ!!!」
「…………はて。」
本気で分からないという顔をしている。なんだこのキチガイは。痛みからか呂律も上手く回らずもどかしい。
「でもダメだぞ、私に逆らうなんて。最初は優しくてしてあげようと思ってたのになぁ、悲しいぞ。」
「……ッ日帝、お願い…やめてあげて…。」
「お前には聞いてないし、口出しする権利なんか無い。口でも縫ってやろうか。」
「…ごめんなさい。」
「は?」
「……申し訳、ありませんでした。」
「………まぁいい、ナチスが壊れてからやってやる、イタ王。」
「そんなとこより、ナチス! 今のは優しい私でも頭に来たぞ! …やはり、もう初めから痛めの拷問を行った方が良いか?」
きらりとした笑顔、純粋無垢な殺意。
この状況では無かったら美しいのにと現実逃避をしながら、日帝の次の言葉を待つ。
「その名も! 腸を壊してひっくり返してみよう!」
ぱちん、という控えめなウインクをこちらへ飛ばしてきた。
「中身は単純、エアガンで腸に穴を開けた後に外から引き摺り出して、大腸と小腸を入れ替えるんだ! 待っててくれ、今ハサミとエアガン、裁縫セットを用意するからな。」
頭を真っ白に洗われたかのような感覚に陥る。
こいつは何を言っているのだ。私がぽかんとしている間に、ガチャガチャと音を鳴らしながらワゴンから道具を取り出す日帝。
何をしたいのだろう、このキチガイは。
ただ恐怖に苛まれ、歯からガチガチという音が鳴り、私の脳内に振動していく。
やめてくれ、先程のモノで満足しただろう。
そう言いたいのに、恐れからか声が出ない。対する日帝は今までに見たこと無いほどの笑みを浮かべ、顔を火照らせている。まるで子供のままごとの様な笑顔。実際に行っているのは地獄の様な拷問だが。
恐怖からの冷や汗が滴り落ちた。
日帝が近づいてくる。
「すまない、あまり切れ味の良いハサミが無くてな。全て寄付してしまったもので。」
黙ってくれ。寄付と言っているが、どうせ戦争中に徴収でもされたのだろう。
「そんな顔するなよ、ナチス。私の興奮を煽るだけだぞ。」
「……日帝、まさかとォは思うが、本気か?」
「先ほどの事で分からないのか、アーリア人は。」
「……。」
すん、と目を細められた。
私がレイシストなのを咎めるかのように。 日本人は特別待遇したというのに恩知らずなやつだ。
しかし、そうも言っていられないほど右目は痛く、今からされることを想像すれば、腹が収縮する感覚を覚える。
あまりにも憂鬱であり、恐ろしい。
「ほら、話している暇は無いんだ。椅子の拘束を解くから、しばらくまた眠っとけ。」
ニヤリと笑いを浮かべ、ゆったりと液体の入った注射器が近づいてきた。
「まっ、待ってぇくれ、なァんだそれは!?」
「ゆっくり意識飛ばそうな〜。」
「おいやめっ!?」
とはいえ抵抗する力も無く、首元から謎の液体が入っていく。
「あぁ”ッッ!? づ、!!!」
「…はは、想像以上の効果だな。」
目の前がチカチカと光り、体が痙攣する。
体全体がカッと焼ける様に熱く、頭がぐるぐるとかき混ぜられた様な痛みに襲われていった。
「ぁ……あ”………。」
まずい、意識が……
「…飛ばしたか。」
「では、さっさと椅子から外さないとな。」
独り言を呟き、拘束しているロープをナチスの手足ごと切る。といっても、流石に今体を無くしてしまうのは面白くないので、 軽く傷つける程度ではあるが。
強力な薬なため、しばらくは絶対にこやつは目覚めない。
多少ゆったりしても良いかもしれない…いや、イタ王でも遊びたい。ならば、やはり早めに終わらせたほうが無難だな。
