コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
北斗の運転する車は長い山道を抜けてアリス達の、牧場の反対側にきた
「結婚するまでは二人とも俺達の家の近くにいたんだ、ジンも今は郵便局員だけど将来は牧場を、するために山の上に土地を買ったんだ」
窓を見るアリスの眼下に壮大な竹藪が出てきた、そしてそれを抜けると大きな黒い屋根のお城のような家が出て来た
北斗の車のエンジン音を聞いて、奥から数匹の犬が一斉に吠えだした
「すごい!素敵なおうち!ここももしかしたらジンさんが建てたの?」
北斗がジンの家を眺めながら言う
「ああ俺達も手伝った、しばらく来ないうちにずいぶん開拓が進んだな」
北斗はスピードを落とし、左手に綺麗に舗装されている小道に入った
車は「く」の字型に大きく一度曲がると、アリスの身長より遥かに高い遺跡のような門柱を通って停車した
そこはもうジンの家の前庭だった、アリスが車のドアを開けて外へ出ると、ちょうどジンが玄関から出てきて出迎えてくれた
「よぉ!北斗!お嬢!よく来たな!」
骨格のしっかりした北斗より大柄なジン、歯を見せて屈託なく笑うその笑顔は、アリスと北斗を歓迎してくれていた
アリス達は庭を通って家の反対側に回り、台所から家に入った
「お~い!さだこぉ~~!北斗達が来たぞぉ~~!」
「いらっしゃ~~い 」
貞子は二階から大きな、お腹を抱えて一段ずつゆっくり降りて来た
あまりのお腹の大きさに、アリスは歓声をあげ、北斗も貞子に会えた嬉しさに笑い、久しぶりにジンの家は歓声に包まれた
「まぁ!とっても大きいわ!」
アリスが貞子のお腹を見て、賞賛するように感想を言う
「そうなのよ~!もう自分がお相撲さんになった気分」
貞子はどこかテレビで見る、眉毛の太い女性お笑いタレントに似ていた、素朴で屈託がなく、しかし芯の強そうな威厳に満ちていた
髪を一つに後ろにくくり、顔はすっぴんでデニムのマタニティドレスから、突き出たお腹を両手で支えている
今にもはちきれそうだ、そんな貞子が微笑んで言う
「あなたが北斗がパリから炎のように攫さらってきた、薔薇園で全裸でいたアリスね! 」
当惑したアリスが少し恥ずかしそうに言う
「ええ・・そうです・・・嫌だわ・・・ジンさんには初対面でお恥ずかしい所を見られてしまって・・・ 」
ジンがガハハハと笑う
「俺もナオもアキもあの時は、彼女は幽霊だと思ったさ、まさかバラ園に女がいるなんて」
貞子が近くにあったおしぼりでピシッとジンを叩く
「もうっっ!そんな時ゃ知らんふりして二人っきりに、してあげなきゃけいけないよって言ったのよ、気が利かないったら!ごめんなさいねうちの人が」
「俺は悪くないぞ!だいたい北斗があんな所にお嬢を置いて出て行くから悪い 」
北斗が肩をすくめて言った
「そもそもいつでも俺の牧場にズカズカ、我者顔でどこでも入ってくるヤツが一番、悪いんじゃないか?」
アリスは両手で口を押えてクスクス笑った、この三人のやりとりを見ていたら、昔から仲が良いのがわかる
長年お互いを理解しあってるからこそ、無遠慮な物言いの奥に温かさがある
ジンが隣町で買って来たという有名な、ケーキ屋さんのケーキと貞子の特製の、バーブティーにアリスが持ってきた土産で、テーブルがいっぱいになった頃4人は楽しくティーパーティーを開いた
それぞれの会話は弾み、ジンや貞子が交互にしゃべり、その合間に北斗も面白おかしくチャチャを入れる
それをアリスがクスクス笑いながら相槌を打つ
しかしアリスはみんなの話を、ぼーっと聞きながら心ここにあらずで
先ほど山間の中で、北斗とキスをしたことを思い出していた、まだじんわり下半身が熱い
友人の家に遊びに来ているのに、どうしても先ほど北斗にされたことが頭から離れず、会話に集中できない
北斗は助手席に座っている、一糸乱れぬアリスのままその指使いだけで、アリスを絶頂の極みに駆け上がらせた
アリスの服に皺が残るからと、彼に抱き着くのも禁止され
片方の手を恋人つなぎにしたまま、北斗のもう片方の彼の手はチュールスカートの裾から、パンティの中に侵入し指だけでアリスを翻弄した
北斗の指がアリスの敏感な小さな真珠と、激しく戯れている間、唯一許されたキスで北斗の舌を夢中で吸った
絶頂に声をあげ目の前に星が飛び、わななきながら助手席に座ったまま北斗の二本の指をぎゅっと何度も、締め付けると見守る彼が切なくため息をついた
はぁ・・はぁ・・「ねぇ・・・北斗さん・・・」
「うん?」
北斗はアリスの中から指を抜き、満足そうに微笑みながらウェットティッシュをアリスに渡す
「いつもこんなにふうにいいものなの?」
北斗も微笑み返す
「時にはもっといいんだよ」
二人は長いキスをした
それから北斗は車を発車させ、アリスは慎重な北斗のおかげで、髪も乱さず、散々吸いつくされた唇にグロスを塗るだけの化粧直しでよかった
そして何か自分もお返しをしようかと言うと、硬くなった股間をそのままにして、彼はかまわなくて良い、今夜のお楽しみが出来ただけだと言った
ほんの数分前にあんなことをしておきながら、今テーブルの向かいの彼は、涼しい顔で座っている、その横にはジン、そしてアリスの横には貞子と楽しく会話をしながらお茶を飲んでいる
アリスただ一人がさっきの車の中で、可愛がってもらった甘い余韻が微かに残り、脚の付け根をぎゅっと閉じ合わせた
あんな風に車の中で絶頂を迎えてしまうなんて
もしかしたら私の中には不埒でふしだらなところが奥深く潜んでいるのかもしれない
そんな部分があるとは夢にも思っていなかった、彼は私のうちの何を引き出してしまったのだろうか
楽しく会話しながらでもアリスは、神経過敏な状態が残っていた
悔しいのでアリスはスリッパを脱ぎ、テーブルの下でそっと脚を伸ばし、彼の内太ももをつま先でそっと撫でた
ピクリと彼が静止画のように一時停止し、信じられないものを見るように、アリスをじっと見つめる