価値

注意

・🎲様の二次創作、nmmn作品です

・桃さんのみ出てきます。

・青桃匂わせです

・微メリバです

・桃さん性格が少し悪いです

・とっても短いです

・パクりじゃないです

・御本人様には関係ありません

・御本人様の目に届かない様にお願い致します

・コメントで御本人様の名前を出さないなどの

nmmnルールをご確認の上、お読みください

・nmmnルールにつきましてはご自身でご確認ください

(テラー内でご検索いただくと分かりやすいかと思います)

桃さん 「」

その他　〇〇「」

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俺は奴隷だ。

オークションにかけられ、価値が付き、買われる。

でも、取引はそんな簡単なものじゃない。

気に入られなかったり、飽きられたら当然また売られる（すてられる）

買われては捨てられての繰り返し。

その繰り返しこそが俺の人生。

なんで“普通”になれないんだろ。“普通”になれたらいいのに。

そんな馬鹿なこと考えたこともあった。

俺の人生において“普通”だなんて1番かけ離れていると言っても良いくらいなのに。

今考えてみると妄想、というか願望に過ぎなかったんだ。

もぶ「そろそろ時間です、準備なさい」

「はい」

もぶさんの言っている時間、とはオークションで売り捌かれる順番のことだ。

もぶさんはオークションを開催する側の立場だが、 決して悪い人では無かった。

オークションなんてやりたくてやってるわけじゃないらしく、身内の後継ぎなんだそう。

警察にばれたらたまったもんじゃないし、

元々やっていた会社は破綻して行くところがないんだそう。

自分の事は全部話してくれた。

それも他人の俺に。

俺に何か伝えたかったのか、単にガードが緩いのか。

その人の人生なんて知ったこっちゃないが、奴隷ながらに大変なんだなと思った。

もぶ「時間が来ました、どうか御幸せに」

「ありがとうございました」

奴隷に幸せなんてあるわけないだろ。

こんな捻くれたことを思いながら軽く会釈する。

多分、もぶさんの思う奴隷の幸せとは、いい人に買われることだろう。

最後まで変な人だった。

司会者「次は、桃色頭の少年です。

では…100万からいきましょう」

100万？そんなに安いのか。

もっと高くついてもいいのに。

自分で言うのもなんだが、それなりに容姿は整っているし愛想もいい。

なのにこの司会者は100万の値を付けるのか。

見る目ないんだな。

もぶ「200万」

〃 「250万」

〃「300万」

〃「400万」

〃「600万」

みるみる上がっていく俺の価値。

いいぞ、その調子だ。

もぶ「700万」

でも足りない。まだ足りない。

ここにいる奴の目は腐っているのか？

何故こんなに値が低い？

俺には金以上の価値がある。

それを金で買わせてやると言うのにこいつらは低い値しか付けられない。

そんなんで俺を買えると思うなよ。

？？『…笑』

「…？」

ふいに俺の視界の隅の方が青く光った。

？？『4500万』

司会者「！？よっ、4500万、、？ 他に居ますか？

居ないのなら、この少年は落札…です」

辺りがざわついている。 これだ。 これでこそ俺だ。

4500万

思ったより高く付いたが、そいつは見る目があるのだろう。 何故こんなに金を持っているのか。 俺等にしちゃそんなことどうだっていいが、そいつは世の中で言う勝ち組なのだろう。 この厳しい社会で勝ち進んできたからこそこの俺に高い値を付けることができた。

本当に最高だよ。 心の底からそう思った。 もしここがこういう場でないのなら俺はとっくに叫んでいただろう。 俺はこの瞬間が一番好きだ。 自分の価値が上がっていき、最後の奴がどれだけ高い金を出すか。 わくわくが止まらなくなる。 生きている中での、一番の楽しみだ。

奴隷として人生を楽しむのもそう難しくない。 こんなことを考えてから毎日が少し明るくなった。 自分の価値が上がるためならなんでもした。 奴隷はオークションを待つ間、1週間はある。 オークション主が過保護で無い限りは基本自由だ。 逃げられないようにちゃんと首輪が付いているから自由行動でも大丈夫。 何時に帰ってこいと言われたらその時間に帰ってくれば良かったし、不自由では無かった。 周りは希望を無くした仲間が沢山居たが、俺の希望は仲間の奴らの絶望と一緒。 仲間はオークション会場で希望を失くすが、俺の場合そこで希望を得る。 面白い、一種の賭け事だ。

実際、俺のやっている事はギャンブルとなんら変わりない。 自分の身体を差し出し、価値が高く付いたら俺の勝ちだ。 逆に、俺の価値が下がってしまったら俺の負け。 誰と競っているわけでもないが、俺の中で決めたルールはこれ。 俺はただそのギャンブルに勝てるよう、少ない時間に自分を磨くだけ。 綺麗に魅せられるように、価値のあるように魅せられるように。

俺の人生（かち）はそんなものである。