慎重に、壊れないようにナチスの体を再び拘束していく。今度は実験台のようなベット…ベットと呼べるほどの作りでは無いが、痛みから逃げないようにするには十分であろう。そこにゆっくりと落とし、拘束器具を付ける。
「…わは、美しい。」
感嘆の声が漏れ出るほど、彼は残酷に輝いていた。
あとはこいつが起きるまで遊ぶのみ。
あぁ、イタ王には何をしてあげようか。
くるりと足首を捻り、地面に突っ伏している男の足を蹴る。
「い”ッ……。」
「……つまらん、もっとイイ反応をしろ。」
痛みに唸り悲鳴を上げればいいものの、不必要なプライドからか、口を真一文にするばかり。
「そうそう、プライドといえば…あぁ。頭が熱くなる。」
自語りでもしてやろうと思ったのだが、米帝が頭に浮かびそれを中断する。はぁ。不愉快でだ。
今回に関しては、イタ王は何も悪く無い。だがしかし、実際に私は苛立ちを覚えたので、こいつの責任にしてやろうではないか。
そうだ、私にこんな事を実行させる原因となったのが悪いので、これは正当な行為なのだ。
何をしてやろうか。
行為は沢山出てくるものの、いざ行動に移すとなれば物資的に不可能なものが多い。その中で、頭によぎったもの。
「ムチ打ちでもしようか。」
ぴしゃりと、しかしどろりと泥が落っこちるかのような声色が出たと自覚する。
その証拠に、イタ王は目を恐怖の色に染め、冷や汗が滝のように溢れてしまっている。
これもまた美しい。私のコレクションに収めようと、カメラのシャッターを切る。
パシャリ。
「あぁ、ナチスの写真も撮ってやらないとな。」
6尺ほど先に置いてあるナチスの方に体を向け、再び撮る。
パシャリ。
カメラの音が私には心地よく、いつまでもこの光景を記録しておきたいとすら思ってしまう。しかし、そんなことしている暇はないので、さっさとイタ王の方へ歩みを進めてしまおう。
あぁ、感電でも良かったかもしれないな。次にでも行おうではないか。
左手に鞭を持ち、構える。
対象をしっかりと見定めると同時に、奴の無防備な下半身にしなった鞭を叩き落とした。
「あ”ぁ”ッッ、ッや”ッ!!!!!」
迷う事なく二度目、三度目、四度目と手首をしならす。何度も行っていくにつれて赤みが増す体はとても雅さを醸し出しており、全身に鳥肌が走っていくのを感じた。
「い”ッッッ、がッァッ”、あ”ぁあ”ッッッ!!!」
喉が潰れてしまうのでは無いかと心配するほどに大声を出していく。これではナチスが起きてしまうでは無いか。まぁ別に構わんが。
「イ〜タ〜王〜。降参か? もう? また白旗でも掲げるつもりだな?」
「私はまだまだ飽き足らない。ナチスが起きるまでは、貴様が相手をするのだ。ほら、哀れな猿や。私の目を見なさい。」
地面に突っ伏しているイタ王の顎を無理やり掴み、私は膝を曲げる。すると目線が合い、どろりと私の真っ赤で溶けるような目がこいつの瞳越しに写り、気分が高揚した。
顔に紅色の絵の具を撒いたような頬。全てを飲み込んでしまいそうな瞳。歪な形など一切無い、究極で完璧な美しい私がそこには居た。
はぁ。どこまでいっても、結局は私もゲスなのだろう。だがしかし、そんな私だからこその美しさがあるのだ。
ふむ。先程までは頭に血が昇っていたが、少々落ち着いてきた。今度はにこやかな気分で鞭を振るう。
赤色が打つ度に増え、皮膚がほんの少し膨れる。
「あ”ぁ”………あ”っ、ぁ…、あッ、…。」
ゆったりとだが、やはり反応は薄くなっていく。
「おはよう、ナチス。」
「あ”っ…? にって…? っ、k!@10(m々5○$$#/:!!!」
「何を言っているのかさっぱりだ。」
欧州の奴らは追い詰められると呂律が回らなくなるのか?
