クリスマスの夜、インターホンがなった。
もしかしてなんて淡い期待を持ちながら
もう1度彼に会いたい。やり直したい
そう思いドアを開けると知らない男の子が立っていた。
水「初めてまして。いふにぃの弟のほとけです。これを内緒で持ってきましたッ!」
それはてがみだった。
クリスマスの夜に、元カノからの手紙
手紙の内容に思わず息を呑んだ
まろには寿命があった。
そして、もうこの世にはいない。
俺への謝罪と俺の幸せを願った文字が丁寧な字で書いてあった。
頭が真っ白になった。
水「いふにぃはまだ生きてますッ!」
桃「え…?」
水「いふにぃに会いに行ってやってください!お願いしますッ!」
俺は何も考えずに家を出た。
時刻は22時。もうそろそろクリスマス終わっちゃう。
まろの病室に着いた時にはもう危険な状態だった。
桃「まろっ!」
まろの体から人口的な管が大量に伸びている。
ピンクと青の三つ編みの帽子は俺たちを表しているかのように見えた
桃「どうしてッ!言ってくれなかったの」グス
まろは目を閉じたままでぜーぜーという呼吸音だけが聞こえてくる。
桃「全部、俺のためだったんだよね。気づけなくてごめんね」
青「……」
桃「ずっとずーっと大好きだよ」グス
まろの目がゆっくりと開いた
桃「クリスマス一緒に過ごせたじゃん。約束守ってくれてありが…とう」グス
泣いてしまい上手く言えない。
気づけばまろの目も潤んでいる。
桃「素敵なッ指はありがとッちゃんと受け取ったよ」
手紙と一緒に普通とに指輪が入っていた。
まろが残された貴重な時間を使って、バイトして、買ってくれた指輪がとても美し見えた。
桃「プロポーズの返事今しちゃうねッ一緒に幸せになろッ!まろ」
青「ないッ…こ」
桃「まろっ!俺はここに居るよッ」
青「だい…すきだよ」
桃「俺もッ」グス
青「しあわせ…にッなって…ね」
まろが笑って綺麗な笑顔を見せてくれた。
それと同時にまろのまぶたがゆっくりと落ちてくる。
目尻に溜まっていた涙かそっと溢れた。
桃「まろッ!」
まろの手を強く握りしめた。
指輪がひんやりとしていて冷たい。
おれの左手にも同じものがある。
午前0時。クリスマスが終わった。
それと同時にまろの中にある時間の針はピタリと止まり、動かなくなってしまった。
数年後
毎年クリスマスはあの日を思い出す。
今は、クリスマスがだいすき。
大切な大好き人にもう一度会える気がするから。
赤「ないくんさっきからずっと何待ってんの」
桃「えーなんでしょー?りうら当てたら教えてやるよ」
赤「んー?サンタさん?」
桃「んーサンタさんかな…?」
赤「ないくんサンタさんいるってまだ信じてんの…?!」
桃「さぁね…」
こんな会話をしていたクリスマスの夜インターホンがなった。
END
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