高校受験に失敗して、大好きな両親が
不慮の事故で突然他界してしまって
それでも、生前、尊敬する両親との
“ いつでも笑顔でいる ” という約束を守り
俺は、1回たりとも泣く事はしなかった。
両親以外に頼れる親戚も大人もいないから
生きていく為に、バイトを掛け持ちして
なんとか生活して精一杯頑張っていた。
なんで高校生の俺が自分で稼がないと
生活できないのかとか色々思った。
どんなにバイトを頑張ったって毎月ギリギリの
生活しかできないことにため息しか出ない毎日。
いつもはそんな事考えたりなんてしないのに
その日だけは、どうしてもダメだった。
気持ちが下がると、身体に直結するかのように
だんだん足が重くなって、遂には立ち止まった。
街の真ん中で突然歩行を辞めて立ち止まる俺を
通行人は邪魔そうに避けながら過ぎて行く。
もう、正直言って疲れすぎていたんだと思う。
その時だった。
頭上から音楽が聞こえてきた。
俺は、はっとして顔を上げた。
横断歩道の向こう側に見える屋外ビジョンに
息を呑むほど整った綺麗な顔の人が伸びやかに
声を出して、歌ってるのが楽しくてたまらない
そんな表情をして気持ちよさそうに歌っていた。
激しいダンスで艶のある綺麗な髪を揺らしながら
その人は吸い込まれそうな瞳をこっちに向けて
身体の全部を使って『 俺を見ろ 』と言っている。
何より、力強くて自信満々な感じのダンスなのに
歌声は泣きたくなるほど綺麗でどこか優しい。
そんな印象を受けるような、表現だった。
その時、俺は鳥肌が立つほどの衝撃を受けて
どんな事があっても絶対に泣かなかったのに
思わず、その人のダンスと歌声に感動していた。
『 下ばっか向いてても何もない 』
そう、言われているような気がした。
地面見てるより、上向いて『 俺を見ろよ 』って
その人のダンスと歌声が主張していた。
「 “ ichiban ” の新曲じゃん! “ sho ” かっこいい~ 」
「 ダンスも歌もかっこいい! 今回も神! 」
女子高生たちが、キャー! と嬉しそうな声を上げ
周りを見れば、みんなビジョンを見ていた。
もう一度俺も、視線をビジョンに戻したけど
さっきの人は居なくて別の広告が流れ始めた。
別の広告が流れ始めると、周りの人も動き始め
それだけ、あの人たちが注目を集める存在で
周りの人が、認知しているのだと悟った。
さっきの女子高生たちの会話を思い出しながら
スマホで急いで、イチバンと検索した。
その後すぐに、新曲という単語も追加して
検索すると、漸く目当てのものがでてきた。
どうやら、イチバンというのはグループ名で
さっきのダンスも歌もすごくてかっこいい人は
“ sho ” という名前で活動しているらしい。
改めて、もう一度新曲のMVを見ようとしたけど
ファンクラブ会員でないと見れないものらしく
お金を払わないと見ることができなかった。
もちろん、バイトを必死でしてもギリギリで
節約しながら生活している俺には到底無理で
検索して早々に、MVを見るのは諦めた。
でも、疲れきっていた俺にとってこの出会いは
とても支えとなって、明るくなれた気がした。
もう、下を向いて地面を見ることはなかった。
今日は、ichibanの存在を知った日。
そして、俺に初めて生きる原動力ができた日だ。
岸 優太、16歳。初めて “ 推し ” ができました。
𝐍𝐞𝐱𝐭 ▹ ▸ ▹
はじめまして .. 🤝🏻💞 “ 愛優 ” と申します 🖐🏻💡
以前、別のアカウントで少しだけ活動しており
本日より、また此方で活動させて頂きます .. 🫶🏻 ❤
以前活動していたと言っても、1ヶ月もしてなくて
ほぼ、初心者同然なので初投稿のようなもので
おかしな所があったりするかもしれませんが
暖かい目で見て頂けると、助かります .. 😵💫💭
別のアプリでも活動してるので、似たような
作品になったりするかもしれませんが
そこは、スルーして頂けると助かります .. 🫠
同じ名前で活動してるので、もし知ってるよ ~
って方いらっしゃいましたらお声掛け下さい、笑
めちゃめちゃ、不定期更新になると思いますが
最後まで、お付き合い頂けると嬉しいです .. 🔥❤️🔥
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