気絶したイタ王を踏み台代わりにして、ナチスを見下ろす。
焦らすのは好きでは無いのだ、さっさと腹を見せてもらおう。
慣れたような手つきで服を腹の部分の服を引きちぎる。
「…ほう。案外傷は少ないのだな。」
そこには、きめ細やかな肌があった。
「………っ、なんと憎らしい…。」
先ほどの事で喉が潰れたのだろうか。ナチスは声を発することもなく、ただ体を震わすのみだった。
メスを腹にあて、一気に捌く。
昔に父と魚を捌いた記憶が蘇った。あぁ、こいつの肉も美味いのだろうか…今度イタ王に食べさせてみよう。
「っっっ、あ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”!?!?」
「うるさい。」
相当深く入れたから、もう腸が体を露にしてる。みずみずしく輝く臓器は、今まで見てきたどのモノよりも雅だった 。
戦場で散った体よりも。
自決した死体よりも。
殺し、漁った敵よりも。
血の雨を当てられた、あの日の兄弟よりも。
そう思えるのは、私も堕ちるところまで落ちたからだろうか。
「…あ、ここが大腸か。へぇ、繋ぎ目はこうなっているのだな。」
案外分かりやすい境目を手に置き、すぱりとハサミで切った。耳が壊れるほどの悲鳴に包まれる。
少々気持ち悪いが、これもまた一興。素晴らしいモノだと気持ちを取り直し、肛門と大腸も切り離す。小腸と胃も取れば、腹の中が空っぽになったナチスの完成だ。まぁ、膀胱は残っているのだが。
「おぉ!! これでも生きているとは驚きだ! 生命力の強さだな。」
まるでゴキブリみたいだと嘲笑いながら、腹に糸を通した。
準備完了。まずは大腸と小腸の位置をひっくり返す。また悲鳴。ナチスの悲鳴はイタ王と比べて、とても頭に響く。不愉快だと思いながら縫っていった。
小腸と肛門を。
大腸と胃を。
最後に、大腸と小腸を。
縫い終わり、一仕事を終えた気分に浸りながらナチスをふと見てみた。
「…ふは、酷い顔だな。ずっと叫んでいたのか? すまない、集中していて聞こえなかった。」
涎をだらしなく垂らし、目の焦点はあやふや。
以前のナチスではあり得ない光景に目を凝らす。
この景色も、カメラに残しておかなければ。
パシャリ。
首から下げていたカメラのシャッターをきり、また一つコレクションが増えた。
さてさて、菌が入って本格的に死んでしまっては困るので、さっさと腹を閉じなければ。
今度は紅白の糸で、大雑把に繕う。もしかすると解けてしまうかもしれないが、むしろそちらの方が都合が良い。より長く苦しむようにと工夫を凝らすのは得意なのだ。
もう二度と元に戻らない哀れな腹を見ながら、頭の中によぎった考え。
そういえば、この国はかなり国内もガタついていた。やりすぎるとかえって良くないかもしれない。
国際問題にまで発展してしまっては困るのだ。
……ならば、証拠隠滅をしたら良いのでは?
「合衆国、英国よ。頼みがある。」
日本の戦後処理を親父としてると部屋のドアが開き、日帝が顔を出してきた。
「あぁ”? せっかく地下室貸してやったのに、また頼みかよ。」
「まぁまぁ、別に構いませんよ。昔の吉見ってやつです。」
「すまない、助かる。」
「お前なぁ。自分の立場弁えてんのかよ。」
「これでもシラフだが。」
「別に薬を疑ってるわけでは無いでしょう。」
「酒だ、素直にその思考に至るのは怖ぇよ。」
「酒も薬も、もう入っていない。」
スカしたような態度で日帝は肩をすくめた。
まるで、会話をするのが面倒だとも言うかのように。気に食わねぇ、こちとらお前の…
「単刀直入に言わせて頂く。合衆国。記憶を飛ばす薬を用意してくれ。」
俺の考えを射ぬくような鋭い視線が飛んでくる。これだから、こいつと話すのは止められない。
「別に構わなねぇが、何に使うつもりだ?」
「何、少々トラウマが酷い部下が居てな。そいつに原因を忘れさせてやりたいんだ。」
「ふーん……ま、ほどほどにな。」
「トラウマですか。まぁ哀れなことで。」
「期間は…1週間ほどで頼めるか? 2つだぞ。」
「あぁ、出来次第持っていく。」
「いや、私が取りに行こう。連絡をくれ。」
「Ok. See you later.」
「ありがとう。」
「Good by.」
