コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あーっ、1つも勝てなかったー!!」「へへっ、まだまだ若い奴には負けへんで。」「悔しー!また、リベンジさせろよな!」「何時でも受けてたつで!」「絶対だからな。兄貴!」いつの間にかナンパ男たちにまで兄貴と呼ばれている悠佑。ちゃっかりLI〇E交換までしている。「じゃ、そろそろ行くわ。」「絶対連絡くれよな、兄貴!」「おう、またな!」ナンパ男たちが帰っていく。「……りうら、大丈夫か?立てるか?」悠佑たちと一緒にあらゆる体力イベントを制覇した結果早々にダウンして座り込んでいたりうらに、悠佑が心配そうに手を差し出した。「……ホント、あにきは凄いな。」「え?」「今の奴らもだけど、着ぐるみと写真撮った時も。いつも自然とまわりを魅了して惹き付けて。やっぱり敵わないな。」ポツリと呟くように言えば、ふっ、と悠佑は少し恥ずかしそうに微笑んだ。「俺、そんな凄いやつちゃうで。強いて言えば、今日はりうらの大学にきたからテンション上がってもうてるかな。」「え?」「うちの最年少の生意気な、でもがむしゃらに俺らの歩幅に合わせようと努力してる弟の、同級生と楽しそうにしている普通の大学生な部分を見ることが出来てなんか嬉しくて。」__ 改めて言うの恥ずいな。ガシガシと後頭部をかきながら言う悠佑。なんだか暖かいものが体を巡って、りうらの顔もこころなしかほてったような気がした。「……今日は来てくれてありがとう、あにき。」「おう、俺も楽しかったで。じゃ、またミーティングでな。」「うん、じゃあね。」__ いつか、追いついてみせる。あにきと肩を並べられる男に、絶対なるんだ。遠ざかっていく悠佑の背中を見送りながら、りうらは改めて心に誓った。
可愛い犬の着ぐるみと満面の笑顔の悠佑のツーショット写真がメンバー内にまわされ、ちょっとした騒ぎになったのは数日後のこと。
~完~