う〜ん、記憶を無くす薬ねぇ。どんな形状にしようか…と頭を抱えながら製薬のために部屋から出ると、ふと親父の声がまた聞こえた。
あいつも俺と同時に出たのに、一体どう言うことだと聞き耳を立ててみる。
「そして? 私への頼み事は何ですか?」
「あぁ…感情操作の薬も欲しいのだ。これも2つ。」
「Wow.どう言う風の吹き回しでしょうか。」
「……知ってる癖に、白々しい。」
「ははは、いやぁ、貴方も言いますねぇ!」
ん”ん”ー? 一体どういうことだ。
昔っから親父と日帝は秘密主義なところがある。今回もそれかと考え直し、足を早めた。
「おぉ、腐ってるな。実に芸術的だ。」
1週間後。イタリア王国の纒足を確認すると、着々と腐敗している最中だった。
あまりにも魅力的で機能を失った足は、私にはとても美しく写った。
「ほら、ナチスもこちらへ来るといい。よく見てくれ。友人だろう?」
「…?」
「おやおや、可愛らしい。そうだったな、鼓膜破ったから聞こえないのか。」
破ったどころの話では無いが、そこはあえて無視させて頂こう。
「じゃあ耳の状態も確認する必要があるのか。万が一、再生していたら困るしな。」
そう言った瞬間に、やつの耳たぶを引きちぎった。ふむふむ、血はあまり流れないのか。
「あ”ぁ”ッ、っっ、いた”……。」
「中も見させてもらうぞ。おい、そんな嬉し泣きするなよ。」
ふと、イタ王の足に集っているハエが目に止まった。
よくよく見てみれば、足にも卵が植え付けられている。
………………これだ。
「ナチス! 良いことを思いついたぞ! 私に任せてくれ!」
渾身の笑顔をまき散らす。我ながら素晴らしいアイデアだと思う。
ハエを紙コップで捕獲し、卵を台紙の上に移動させる。
それを、ナチスの耳の奥へとくっつけた。
「お”っ、?」
何が起きたか把握していないようだが、別に構わない。本当の地獄を見るのは、卵が孵化してからだから。
紙コップの底をトントンと叩いでやれば、ハエは怖がり耳の中へ侵入する。鼓膜が無い分中へ中へと入っていき、脳を侵食するだろう。
あぁぁ、あぁぁぁあ!
なんて神秘的なんだろう!
「ッッ”!?!? な(l÷*06、へ”ん”\々*8・$€hi!!!!」
「ははは、何言ってるのかさっぱりだな!」
イタ王もそうだったが、欧州の奴らは精神的に追い詰められると呂律が回らなくなるのか?
いや、肉体的にの間違いかもしれないが。
「…そんな惚けた顔するなよ。あぁ汚い。さっさと手を洗ってこなければ」
惚けてない。ただショックと気持ち悪さでだらしない顔を晒しているだけだ。
そんなことが少しも頭を掠らない日帝は、ハエの卵がついた手を洗おうと、イタ王の足をぐしゃりと踏み潰しながらナチスから離れた。
すると。
「はぁ。やはり、と言ったところでしょうか。」
ここには居るはずのない、第三者の声が響いた。
「…ドアを、勝手に開けたのか。英国。」
「簡単に開けられるドアを使用する貴方がいけ
ないのですよ。」
飄々と肩をすかし、イギリスは答える。
「それにしても日帝さん。察してはいましたが、元仲間を痛めつけるのはどうかと。」
「………この光景を見て、頬を赤くしている貴様が言えたことでは無いと思うのだが。」
先ほどまでとは一転して、気持ち悪いものを見るような目でイギリスを睨んだ日帝。
だがしかし、イギリスにとってはどこ吹く風なのだろう。
「可哀想に。とても雅ですね。」
「ほら見たことか。」
結局は同類である。日英同盟ですら、類は友を呼ぶの代表例では無いのかと思うほど彼らの思想はお互いを呼応するかのように似ていた。
「はい、頼まれていた薬ですよ。アメリカの分も奪ってきました。」
「あぁ…助かる。」
「えぇ、そうですよね。なのに、日帝さんったら私のことを邪魔者扱いして…。」
「そんなつもりは毛頭無いが。」
どの口が言うのだろうか、先ほどまでは鋭い目線をよこしていたと言うのに。
まぁ日帝とはこういう奴だと気を取り直し、一言告げるイギリス。
「過剰摂取させてはいけませんよ。精神に異常をきたしますのでね。」
「……ほう。」
「…悪い顔してますよ。私は言いましたからね。」
「すまない。あぁ、忠告感謝するぞ。」
キィ、と重厚感のある扉が音を立ててしまった。
待て、何故入ってきた時にこの音が聞こえなかったのだと日帝の頭に浮かんだが、まぁ英国だもんな。と自己解決したようだ。
とりあえす手を洗おうと、手のひらに置かれた薬を懐に仕舞い込んだ。
だるま状態になったイタ王が目に入る。
手足に血が行き渡らないようにゴムで縛っていると、腐り落ちたのだ。
ホジクリ落とした片方の目ん玉を大事そうに腹の上に乗せ、もう片方の目の焦点はあっていない。ぽっかりと空いている目の窪みへ花を生けてみた。
「おぉ、案外綺麗なものだな。」
「…っ、”lp々#64-よoa〆:*○€、”“”“」
声も小さい。相変わらず聞き取れない。
まるで赤子のようだと笑みを溢し、頭を撫でてやった。
普段よりもこちらの方が美しい。この時間が永遠に続けば良いのにと願ってみるが、悲しいことに、これ以上こいつらを拘束するわけにはいけない。
他国から怪しまれてしまうのだ。
「…もうそろそろお別れだな。悲しいぞ、私は。」
「…………。」
「……?」
反応は皆無に等しいが、ナチスは目を輝かせたように見えた。それは日帝の幻覚か、はたまた現実かは分からないが。どちらにしろ、この空間には異常者となった者しか居ない。
しかし、元の二人に戻ってしまうのは面白く無いと考えた日帝は、悪魔のような思考に至る。
「過剰摂取、精神に異常、あの言い草…むしろ、そうしろと言っているようなものでは?」
思いついたが吉日。
渡された全ての粉薬を、2人の喉奥へ落とした。
「日帝! io,お腹が減ったんよ! ご飯作って〜!」
「おいおい、お前が作れよイタ王。日帝に迷惑かけるな。」
「はは、別に構わんぞ。何が良い?」
「やった〜! えっとね、ピッツァ!」
「拒否」
「私も食べたく無い。」
「は?」
暖炉の前で駄弁っている三人、元枢軸国。
側から見らば、それはただの仲の良い友人に映るだろう。
彼らもそのつもりだ。否、そうなのだ。
気の合う仲間。親友。家族のような存在。
それは、以前まではあり得ない光景だった。
いつからだろうか、三人が親友になったのは。
「日帝、お前は何が良いんだ。私が作ろう。」
「おや、ありがたいな。ふむ…ならば、お前お手製のクーヘンが食べたい。」
「お、いいね。ioもそれが良い!」
「分かった。」
さてさて、逆に言ってしまえば、それは異常なのかもしれない。何故仲良くなったのか。何故、気が合うようになったのか。
『異常をきたす』
これは、友人が古傷に苦しむことに快感を抱く、とある敗北者の話。
むしろ勝者と言うべきかもしれない。
試合に負け勝負に勝った彼は、自分自身の生を楽しむのだろう。
あとがき。
ここまで見ていただき、ありがとうございました。さてさて、私は大晦日に何を書いているのかと思いながら書き上げた所存でございます。
相当端折りましたが、割と満足のいくお話になりました。珍しく私が後書きを書くほどです💪
少し補足をしていきます。流石に分かりにくすぎる部分かいくつかあったのでね。(自己満足の語りとも言う)(地雷あるかもしれないので自衛は各自で)
史実の枢軸関係を参考にしました。というのも、
イタ王 ナチス // 日帝
くらいの距離感なんですよね。それに不満を溜め続けた日帝さんが爆発してリョナする行為に至りました。
最終的にはお薬のおかげで仲良しエンドです。
日帝さんは、自らがつけた傷に苦しむ2人を見るために側にいる…っていう側面も無きにしも非ず。
ナチスとイタリア王国は、日帝のことを死にかけていた自分を助けてくれた恩人と認識しています。これぞお薬パワー。
(途中でエアガンを日帝さんが用意しましたが、尺の都合上カットしました。腹を縫った後に使って、縫い目から血を溢れさせました。)
では、みなさん良いお年を! 来年もよろしくお願いします!
コメント
6件
リョナ好きな私は無事召されました、ありがとうございます死😇😇😇 ドロドロの素晴らしさに再び目覚めましたらぶ
すごい…😇終始日帝が嬉々として心の底から楽しんでる感じが可愛くてリョナ作品初めて読めました😭🙏ただグロいだけじゃなくて、攻め手の高揚とか受け手の絶望感の描写が本当に芸術の域だと思いました…新しい世界を見せてくれてありがとうございました🫠✨️
久々のリョナ摂取ぅ、虫のくだりで何かを思い出したような…すずさんの書くリョナはやっぱり別格